空気層における遮音効果の影響

従来の防音では、吸音材は背後の空気層が重要であると古い遮音設計マニュアルには記載されていると思いますが、実際は低い周波数においては、数センチ～30センチ程度の空気層は音の減衰効果が殆どなく、むしろ空気音の共振を招いて防音効果の低下など悪影響をもたらすケースがあります。
＊実害としては概ね20センチまでの空洞（吸音材のない空気層）はマイナスとして、設計者は理解しても良いと思います。
＊低い周波数：生活音レベルでは概ね250Hz以下（重量音の主成分）、重い足音など。

ですから、吸音材の吸音率を読むには、周波数ごとに、背後の空気層がない場合のデータを見る必要があります。
厚さ・密度および素材の種類ごとに比較することが重要です。

非常に専門的で取扱いが難しい内容だと思います。多様な製品があり、全てのデータを分析するのは大変です。
オフィシャルなマニュアルには掲載されていません。

しかし、防音設計担当の専門家は留意すべき内容です。

私は、実験・体験者の報告および私自身の担当現場での計測・体験で、上記の内容を把握しました。
このような内容は、古いマニュアルや建築学会などの報告にはない。