高遠 夜日記

高遠夜です。映画、海外ドラマ、声優さん好き。吹き替えは本職の声優さんにやらせろ!(主張)

しあわせな孤独

2010-05-07 08:10:25 | MOVIEサ行



監督: スザンネ・ビア
製作: ヴィベク・ウィンドレフ
   ヨナス・フレデリクセン
製作総指揮: ペーター・オールベック・イェンセン
原案: スザンネ・ビア
脚本: アナス・トーマス・イェンセン
撮影: モーテン・ソーボー
音楽: イェスパー・ヴィンゲ・レイスネール

=キャスト=
ソニア・リクター (セシリ)
マッツ・ミケルセン (ニルス)
ニコライ・リー・コス (ヨアヒム)
パプリカ・スティーン (マリー)
スティーネ・ビェルレガード (スティーネ)

=ストーリー=
誰も予期していなかった一つの交通事故を境に回り始める男女4人の切ない運命のいたずらを描いた愛の物語。
監督はCFやミュージックビデオも手掛けるデンマーク期待の新鋭スザンネ・ビエール。
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のラース・フォン・トリアー監督が提唱する“ドグマ”という人工的な照明を使わずに手持ちカメラのみでロケーション撮影を行う手法を用い、人間の生身の姿をあぶり出しその内面に深く踏み込んでいく。
 女性コックのセシリと博士号取得を目指す大学生ヨアヒムのカップルは、結婚を間近に控えていた。
だがある日、セシリの目の前でヨアヒムが交通事故に見舞われる。
そして、彼は病院で一命を取り留めるも、全身不随になってしまう。
ヨアヒムを轢いたのは、この病院の医師ニルスの妻マリーだった。
彼女は助手席に座っていた娘スティーネと口論中、前方不注意で事故に至った。事故以来、絶望感から心を閉ざし、セシリまで受け入れなくなるヨアヒム。
傷つき打ちひしがれるセシリ。
そんな彼女の支えになろうとニルスは優しく接するのだったが…。allcinema


ネタバレしています。未見の方はご注意ください。


















なんとなく先延ばしにしていたマッツ・ミケルセンの出世作。

ファンとしてごめんなさい・・・・・ここまでいい作品だとは。
びっくり。
もともとこういったテーマの作品を見ることが少ないので、なんとなく家でも放置してました。


登場する人たちみんなに自然と感情移入できる作品です。
はじめはヨアヒムのプロポーズから始まり、幸せに浸る二人を微笑ましく見ることができます。
唐突に起こった事故によって、ヨアヒムは顔以外の感覚すべてを失ってしまいます。
その現実を受け入れられないヨアヒムは、かいがいしく看護するセシリを拒否。
セシリの「わたしが全部悪いみたい」という言葉が刺さります。
ヨアヒムに拒否されて彼女がすがったのが、加害者の夫、ニルスでした。
妻のマリーの罪悪感を解消するため、セシリに会っていたニルスでしたが、次第にセシリに惹かれていってしまう。
そしてとうとう本気で愛してしまうんです。




マッツファンなので、重点的に彼に感情移入しちゃったんですが、見た後にゆっくり考えると、ヨアヒムの苦悩、セシリのやるせなさ、マリーの罪悪感、すべてに共感を覚えます。
マリーに関しては、事故起こした割には、苦労してないなあ、とおもったけど、ニルスがすべてを負ってたんですよね・・・・



結末は、マリー以外の人間は抑圧から解放されたんでしょうね。
マリーだけがなんだかかわいそうでしたが、事故を起こした報いなんでしょうか。
それでも子供の誕生日にやってきたニルスに微笑む顔が、一番きれいでした。



映像はざらついた質感のセシリの想像映像がインパクトありでした。
特に印象的なのが、ベッドに横たわるヨアヒムが彼女に手を伸ばしてくる映像のあとに、現実に引き戻される。
彼の手が動くことはない、と思い知らされる。
それでも寄り添うセシリが不安定で、とても心配でした。



監督のスザンネ・ビアはほんとすばらしいですね。
早めに他の作品も観なくちゃ。
女性監督ならではの繊細な映像や心象描写に感動しました。

もうひとつ、タイトルの邦題、すばらしいです。


cinematopicsonlineがすてきな説明を載せてます。



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