猫面冠者Ⅱ

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番外編:1964年の東京オリンピック・デモンストレーション・ゲーム

2015-02-01 01:03:00 | インポート
*本記事は2016年オリンピックに落選した2009年にUPいたしましたが、その後代表メンバーの一覧をH25年10月2日、ユニフォームに関する日刊スポーツの記事をH27年1月31日に加筆いたしました。

1964年の第18回の東京オリンピック。当時はもちろん野球は正式競技にはなっていなかったが、“デモンストレーション・ゲーム”として全米選抜チームと全日本学生選抜・全日本社会人選抜との間で二試合がダブルヘッダーで行われている。
全日本学生選抜は大学選手権で優勝した駒沢大学、社会人選抜の方は都市対抗で優勝した日本通運が中心で、確かユニフォームも駒大・日通のユニフォームを着用したと聞いたことがある。
(2015年1月27日付日刊スポーツに掲載された「野球の国から2015 シリーズ2五輪に野球が…」という記事では“帽子は「J」でもユニホームはKOMAZAWA”と紹介されている)


画像



一方、全米選抜チームについては、当時の毎日新聞が次のように紹介している。
日本を上回る実力~特別野球参加の米チーム
オリンピックのデモンストレーション・ゲームに参加のため来日した全米選抜軍は八日午後一時半から横浜平和球場で社会人野球全神奈川選抜軍と対戦する。デモンストレーションでは十一日に全日本学生、全日本社会人と対戦するが、同チームの特徴を簡単に紹介してみよう。
投、打、守ともかなり強力で、特に攻撃力は豪快だ。中でもエプスタインス(加州私大)スザーランド(南加大)ホロウエル(南加大)のクリーン・アップ・トリオの強打ぶりはすばらしく、練習での打球は半分以上がオーバーフェンスという豪快さだった。
エプスタインは大学リーグ、サーマー・リーグを通じて春以来30本のホームランを記録している。
投手陣もウェバー(ミズリー大)をはじめ、いずれも一八〇センチ以上の長身で速球を得意としている。日本の打者がこの郷球を打ちこなせるかどうか、とにかく練習からみた印象では戦後来日したアマチュアでは・チームでは最強の実力を持っており、日本の選抜軍はおそらく歯がたつまい。
(『毎日新聞』昭和三九年十月八日付朝刊)

試合はオリンピックの開会式の翌日、昭和39年10月11日に神宮球場で行われた。(尚、オリンピック期間中は東京六大学・東都大学ともリーグ戦を休止していた)
オリンピック・デモンストレーションの日米野球試合は、十一日午前十一時から神宮球場で開かれ、全米選抜に全日本学生と社会人チームが対戦、二試合を行った。
試合前、開会式を行い、オリンピック旗と日米両国国旗掲揚の後、安川オリンピック組織委員会会長らがあいさつしたあと、駒沢大・太田隆雄主将が選手宣誓をした。
競技待ちの各国選手、役員や、一般ファン三万人がつめかけた。
(『讀売新聞』昭和三十九年十月十一日付夕刊)



代表メンバー
全日本学生 ............... 全日本社会人
監督 小林昭仁 駒澤大 監督 稲葉誠治 日本通運
コーチ 前田祐吉 慶応大 コーチ 小林巌 日本通運
投手 盛田昌彦 駒澤大 投手 佐藤昭 日本通運
伊藤久敏 駒澤大 田中章 日本通運
木原義隆 法政大 近藤重雄 日本コロムビア
渡辺泰輔 慶応大 清沢忠彦 住友金属

捕手 新宅洋志 駒澤大 捕手 荒井正孝 日本通運
佐藤文夫 慶応大 広瀬幸司 日本石油

内野手 新谷繁三 駒澤大 内野手 村木博 日本通運
広野功 慶応大 竜山庸道 日本通運
清水健夫 駒澤大 吉田昌幸 熊谷組
武上四郎 中央大 竹之内雅史 日本通運
後藤和昭 駒澤大 田浦正昭 日本鋼管
土井正三 立教大 近藤良輔 日本通運 主将
大下剛史 駒澤大 宮脇由明 鐘化カネカロン

外野手 竹野吉郎 駒澤大 外野手 武田弘 日本通運
太田隆雄 駒澤大 主将 小堀修司 日本通運
末次民雄 中央大 佐藤鉦司 日本鋼管
藤田敏彦 駒澤大 戸塚博 日本通運
井石礼司 慶応大 枝松道雄 日本石油





全米選抜100 000 001  2
全日本学生100 010 000  2

本塁打:フィッツモーリス(木原)
全米選抜 全日本学生
(中) フィッツモーリス 4 1 1 1 0 (中) 太田 駒沢大 4 1 0 1 1
(三) サンデル 4 1 0 0 0 (遊) 大下 駒沢大 4 0 0 0 0
(二) スザーランド 4 0 1 0 0 (左) 末次 中央大 4 2 0 0 0
(左) エブスタイン 4 0 0 1 0 竹野 駒沢大 0 0 0 0 0
(右) ホロウィル 4 0 0 1 0 (一) 広野 慶応大 3 0 0 1 1
(一) ケイズ 3 1 0 0 0 (捕) 新宅 駒沢大 3 0 0 0 1
(遊) ポピッカ 3 0 0 3 0 (右) 長池 法政大 2 0 1 0 1
(捕) スアレズ 2 0 0 1 1 藤田 駒沢大 0 0 0 0 0
(投) ボスワーズ 1 0 0 1 0 佐藤 駒沢大 0 0 0 0 1
ノビック 1 0 0 0 0 (二) 土井 立教大 3 0 0 0 0
ピーターソン 0 0 0 0 0 武上 中央大 1 0 0 0 0
ヒブス 1 0 0 0 0 (三) 後藤 駒沢大 4 2 0 0 0
フラヒヤー 0 0 0 0 0 (投) 木原 法政大 2 0 0 0 0
盛田 駒沢大 0 0 0 0 0
新谷 駒沢大 1 0 0 0 0
渡辺 慶応大 0 0 0 0 0
清水 駒沢大 0 0 0 0 1

31 3 2 8 1 31 5 1 2 6
米国 日本
8103 26108

ボスワース木原
ピーターソン盛田
ブラヒヤー渡辺
犠打:日1(大下) 失策:米1(サンデル)日2(大下・新宅) 残塁:米3日8 試合時間:2時間15分
*本記事作成の当たって当時の朝日・毎日・読売の三紙を調べてみたが、朝日と読売はイニングスコアのみ記載の為、上記のスコアは毎日の記事から引用させて頂いた。ご覧頂いてお分かりの通り両チームの打撃成績の数字と各投手の被安打数などの数字が全く合わないのである。
この記事が掲載されたのは試合当日の夕刊。試合は午前11時から行われているので、当時の通信事情等を考えると制作現場も相当混乱していたのだろう。
明らかな誤植であれば直してしまうのだが、ここではそのまま記載させて頂くこととした。


全米選抜000 201 000  3
全日本社会人000 000 000  0
二塁打:エブスタイン・フィッツモーリス(米)
全米選抜 全日本社会人 所  属 (出身校)
(中) フィッツモーリス 4 2 1 0 1 (右) 枝松 日本石油 立教大 4 1 0 0 1
(三) サンデル 5 0 0 1 0 (遊)二 近藤良 日本通運 慶応大 5 1 0 0 0
(二) スザーランド 5 3 0 0 0 (三) 田浦 日本鋼管 慶応大 1 0 0 0 2
(左) エブスタイン 4 1 0 0 1 竹之内 日本通運 鎌倉学園高 1 1 0 0 0
(右) ホロウィル 4 1 2 0 0 (中) 佐藤鉦 日本鋼管 名古屋工高 2 1 0 1 2
(一) ケイズ 4 1 0 0 0 (一) 村木 日本通運 慶応大 2 0 0 1 0
(遊) ポピッカ 4 1 0 0 0 永野 日本通運 大宮高 2 0 0 1 0
(捕) ドーラー 3 0 0 0 1 (二) 竜山 日本通運 國學院大 1 0 0 0 1
(投) ドブスン 4 0 0 2 0 宮脇 鐘化カネカロン 向陽高 2 1 0 1 0
(左) 小堀 日本通運 早稲田大 1 0 0 0 1
戸塚 日本通運 鎌倉学園高 2 0 0 0 0
(捕) 広瀬 日本石油 法政大 4 1 0 1 0
(投) 田中 日本通運 千葉経済高 1 0 0 1 0
武田 日本通運 大宮高 1 0 0 0 0
清沢 住友金属 慶応大 0 0 0 0 0
佐藤昭 日本通運 一関一高 1 0 0 1 0
近藤重 コロンビア 石川高 0 0 0 0 0
荒井 日本通運 大宮高 1 0 0 1 0

37 9 3 3 3 31 6 0 8 7


ドブスン0田中
         清沢1 2/3
     佐藤昭2 2/3
近藤重
盗塁:日2(竹之内・宮脇) 失策:日1(近藤良) 残塁:米10日11 併殺:米1 試合時間:2時間30分



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