goo blog サービス終了のお知らせ 

南大東島・沖縄の旅情・離島での生活・絶海の孤島では 2012年

沖縄から南東に400キロ。太平洋に浮かんだ絶海の孤島でも人々の暮らしがありました。2012年の情報をお知らせします。

商店、ケンチャンストアー。

2012-12-03 13:28:00 | 日記


 比較的最近になって開業したのが、集落の中央付近にあるケンチャンストアーである。オーナーが代替わりしたため、以前は壁に大きく店名とイラストが描かれていたのですが、今は塗りつぶされていました。


 ここは雑貨店というよりは、食料品に主力を置いているようで、野菜、菓子、ジュース類などを販売してました。その他には、釣り道具が多数出品されてましたが、これはオーナーの趣味によるものではないかと推測されます。

商店、大盛商店。

2012-12-03 13:25:43 | 日記



 島内で日常生活品を購入するには商店を利用しなければなりませんが、全国の過疎地や僻地と同じように、ここでも何でも屋とも呼ばれる雑貨店が勢力を持っています。生活に必要な商品なら何でも揃えています、という便利な店です。その反面、内地のようなコンビニストアーは成り立たちません。人口が少なく、商圏が狭い島であるため、コンビニが新たに進出する必要性が無いためです。その代わり、各商店は朝7時頃から夜11時まで営業を続けていて、何のことはない「元祖コンビニ」のような役割をしていました。
 島内にある商店は、個人経営の小さな大盛商店、ケンチャンストアー、仲程商店、個人経営だが大きな与儀商店、農協が経営するAコープに分かれています。これ以外の商店では、奥山モータースで電気製品などを扱っていました。島内にはこれだけの店舗数しか営業していませんが、これで需要がまかなわれていて、新規に開業する雑貨店はありません。いわば、既得権のようなもので、半ば商権を独占していると言えます。
 これらの商店では、ありとあらゆる商品が少量づつ並べられていて、生活に必要なものは全て足ります。もし、必要なものが無ければ諦めるか、那覇まで出掛けて購入することになります。テレビで最新の家電製品や自動車などを宣伝していても、ここでは直ぐには入手できません。だが、多少は不便ではあっても生活はできます。それが島の生活なのです。
 島の商店をあちこち探したのですが、衣料品店、本屋、カメラ屋などは見つけられませんでした。下着や靴下のような消耗品は雑貨店で売っていますが衣類は一切売ってませんでした。人口が少ないので、多数の衣料を仕入れることができず、衣料品店は成り立たないようです。島民は、那覇に出掛けたときに、衣類をまとめて購入してくるのだそうです。
 雑貨店の中で一番目立つのは大盛商店で、住宅街の角に立っています。ここでは若い娘さん2人が店番をしていました。店の写真を注意深く観察すると判るのですが、小さな看板以外に店名や商品などを広告する看板類が一切ありません。入り口も狭く、ここは何をしている店かなどは外観からすると一切判らりません。だが、島の人にとっては、そこに行けば商店があって、どんなものを売っているかは常識なのです。看板など無くとも、店も客も十分に判っている決まりごとなのです。

商店、仲程商店。

2012-12-02 19:16:27 | 日記



 集落のメインストリートから少し外れた場所で運営しているのが仲程商店です。外観は木造平屋モルタル造りで、外部も内部も典型的な離島の雑貨店です。店舗と住宅が隣接し、店の奥が居間となっていて、来客があれば奥から店主が出てくる形態なのです。この店では、おばあちゃんが店番してましたが、その後ろにある棚をよく見ると、防犯カメラのモニターが入ってました。こんな小さな店でも万引きがあるのでしょうか、それともマナーの無い客へのこけ威しでしょうか。モニターはちゃんと動作していましたので、単なる飾りではなさそうです。


 職住が接近した田舎の雑貨店の形態は、内地の山奥でも見かけられますが、島の雑貨店の特徴は商品の種類と量が極端に多いことです。店内には人がやっと歩ける程度の通路を確保して、両側に棚を設けてあります。棚には缶詰、調味料、菓子などのあらゆる商品がギッシリと積まれてました。これは商品の入荷があてにならないための自衛策です。内地であれば、商品が足らなければ電話で注文すると、どんな山奥であっても1、2日で配達されます。しかし、ここは絶海の孤島であり、定期便は月に数回あるだけです。それも台風シーズンになれば欠航するため当てになりません。万一のことを想定し、店では常に商品をギッシリと溜め込むことで商品の欠品を防止しているのです。これらの商品は全て買い取りのようで、委託販売のような生易しいものはなさそうです。従って、雑貨店を運営していくには相当の軍資金が必要となります。

 店の奥の上がりカマチで女性2人が雑談してました。店の人かと思ったら、近所の住人なんだそうで、暇つぶしに来店したとのこと。店内は一年中クーラーをかけてあり、涼しくなっているので住人の社交場となってました。都内のコンビニでも、昨今はコーヒーコーナーを設けるようになり、町内の住人の社交場となっています。離島の雑貨店では、ずっと昔から周囲の住人のためのお喋りの場を提供してきたのです。


商店、与儀商店。

2012-12-01 19:18:11 | 日記


 大盛商店、ケンチャンストアー、仲程商店が従来からある離島の典型的な雑貨店とするならば、与儀商店は近代的な雑貨店と言えます。与儀商店は島の住宅地から少し離れた丘の上にあり、歩いて行くには不便な場所にあります。そのため、店舗の前は駐車場になっていて、島のあちこちから来店する客の車を駐車できるようになってました。ちょうど、アメリカの片田舎にある雑貨店を連想させるような外観でした。店内は床張りとなっていて、照明も明るく、買い物には便利かもしれませんが、田舎独特の人情が薄いものです。ただ、観光客にとっては土間形式で雑然とした店内のある従来型の雑貨店が楽しいのですが、島民にとってはこちらの方がいいかもしれません。



 内地の田舎に突如イオンの巨大ショッピングモールができると、周囲の商店街は売上げが減少してシャッター通りと化します。すると、島での与儀商店は、在来型の雑貨店の経営を圧迫するのではないか、と思うかもしれません。しかし、両者は全く競合しないのです。与儀商店の入り口付近には多少の野菜や食料品が置いてあるのですが、販売のメインは雑貨であり、それも比較的大きなものです。クギ、チェーンソー、針金などの農家や工務店が使うハードウエア関係が多く、ホームセンターのようなものでした。自転車まで売ってました。こうして、与儀商店は島内の建設会社、農家などに材料を販売するのが主力となって、飲食物や食品が主力の雑貨店とは棲み分けができているのです。