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不条理演劇

アメリカ横断旅行記書き始めました・・・

コマギレの時間

2006-11-18 19:08:55 | 
人間が得た最大のギフトは知能じゃない、好奇心だ。
好奇心、それ自体が目的となって、人間は冒険を続ける。
好奇心が、理性も倫理も道徳も飲み込み、
人間をそれまで見たこともない地平へ押しやる。

恩田陸の『ねじの回転』を読んだ。

実は、半年以上も前に買って一向に読み進まなかったので、
半ば読むことを諦めてたんですが、時間に余裕ができたので
一気に読み進めることができた。

連続的である時間を離散化し、パズルのピースをはめ込むように
再構築していく。
時間遡行の話って、常々矛盾を孕んでる気がしてたけど、
この作品には、その答えがあったっていうか、
やっぱそうなるよねっていう感じの終わり方だった。
だから、逆に印象に残らない。
スルっと飲み込めるけど、後味みたいなのが残らない。

でも、恩田さんはすご~く頭がいい。
それだけはわかった。

歩けど止まれど 彷徨い人ら

2006-09-30 22:17:24 | 
坂の向こうは見えないからいい。
いつまで続くか解っていれば上るのが辛くなる。
だから、二度目に上る坂は余計に辛くなるんだ。
坂の向こうは見えない方がいい。

最近、話題の『夜のピクニック』を読んだ。

実はこれ系は苦手なんだけどほぼ徹夜で一気に読んだ。
これと似たような行事が高校の時にあって、
そのとき見た光景なんかを思い出し多少青くなった。
似ているのは、80キロほどを一昼夜かけてあるくことだけだけど。

でも、そんとき何を感じたか、何を思ったかは覚えていない。
辛かったことだけは覚えている。
そのとき確かに感じたはずの達成感や、完歩の余韻は
不思議と忘れてしまう。
残るのは歩いたという事実だけ。