婚姻費用が一旦決められた場合、事情変更がなければ増減などを求めることができないのが原則です。
例えば、婚姻費用決定後、相当期間経過後、婚姻費用支払義務者に子どもができ認知したような場合、婚姻費用が変更される可能性はあります。
しかし、婚姻費用決定時、婚姻費用支払義務者において自分に認知していない子どもがいることを認識していたところ、婚姻費用決定後に認知をしたような場合、信義則に反する等の理由で婚姻費用額の変更が認められない可能性が高いと思われます。
大阪家裁平成26年7月18日審判は、婚姻費用決定時、婚姻費用支払義務者において自分に認知していない子どもがいることを認識していたところ、婚姻費用決定後に認知をした場合に、婚姻費用の減額を認めています。
婚姻費用は平成21年の審判で決められました。婚姻費用支払義務者はその段階で自分に認知をしていない子どもがいることを知っていました。
その後、婚姻費用支払義務者は認知をし、平成25年に認知を事情変更とする婚姻費用減額審判を申し立てましたが、信義則に反するなどの理由で却下されました。
さらにその後、婚姻費用支払義務者は、家庭裁判所に婚姻費用減額請求を行い、そこでは会社を退職したことや認知などの事情変更を主張しました。
裁判所は、認知された子どもの出生から6年、認知から1年半、審判での婚姻費用決定から5年が経過していることを指摘した上、認知された子どもを無視して婚姻費用を決める場合には婚姻費用支払義務者の信義則違反の責任を認知された子どもに負わせる結果になりかねない等として、認知も事情変更として婚姻費用を定めるべきとしました。
認知された子どもの生活のことを考えると、現実的な判断との評価も可能でしょう。
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