ムツ兄の、てげてげ人生日記

シマッチュ(奄美人)のムツ兄が、奄美での「テゲテゲ」(気まま)な暮しを記します。

欧州CL、マンチェスター・ユナイテッド、優勝

2008年05月22日 14時00分00秒 | サッカー
大熱戦
試合は21日にキックオフを迎えたが、この世紀の大熱戦に決着がついた時、日付はすでに変わっていた。1996年のUCL決勝でPK戦の末に敗北を喫したファン・デル・サール(当時はアヤックスに所属)が、PK戦でニコラス・アネルカのシュートを止めて、ユナイテッドに3度目の欧州制覇をもたらしたのだ。

運はユナイテッドに味方
選手の真価が問われる大舞台で、最大の輝きを放ったのはファン・デル・サールだった。試合は延長戦でも決着がつかず、1-1の同点のままPK戦に突入。両チーム合わせて14人目のシュートをこのオランダ代表GKが止めた時、2時間45分に及んだ白熱の試合に終止符が打たれた。(ユナイテッドの3人目)クリスティアーノ・ロナルドのシュートをペトル・チェフが阻止し、チェルシーが優勝のチャンスを迎えたが、(チェルシーの5人目)ジョン・テリーは雨に濡れたピッチに足を滑らせてしまい、シュートは枠の外へ。「ミュンヘンの悲劇」から50年、運はユナイテッドに味方した。

ロナルドの先制点
この日、両チーム共に主力が活躍した。累積警告で1999年の決勝に出場できなかったポール・スコールズはその悔しさを晴らすべく、的確なパスでユナイテッドの攻撃のリズムを作った。彼とのワンツーでフリーになったウェズ・ブラウンのクロスに、ロナルドが頭で合わせ、先制点は生まれた。ユナイテッドの栄光の 7番は、このほかにも見せ場を作り、ミカエル・エシアンやリカルド・カルバリョに倒されても平静を保ちながら、状況に応じたプレーを選択。そして26分に挙げた得点で今季の公式戦42ゴールをマークし、大舞台にも動じないことを証明した。

ランパードの同点弾
チェルシーは苦しい状況の中、再びフランク・ランパードが重要な仕事をした。母親を亡くした数日後に行われた準決勝のリバプールFC戦で、貴重なPKを決めたランパードは、前半終了間際にこぼれ球を押し込み、同点ゴールを奪って見せたのだ。そしてチェルシーには守護神チェフの存在があった。ユナイテッドは後半開始直後、試合を決めるチャンスを迎えたが、チェフがカルロス・テベスとマイケル・キャリックのシュートを立て続けにセーブ。この二つの鋭い反応は彼がまとったオレンジ色のシャツのように鮮やかだった。それから、リオ・ファーディナンドとテリーも持ち味を発揮。テリーは延長戦、途中出場してユナイテッドの歴代最多記録となる通算759試合を記録したライアン・ギグスのシュートを、ゴールライン上でクリアした。

典型的なイングランド勢対決
大きな「赤の広場」と、広々とした通りは両者の色に二分され、モスクワの街はこの大一番に最高の雰囲気を作り出した。ただし試合そのものは、典型的なイングランド勢対決となった。雨が降り、選手たちが激しくぶつかる光景は、ルジニキ・スタジアムを古いウェンブリー・スタジアムのように思わせた。それはプレミアリーグというよりも、古き良きイングランドの日曜日の試合に近かった。クロード・マケレレとの衝突でスコールズは鼻血を出し、ミヒャエル・バラックはテベスの後方からのタックルに怒りをあらわにする。エシアンは再びロナルドを転倒させ、ディディエ・ドログバはネマニャ・ビディッチの顔面を平手打ちし、一発退場となった。

完璧なタイミング
両チームはこの決勝を迎えるまで、今季およそ60試合をこなしてきた。そしてこの日も最後まで死力を尽くし、イングランドの2強による頂上決戦は期待通り、記憶に残る一戦となった。前半はユナイテッドが優勢だったが、チェルシーはプレミアリーグの優勝争いを最終節までもつれさせた粘り強さを発揮して同点に追いつくと、後半は試合の流れを掌握した。だがドログバとランパードのシュートは枠を直撃し、逆転には至らなかった。試合を見つめていたロマン・アブラモビッチ・オーナーは、これまでの多額の投資に見合う最高の結果を手にしかけていた。だが現地時間午前1時39分、この日のヒーロー、ファン・デル・サールが完璧なタイミングでPKを止め、勝負に決着をつけた。

マンチェスターUのキーパー、ファン・デル・サール


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