時には、旅の日常

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長野・富山へ 美味しい年の瀬 列車旅-10~飛騨路を抜け名古屋終着

2016-04-01 17:37:11 | 中部/日本
 今回の旅の最終行程を担う、特急「ひだ14号」名古屋行の、富山から4時間に及ぶラストスパートが始まりました。

 <<長野・富山へ 美味しい年の瀬 列車旅-09>

 暖冬の影響か、この旅の道中、間近に雪を目にする機会が全くありませんでしたが、富山県と岐阜県との県境の辺りで、ようやく白一色の地面の風景に出会うことができました。

 真冬の長野・北陸への旅行で、初めて雪景色を目にしたのが、名古屋への帰路の途中というのも皮肉なものです。
 しかし、この後程なく飛騨路の人里へと進んで行くと、再び雪は姿を消してしまいました。。。

 越中と飛騨との国境の山中に垣間見た、一瞬の幻のような雪景色の余韻を心に刻み付け、平成27年(2015年)大晦日の夕焼けを浴びながら、旅の終着地・名古屋へ到着しました。


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 名古屋行の特急「ひだ14号」は、富山を出発して40分程走ると、高山本線で富山県最後の駅、猪谷(いのたに)へ到着します。

 富山から小京都・高山や温泉郷・下呂(げろ)等を経て岐阜へと至り、東海道本線と合流する高山本線は、富山からこの猪谷まではJR西日本、猪谷から岐阜まではJR東海の管轄となっています。
 普通列車も基本的に、この駅でそれぞれの方向からの列車が終点となります。
 画像左側が富山方面へと向かうJR西日本の列車、右側が高山方面へと向かうJR東海の列車です。



 猪谷を出発すると、「ひだ14号」は富山県と岐阜県との県境となる山中へと分け入り、車窓風景が一気に白い色を帯びてきました!
 この旅で初めて目にする、雪で覆われた地面です。

 既に岐阜県へと入った頃合い…この後、「ひだ14号」が走る高山本線は、飛騨路へと入っていきます。



 宮川(神通川の岐阜県内での呼称)に沿って、山深い谷を南へ進みます。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 川原や山肌は雪に覆われていて、旅程の最後の最後でようやく目にすることができた雪景色に、しばしの間、見入っていました。



 カーブの多い山中の川沿いを、「ひだ14号」は力強く駆け抜けていきます!
 「ワイドビュー」と銘打つ車両だけあって、座席の窓だけでなく、前方や後方の眺めもまた、ワイドに楽しむことができます♪
 これは、乗車した最後尾の車両からの、後方の眺め。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 飛騨路に入ったばかりの山間の区間では、このように軌道敷にも雪が積もっていて、白銀の眺望が後方へと流れ去っていきました。

 この後、山を抜けて人里へと入っていくと、再び雪は消えてしまい、この眺めが雪景色の見納めとなりました。

 やがて「ひだ14号」は、飛騨の中心都市である高山へ到着し、富山から乗車してきた多くの乗客が下車し、それとほぼ同数の人が乗車してきました。
 高山で4両増結して7両編成となり、再び飛騨路を南下します。



 間もなく、温泉地として名高い下呂へ到着。
 富山を出発して、既に2時間20分程が経過しています。

 いつしか分水嶺を越えたようで、車窓に見えている川は、木曽川の支流である、飛騨川
 北へ流れ、神通川となって日本海へ注ぐ宮川とは逆に、飛騨川は南を目指して木曽川と合流し、伊勢湾へ注ぎます。

 飛騨川沿いには、下呂の温泉街が広がり、旅館等が林立している様子が見て取れます。

 さて、飛騨路は、最南端に位置する、この下呂市まで。
 平成16年(2004年)に発足した下呂市を南へ抜けると、岐阜県北部の飛騨地方から南部の美濃地方となります。



 美濃へと入っても、しばらくの間、車窓風景はこれまでと大きく変わることはなく、山間の景色の中を、「ひだ14号」はひた走ります。

 飛騨川が長い時間を掛けて削り上げてできた、美しい渓谷の幾つかを、こうして車内から眺めることができる、高山本線の数多い素敵な景色の一幕です。



 高山本線が東海道本線と合流する岐阜へ近付く頃には、時刻は16:30を回っていました。
 西へ大きく傾いた太陽が、平成27年最後の輝きを放ち、夕暮れ色に空を染め上げます。
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 山間部から平野部へと出てくると、「ひだ14号」は一段とスピードアップ!
 岐阜までの、高山本線の最終区間を、疾走します。



 「ひだ14号」は、岐阜からは進行方向を逆にして東海道本線へと進入、名古屋への約20分間のラストスパートとなります。

 岐阜~名古屋の最終区間も、全力疾走のノンストップ高速走行で、あっという間に名古屋駅の手前まで辿り着きました。

 京都方面から走ってきた、東海道新幹線の「のぞみ」と並ぶようにして、「ひだ14号」は終着駅・名古屋へすべり込んでいきます。



 定刻の17:02に、富山からの4時間ジャストの行程を走破した「ひだ14号」、名古屋へ終着しました!
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 夕闇迫る、慌ただしい雰囲気の名古屋のホームに佇む「ひだ14号」の傍らで、富山からの快適な旅に感謝し、その労を労います
 お疲れ様でした。



 下車した大勢の乗客の姿も消えて閑散としたホームの、どこか侘し気な雰囲気に溶け込む姿の情感深さは、旅の締め括りに相応しい佇まいでした。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 ステンレスの車体のメタリックな風合いが、蛍光灯の白色光に反射して、この冷たげな印象を与える光からでも、旅情を醸し出しています。
 まだ旅を続けていたい名残惜しさに後ろ髪を引かれる思いで、「ひだ14号」に別れを告げ、ホームを後にします。

 雪のない年末雪国紀行となった今回の旅でしたが、大阪から乗り換えなしで長野へ至る最後の機会を得たことや、北陸新幹線の快適な乗り心地を初めて体験することができたこと、富山の私鉄のレトロな雰囲気に浸れたことや、ラストの高山本線の美しい車窓…と、1泊2日の駆け足ながら、内容の濃い列車旅でした。
 長野の蕎麦と、富山の鮨&白えびといった、彼の地が誇る美味も大いに堪能して、今回もまた、お腹も大満足な旅となりましたw

 まだまだ、私にとって未知のエリアが広がる信州&北陸エリア…この地域へは、今後も通うことになりそうです。

 「長野・富山へ 美味しい年の瀬 列車旅」 了



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2 コメント

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Unknown (タヌ子)
2016-04-05 19:47:15
飛騨川の深いブルーの水が綺麗ですね。
フランスでは川底の違いなのか、河川ではあまりブルーの水を見ることがありません。
昨年白川郷を訪れたのは丁度今の時期でしたが、豪雪の名残で、道沿いには1mぐらいの雪の壁ができていました。
大晦日で北陸に殆ど雪がないというのは、やはり例外的なのでしょうね。
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タヌ子さん。 (taろう)
2016-04-05 21:30:47
本州のほぼど真ん中で分水嶺越えをする高山本線、山間部を縫うように走るだけあって、川沿いの眺めの美しさも、外国人にも人気のルートとなっているのでしょうね。
秋には紅葉する沿線風景も素晴らしいようです。
4月で1mの雪の壁とは、流石に北陸と隣接する飛騨の山中ですね!
大晦日までは暖冬でしたが、年明け後は打って変わって大荒れの豪雪となった北陸…自然現象も、程々の塩梅とは、中々いかない模様です(^^;)
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