海手の温泉旅館といえば、新鮮な魚介類が楽しみの一つです。
私の住んでいるところは伊豆なので、魚介類を楽しみにお越しいただくお客様は、やはり多いです。
新鮮な魚介類をどのように仕入れているのでしょうか?
旅館によって2通りのやり方があります。
1、電話やFAXで仕入先に指示し、納品。
2、板長や経営者が魚市場へ仕入れに行き、新鮮なその日の旬を買い付け。
これ、見ただけでどちらが美味しいお料理になるのか、想像が付きます。
山手の旅館で、遠路を仕入業者が配送する場合は、なかなかこうはいかないでしょうけど、やはり、自社でかいけつに行くのが良いですね。
といっても、自社で直接魚市場から買い付けるのは、これまた大変なので、
品物と値段をみて買い付けの指示を魚市場の現場で行うということになります。
電話注文の場合は、その種類の魚がその日に多いのか少ないのか、
高値なのか、安値なのかということは全く無視して、ターゲットの魚を競り落とします。
白身がほしいという本質を満たせば良いとう時に、わざわざ魚の種類のこだわる必要はないときもあります。
そういう代替の提案。
これは、情報をリアルタイムでというか、ライブでその場で見ていないとわからないことです。
ごくアタリマエのことですが、まだまだ直接仕入れにいっている宿は多くはないようです。
また、通いつめていると人的なネットワークができて、
今日はこれが良いとか、昨日の売れ残りだけど焼き物に使うにはグッドで格安だとか、
様々な役立つ情報が飛び込んできます。
基本の献立はあるけれど、これらの現地の情報と収集しながら、
柔軟に献立構成を変更してしまえるスキルは、調理長が抜群です。
ですから、調理長自らが魚市場の現地へ行くといいです。
コストで言うと、売上の約25%程度を占める食材。
また、満足度や期待度からいうと、評価の大きな加重値を占めるお料理。
ここに時間とお金をかけて、きちんとしたクオリティの高いものを提供していくのは、非常に価値のあることだと思います。
また、同業他社も来ていますから、ライバル意識が刺激されることもありますし、
お互いに良い情報交換の場としても活きてきます。
一石三鳥ぐらいの感じですから、直接仕入れに行かないのは持った得ないと言えます。
しかも、品質は落とさずその時の安いものを購入できますから、お料理の量と質が上がりつつも、コストが下がるという最高の結果がアンケートでも出てきます。
我々客の立場からすると、こういう小さなことにもきちんと積み上げておもてなしへフォーカスする旅館へ、宿泊に行きたいですね。
このような宿を見分けるには、御料理写真の点数や大きさがしっかりと揃っていること。
また、直接仕入れに言っています、をウリにしているはずなので、即分かるのではと思います。
キャッチコピー文章や、写真の中でもお料理をじっくり見てみるとよいでしょう。