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タイタン北極地方の擬似カラー画像

2007-03-17 08:37:06 | オリジナル画像
No.248 2006/3/13作成

Titan's North Pole (False Color Image)

この画像は、2月25日にNASAの土星探査機カッシーニが撮影した土星最大の衛星タイタンの北極付近です。
この画像はその際に撮影された2つの赤外線画像と紫外線画像を処理した後、さらにカラー合成したものです。
赤は赤外線で撮影された地表、緑は別の波長の赤外線で撮影されたメタンの大気、青は紫外線で撮影された高層のもやを表しています。

タイタンは窒素を主成分とする厚い大気に覆われており、もやのせいで可視光線では地表の様子を見ることができません。
そのため、吸収されにくい特定の波長域の赤外線でしか、地表の様子を撮影することはできません。
この画像の中央やや上方に暗い模様が見えます。
これは以前にレーダー観測によって発見された湖と思われる地形に連続しており、巨大な湖だと考えられます。
湖と言ってもタイタンの気温は非常に低いため、水は氷としてしか存在することができず、湖を満たす液体はタイタンに豊富に存在しているメタンやエタンであると考えられています。
北極地域ではこれまで、レーダー観測によってそのような湖と思われる地形が数多く発見されていますが(http://blog.goo.ne.jp/new_petty75/e/9836e0f6e00cfa258c5a99882b44c405)、赤外線で撮影されたのはこれが初めてです。
(ただし、湖の候補と思われる地形は南極地方で1つ発見されています。http://blog.goo.ne.jp/petit_petty/e/d91fe8f1a87709c97de394fefdfcf394
http://blog.goo.ne.jp/petit_petty/e/0bfddddf2608a8660f245239797ee130
また、この画像には地表近くにある雲と思われる明るいすじも見えます。

一方、緑(青と重なって空色に見える)で示した大気の画像では、赤道(下方)に沿って帯状に明るく見えます。

紫外線はタイタンを覆うもやの細かい粒子によって散乱されるので、青で示した紫外線画像では高層のもやが見えます。
赤外線画像よりはみ出しており、タイタンのもやの層がかなり分厚いことがわかります。
北極付近には同心円状、または渦状の模様が見られます。

これらの画像の解析によって、タイタンの気象と湖との関係が今後明らかにされていくものと期待されます。

元の画像:NASA/JPL提供


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