この度、私が担当した国立病院勤務職員の過労死事案で逆転で過労死認定がなされたのでご報告します。
事案は、北関東地方の国立病院に勤務していた中越地方出身20代男性が過労自殺したというものです。
パソコンのログ記録からはつき154時間42分の時間外労働が認められます。
しかし、労働基準監督署は、男性が仕事中に家に帰るなどしていたとして、ログ記録どおりの労働時間を認めませんでした。
そのため、当方は審査請求、再審査請求を行い、過労死であると争いました。
使用者側は男性は仕事ではなく、職場で本を読むなどして時間をつぶしていたと主張していました。それに対し、当方は、業務のための必要に迫られて(時には上司からも言われ)本を読んでいたので、それも含めて労働時間が認定されるべきだと主張しました。
平成30年10月19日に出された裁決では、当方の主張が認められ、1ケ月154時間42分の時間外労働があったとして過労死が認められました。
本を読むなどの研鑽が労働時間に該当するかどうかについては市民病院過労死事件でも問題になっていますが、業務にとって必要な研鑽は労働に該当するというのが一般的な見方です。労基署はそのような一般的な見方を否定したもので、到底維持できないものだったと思います。
今後、労働基準監督署の判断が適正化されること、また、各事業者が研鑽も含めて労務時間管理をすることを期待します。
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弁護士 齋藤裕(新潟県弁護士会所属)
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