私が物心ついた頃、すでに我が家には4つ足の立派なレコードブレイヤーがあって、父と母が度々聴いていたイージーリスニングやムード音楽を自然に耳にして育ちました。そんな音楽好きの父は、もちろんクルマの中ではカセットプレイヤーで音楽を聴いていたので、必然的に小さかった私も、家にいてもクルマに乗っていても常に音楽に触れる機会を持たされていたことになります。
1970年前後は、レコードからテープにダビングすることが一般的ではなかったため、父はクルマで聴くためだけのソフトとして、様々なアーティストのカセットを、わざわざレコード店で購入していたようです。しかし、当時のレコードはすべて私が引き継いだものの、残念ながらさすがにこれらのカセットは一本も残っていませんでした。
さて、父から譲り受けたレコードの他にも、我が家にはいろんなルートでいただいたレコードが100~150枚ほどあるのですが、本日の「お座敷ピンクムード」は、妻の実家から譲り受けたいくつかのレコードの内の一枚です。私の父のライブラリーと同じく、ポール・モーリアなどのイージーリスニング系のレコードが多かった妻の両親のレコード群の中でも、ひときわ存在感のある一枚がこの作品で、小島功氏のイラストが見開きで展開されているアートワークがとにかく最高。もし中古屋で見つけたとしても買ってしまいそうなジャケットだ…と思っていたら、私の愛読書である小西康陽さんと常磐響さんの「いつもレコードのことばかり考えている人のために。」にも掲載されていました。