時には、旅の日常

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初海外 思い出の地探訪 香港・啓德へ

2020-02-29 12:47:31 | 香港
 2019年晩秋の香港行では、1990年の初海外旅行時に飛行機の乗り継ぎで降り立った、当時の香港の空の玄関口であった啓徳(Kai Tak/カイタック)空港の跡地を、訪ねてみました。

 初海外渡航から30年近くが、経過し、かつての香港国際空港の跡地は、再開発の槌音が響き渡っていました。
 実際に降り立った空港のターミナルも、とうの昔に取り壊され、九龍湾に突き出た埋立地上にあった滑走路先端に整備された公園を、目指します。

 <啓徳空港>


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 香港中心部の中環(Central/セントラル)にある麺専門店「沾仔記(Tsim Chai Kee/チムチャイキー)」で小腹を満たした後、香港の地下鉄MTR荃灣綫(Tsuen Wan Line/チュンワンシン)の中環(Central/セントラル)駅へ。

 ここから、啓徳へと出発します!



 中環のホームで出発を待つ、荃灣綫の電車。

 荃湾線は、香港島の中環と九龍(大陸側)の目抜き通りである彌敦道(Nathan Raod/ネイザンロード)を結ぶ、MTRの基幹路線で、ラインカラーも赤であることから、大阪メトロの御堂筋線のような路線?、と勝手にイメージしていましたw

 ホームドア完備のホームは、広々としていました。



 中環を出発し、海底トンネルで香港島から九龍へと渡ったところで、緑のラインカラーの觀塘綫(Kwun Tong Line/グントンシン)に乗り換え、牛頭角(Ngau Tau Kok/ガウタウコック)で下車。
 觀塘綫は途中から地上へと出て、高架ホームの牛頭角駅でした。

 中環からは、乗り換え時間を含め、30分程の所要時間であったでしょうか。



 郊外の住宅地然とした、牛頭角駅の周辺風景。
 駅前から、高層住宅の建物が林立していました。

 この駅から、九龍湾を目指して、歩きにかかります。



 少し歩くと、住宅街とビジネス街とが入り混じる景色に。
 利用できる土地が限られる狭い香港ゆえ、住宅やオフィスをはじめ、あらゆる建物が空を目指すかの如く、上へ上へと伸びていきます。

 新旧の建物が混在していると、どこかエキゾチックな雰囲気も、感じることができますね。



 九龍湾沿いの通りへと入ると、ついに目にした「Runway Park/跑道公園」の標識。
 そここそが、この散策の目的地です!

 中国語(広東語)では、滑走路(ランウェイ)を「跑道」、クルーズを「郵輪」というのですね。
 ターミナルにも、難しい字が充てられています。。。

 クレーンが乱立している場所は、もうかつての啓徳空港の滑走路であった所です。



 啓徳空港跡地へと至る橋を、渡ります。
 橋を渡り終えれば、もうそこは旧啓徳空港の敷地です!

 橋の向こうに、香港の九龍側の中心街の摩天楼を一望することができます。
 橋を渡って、そのまま到達できそうな錯覚に陥りますが、摩天楼との間は、九龍湾で隔てられています。



 橋の上から、かつての滑走路の先端方向を眺めています。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 画像の左側が歩いてきた牛頭角駅の方向、海を挟んだ右側が旧啓徳空港敷地となります。
 画面奥へとずっと延びているその敷地の先端まで、これから歩くことになる訳ですが、再訪が叶った感無量な気持ちに満ちていて、その距離感に心が折れることはありませんでした(^^;)
 好天に恵まれたことも、幸いでした。



 30年近く前に降り立ち、飛び立った滑走路の敷地へと足を踏み入れ、その先端へ向け歩を進めます。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 整備された広い歩道、開けた展望等が魅力なのか、格好のジョギングコースとなっていました。
 対岸に見えている牛頭角方向の市街地は、高層建築物でビッシリと埋め尽くされていますね;



 先刻、対岸の市街地からも見えていたクレーン群。

 1998年の新しい国際空港の開港をもって閉港となって以来、20年を経過してようやく、啓徳の再開発が緒に就いた感じです。
 香港には貴重な、まとまった空地となった啓徳ですが、再開発が完了したら、一大市街地へと大変貌を遂げることでしょう。
 この開けた展望も、そのうち望むことは難しくなりそうです。





 しばらく歩いていくと、舗装された地面の広々とした遺構を、横目に眺めるようになりました。
 まぎれもない、かつて香港国際空港(香港國際機場)であった啓徳空港(啓德機場)の滑走路が、閉港後20年を閲してなお、その姿を留めていました。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 もう30年近くにもなる昔日、私も機上の人となって、この滑走路を行き交ったのかと思うと、感激もひとしおでした!
 しばらくの間金網越しに佇み、間もなく永遠に失われるであろうこの貴重な風景を脳裏に、シッカリと刻み込みました。

 滑走路の向こうに見えているのは、2013年に開設された、啓徳クルーズターミナル(啓德郵輪碼頭/Kai Tak Cruise Terminal)。
 Wikipediaによれば、世界最大級の客船も接岸可能とのこと。
 「空の玄関」から「海の玄関」へと、変貌を遂げた啓徳です。

 その高さ、幅、奥行共に、一般的なターミナル建築物の規模を遥かに凌駕しているように思えた程贅沢にスペースを利用した、現代的な意匠にもかかわらず、どこか今日の中国の役所等のそれに通じる圧迫感というか、威圧感を感じさせられる、クルーズターミナルの建造物でした。



 更に進んでいくと、道はかつての滑走路を寸断して、横切ります。
 (画像クリックで、別ウィンドウが開きます)

 ここでも、生い茂った雑草木に囲まれながら、往年の姿を辛うじて留める滑走路を間近に、すぐ頭上を飛び立つ飛行機を思い浮かべていました。

 目的地である「Runway Park/跑道公園」まで、もうあと少しです。

 <香港・啓德再訪 啓德ランウェイ・パーク(啓德跑道公園/KAI TAK RUNWAY PARK)>



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2 コメント

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Unknown (タヌ子)
2020-03-03 17:34:57
啓徳空港に向かって飛行機が下降を始めると、高層ビルにぶつかって翼が折れてしまうのではないかとビクビクすると同時に、そのスリリングな風景にワクワクしたものです。
啓徳空港がなくなってしまうと聞いた時は、もう一度あの感覚を味わいに香港に行こうかと考えたほど。
クルージング=郵輪、タイヤもないのにこれいかに?と思ったけれど、この輪は回る、巡るという意味で使われているんですね。
香港の青空はやはりスペインの青空とは違って『湿度』を感じる青ですね。
コンクリート製の『跡地』を見るたびに、雑草の逞しさに驚かされます。
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タヌ子さん。 (taろう)
2020-03-03 20:47:12
啓徳空港着陸時の機窓からの「香港カーブ」のスリリングな眺めは、一生忘れないと思います。
私も当時は、テンションが高かったからか、恐怖感は微塵もなくて、窓に齧り付いて眼下の絶景に見入っていたものでしたw
流石に漢字の母国だけあって、こうした中国語の当て字表記の巧みさには、いつも唸らされ、漢字の勉強にもなります。
香港の青空は、エネルギッシュですよね。
湿度の高い蒸し暑さは、ついついここが香港であることを忘れてしまいがちでしたw
雑草の逞しさは、遮られない強い陽射しと、降水量の多さとの賜物でしょうね。
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