人生最後のギター

15年くらい良き相棒だった

「タコマ」君だが

ご老体になったというのかな。

音の鳴りが悪くなっていた。

昨今のライブではマイクで

音を拾う人はほぼいない。

本体にピックアップをつけていたが

低音が鳴るタイプなので

ブオ～～～ンとハオリやすくく

音響さん泣かせだった。

信号が弱くて音を拾えないことが

度々あったことだし

最初から電気仕掛けで音が出る

エレアコが欲しかった。

※見た目きれい。

音も深みがあるタコマ君。

 

活動も20年。

後何年活動する？と自問自答

していた時期。

そこそこで良いと思った。

「タコマ」君みたいに小ぶりな

アレアコが欲しかった。

「タコマ」君はもう製造していない。

「フェンダー」社に吸収されたと聞いた。

音色は違うけれどどことなく

「タコマ」君の面影がある

「フェンダー」君に決めた。

店頭ではこんなもんかなと思ったが、

ストラップを掛けて弾いてみたら

ネックが２センチも向こうに遠のいた。

手に全然なじまなかったし

弦高が高くてビンビンと鳴った。

アルバム制作中だったのだが

このビンビン系の音で録音した。

耳障りな音が実は今でも気に入らない。

メルカリで売れた。

「タコマ」君を修理してもらったが

万全ではなくやはり鳴りが悪い。

ビンビン音も出始めた。

フレット打ち直しは６万円くらい。

治るかどうか分からない

とのことだった。

で、諦めて帰ろうとしたが

目に留まった「テイラー」君をゲット。

背筋が衰えてきたので軽いのが

決め手になった。

良く鳴るし、音は悪くない。

ライブではどうせ電気を使うので

自分が思う通りの音になるとは

限らない。

拘りを捨てた。

つまり妥協した。

ライブの度に電気系統がトラブった。

リハーサルは大丈夫なのに

本番で音が出ない。

ピックアップを無償交換して

もらったけれど今年８月のライブ

２回とも同じ症状が出た。

お店ではやはりトラブルなし。

それでも念の為にと

ピックアップを交換してくれた。

一応治った。

が、本番でトラブルかも

と思うと怖い。

ギターのトラブルは数年に及んだ。

「どうしてこうなっているのか？」

と初めて考えてみた。

妥協してきた自分が問題かも。

自分の活動に敬意がない。

この中途半端さは自分にも

お客様にも失礼ではないか？

腹をくくらなくては、と思った。

ネットで調べた品番のギターに

会いに行った。

１０万円から３０万円台まで

弾かせてもらったが、

何と言うか・・感動がない。

丁寧に接客してくれたが

どれにも決められず。

買うべきか？

それともダメ元で「タコマ」君の

ピックアップを取り替えるか

決めかねて島村楽器へ。

男の子っぽいギターばかり。

唯一壁に掛かっているのを

「触れますか？」と聞いた。

「いいっすよ～」と渡されて

触ると私の手になじんだ。

エレアコの「テイラー」君。

型番が書いてないので分からないが、

音がエレガントでエレアコっぽくない。

展示会で売れたけれど

持ち主が１～２週間で手放した

のだとか。

「さっきまでこれでした。」

とプライスカードを見せてくれたが

３４万何千円と書いてあった。

「元は５０万円以上したんです。

高いって言われたんでこっちにした」

という。

もうヒトコエ！と言ってみたが

受け入れられず。

お値段は2７万円に少し掛けるくらい。

１０分考えて決めました。

修理完了のテイラー君を

引き取りに行ったお店に持ちこみ

違和感のあったペグを交換。

ますます素敵なルックスになった。

店頭でこんなもんかと思う体質(笑)で

これまで失敗しまくった。

恐る恐るリビングで弾いたら

素晴らしく柔らかい

かつ深みのある音が出てきた

心底感動した。

テンション上がる～～～～！

１０万円のギターでは味わえなかった。

３本並べてみたが見た目はほぼ同じ。

家人に見られたくないな。

残り１０年は頑張るぞと決めた。

９月１２日のみよし市民ホールの公演が

１１月１２日に延期になった。

おそらく人生最後の相棒（ギター）。

出番はちょっと伸びたけれど

出会えて良かった。

冬のボーナスは飛んだ。

ギターに恥ずかしくないレベルを

目指したい。