さいとうゆたか法律事務所 離婚ブログ

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非監護親と子どもとの面会交流において会話に制限を設けるべきとした事例

2017-01-18 17:22:02 | 離婚と子ども

 東京家裁平成18年7月31日審判は、非監護親が子どもと面会するに際し、会話に制限を設けるべきだとの判断を示した上、社団法人の職員らの立ち合いのもとで面会を行うこと、当事者双方は面接交渉の際の留意事項・禁止事項等について社団法人の指示に従わなければならない、として面会交流に厳しい条件をつけました。

 監護親は、面会の際の会話に制限をもうけるべきと主張しました。非監護親は、手続きの中で子どもとの会話に制限を設けるべきではないと主張しました。それに対し、裁判所は、「面接交渉において未成年者の生活状況をあれこれ詮索したり、監護親の言動の真偽について未成年者に意見を求めたりすることは未成年者を当事者間の紛争に巻き込み、無用のストレスを与えることになりかねず、子の福祉に反するから、許されるべきではない」との判断を示しています。そして、上記のとおり面会に厳しい条件をつけたのです。会話の制限をするために社団法人職員らの立ち合いを条件としたものと思われます。

 確かに面会の際の会話が無制限ということはありえないでしょうから、場合によっては当該審判のような条件付けをすることはありうると考えられます

 

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離婚届をしなくても離婚慰謝料が発生するとされた事例

2017-01-12 19:03:56 | 離婚とお金

 東京高裁平成28年1月7日決定は、離婚届をしなくても離婚慰謝料が発生するとの判断を示しました。

 これは、離婚慰謝料を定めた公正証書により財産の差し押さえが認められるかどうか争われた事件についての決定です。債権者は、公正証書で取り決められた離婚慰謝料を債務者が支払わないので、公正証書により財産を差し押さえようとしました。しかし、東京地裁において、離婚慰謝料が発生するには離婚をしたことの証明が必要なのにそれがにとして、差し押さえを認めませんでした。それに対し、東京高裁は、公正証書も離婚届を条件とするものとは解されないとして、差し押さえを認めたものです。

 あくまで公正証書の解釈について判断した裁判例ですが、離婚慰謝料がどのような場合に発生するのかに関して参考になるものです。

 

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養育費・婚姻費用の間接強制

2017-01-10 10:41:42 | 離婚とお金

 間接強制とは、判決等で決められた債務を履行しない債務者に、一日○円などの金の支払いを命じ、債務の履行を強制させるものです。子の面接や引き渡しの際に使われることが多いです。

 ところで、養育費や婚姻費用については、お金をめぐる債務ですから、たとえ不履行があったとしても、給料の差し押さえなどをすれば足り、間接強制まですることはあまりありません。

 しかし、民事執行法の改正により、民事執行法167条の15第1項が養育費・婚姻費用について間接強制をなしうることを明記しましたので、今後、間接強制により取り立てを行うことが増えることも想定されます。

 なお、横浜家裁平成19年9月3日決定は87万円の未払養育費について未納1日5000円、広島家裁平成19年11月22日決定は50万円の未払養育費について未納一日1000円の間接強制金の支払いを命じています。

 一日5000円だと、月15万円です。不誠実な対応をすると養育費が雪だるま式に膨れる可能性もあり、養育費取り立ての有効な手法となる可能性もあるでしょう。

 

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離婚届書作成後9ケ月同居していた場合と離婚届の有効性

2017-01-07 11:08:53 | 離婚が認められるかどうか

 東京高裁平成21年7月16日判決は、離婚届出書作成後9ケ月同居していた場合に、作成後9ケ月後に提出された離婚届の効力を認めました。

 この事案で、夫婦が婚姻届を作成した後も、妻は、夫が定職に就いてくれれば離婚しなくても済むとの期待を抱きながら、離婚届提出をしませんでした。しかし、妻の期待とおりにはならず、結局、夫婦の自宅を売却し、借金の返済などに充て、夫婦が別居するに至りました。夫から離婚届を出さないようにとの申し出もありませんでした。そのような状況において、裁判所は、離婚の届出意思が双方にあったと認定しました。

 離婚届が有効であるためには、届け出をする意思が必要です。夫婦双方で離婚届を作成しても、その後に離婚の意思が消失したとみられるような事情(長期の夫婦生活の継続など)があれば届出意思が否定される可能性はあります。しかし、東京高裁の事例ではそこまでの事情はなかったということになります。

 

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自由意思によらないとして財産分与・慰謝料の合意が無効とされた事例

2017-01-06 15:25:42 | 離婚とお金

 仙台地裁平成21年2月26日判決は、元夫婦間で作成された財産分与・慰謝料の合意書について、自由意思によらないとして効力を否定しました。

 これらの合意書は、元妻が元夫に対し、夫婦共同財産である妻名義不動産の売却代金をすべて支払う、不貞慰謝料として2000万円を10日以内に支払うという内容でした。

 裁判所は、元夫が元妻に対して暴力を繰り返し行い、また、継続的に不貞を責めていたため、元妻が元夫のコントロール下にあったとして、合意書は自由意思で作成されたものではないとしました。

 10日に2000万円を支払うという無理な内容であったことも自由意思で作成されたものではないことの証拠とされました。

 この判決では、暴力などが認定されましたので、合意書の効力は否定されました。しかし、一般的には合意書の効力を否定することは簡単ではないので、無理に合意書を作成させられそうであればすぐに弁護士に相談すべきでしょう。

 

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