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ギリシャに死刑宣告;S&P、フィッチ

2012年02月11日 18時20分00秒 | 日記
ギリシャは与党の一部が反対している中で閣議で承認され、12日の議会でEU削減案が議決される見通しになっています。

このような状況で各議員は議案採決に対して複雑な心境で、賛成すれば4月の総選挙で不利になるし、反対すればハード・デフォルトとなり、ギリシャにとってより厳しい方向を選択したことになるので、非常に悩ましい選択を迫られているようです。

しかし、仮に可決されたとしても、IMFが要求している、政権が変わっても、この削減案を確実に実施する保証を提示することは、国民や野党の姿勢からほとんど不可能であると思われます。

このような状況を読み取ってかどうか、格付け会社のS$Pとフィッチから死刑宣告を受けてしまったようです。


S&Pからは「ギリシャ国債、投資家に損失強要なら選択的デフォルトに相当 」

との、ことで、債権団による70%のヘアーカットが自主的な処置であったとしても、ヘッジファンドが実質的な損失を被った場合に「選択的デフォルト」と見なすということであり、12日にギリシャ議会がEU削減案を可決し、15日のユーロ、EU、IMFの三者協議で第二次支援が承認されたとしても、選択的デフォルトの格付けをすると宣言しました。

そして、フィッチからは「10日、救済が得られてもギリシャが最終的にデフォルト(債務不履行)するだろうとの見方をあらためて示した。」

この判断は12日、15日が順調に進んだとしても、4月の総選挙やギリシャ国内の情況から、ギリシャはいずれハード・デフォルトを選択するものと見込んでいるとの判断です。

残念ながら、私もギリシャの現状からすると、フィッチの判断が正しいものと思います。
よほどの抜本的なギリシャおよびユーロを救済する世界的な合意が無い限り、事態は悪いほうに進みそうです。

そして、S&Pはイタリアの銀行の34行を一挙に格下げしています。
ギリシャの次の危機を早速仕込み始めたようです。

しかし、格付け会社は「アコギ」な連中ですね、関係者の血のにじむ努力をさせ、ギリシャ国内の混乱を引き起こさせておいて、最終的に死刑宣告をする。

ギリシャがデフォルトすると言う選択は、ギリシャ国民にとって、真綿で首を絞め続けられるよりも、致命傷を負わない銃殺刑を受けるようなものなので、この選択はこれで正しいかもしれません。
ただ、この場合はアイスランドでの例があるように、国民を守り銀行は破綻させることが大事であると思います。

しかし、ギリシャがこのような判断をすると、その余波が世界中に及ぶ懸念が生じます。
このような状況から、ギリシャ・デフォルトがソフト・ランディングであろうがハード・デフォルトであろうが仕込まれたCDSが爆発し、EUの金融危機がアメリカに波及し、欧米の金融経済大恐慌が始まりそうです。

欧米以外への影響については、ベンジャミン・フルフォードさんが言われている世界の裏の裏での交渉が本当に進んでいるかどうかに左右されそうですが、
もし、そのような交渉が進んでなければ、世界同時金融経済大恐慌に発展してしまいます。

この度の金融経済危機の根本は欧米の強欲な詐欺金融が招いたことであり、その他の国々がまともに経済発展しようとしていることの妨げになり得るわけですので、何とか欧米内でのことに収まって欲しいものだと思います。

そして、彼らの500年間の他民族への侵略、虐殺、略奪のカルマを解消して欲しいものだと思います。

以下、参考記事

ギリシャ与党の一党首がドイツに猛反発、緊縮要求は「屈辱的」
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LZ6KNE1A74EB01.html
  2月10日(ブルームバーグ):救済を確保するために厳しい緊縮財政を要求されているギリシャでは、暫定政権を支える政党の党首の1人が早くも反旗を翻し、一段の歳出削減が必要と指摘したドイツに猛反発した。
  アテネでは労働組合が今週2回目のゼネストに突入し警察は催涙ガスを使って鎮圧に当たっている。荒れ模様の中でパパデモス政権を支える3党の一角である国民正統派運動(LAOS)のカラザフェリス党首は10日、救済のための緊縮策を支持しないと言明した。その数時間前、ドイツのショイブレ財務相は同国の議員らに対し、ギリシャは債務圧縮の目標を達成できないとの見通しを明らかにしていた。
  カラザフェリス党首はテレビ放映された演説で「私が特に気に入らないのは、ギリシャが屈辱を感じさせられたことだ」と述べ、「ギリシャは確かに、欧州連合(EU)なしにはやって行けないが、ドイツにおもねる必要はない」と主張した。
  ショイブレ財務相は、現行の計画ではギリシャの債務は2020年に最大で国内総生産(GDP)の136%との見通しを示した。財務相と議員らの会合に参加した関係者2人が匿名を条件に述べた。1300億ユーロ(約13兆4000億円)規模の救済をめぐる交渉は、20年までに債務の対GDP比率120%への圧縮を視野に進められている。
        「実践なしに支払いなし」
  独財務省のベノワ報道官も10日の電話で、「ギリシャの提案は不十分だ。いったん持ち帰って見直し、新たな提案を示す必要がある」と述べた。
  ユーロ圏財務相(ユーログループ)の緊急会合は昨夜遅くに救済を決めることなく終了。ユーログループのユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫相)は次回の臨時会合を15日に設定し、それまでに歳出削減策を法制化すること、3億2500万ユーロ相当の追加削減の方法を具体的に示すこと、政党指導者らが総選挙後に手のひらを返すことができないように書面で同意を示すことを求めた。
  「要するに、実践なしに支払いなし、ということだ」と言明。「約束が何回も何回も繰り返される一方で十分な実践が伴わないのではシステムは存続できない」とくぎを刺した。
  緊縮策に抗議するゼネストや反対勢力に直面するギリシャのベニゼロス財務相は、週末から始まる緊縮策の採決は事実上、ユーロ残留か離脱かを問うものだと訴えた。
        「真夜中まであと30秒」
  救済交渉がまとまれば、ギリシャは3月20日に満期の国債を償還できるが、格付け会社フィッチ・レーティングスは10日、救済が得られてもギリシャが最終的にデフォルト(債務不履行)するだろうとの見方をあらためて示した。
  EUの行政執行機関、欧州委員会のレーン委員(経済・通貨担当)によれば、救済の一方の柱である債務減免をめぐる民間セクターとの合意はほぼ完了している。
  緊縮財政をめぐる対立の中で、政権を支える3政党が最悪の事態回避への鍵を握った。ルクセンブルクのフリーデン財務相は9日に、「ギリシャは真夜中まであと5分ではなく、あと30秒だということを理解している」と述べていた。


S&P:ギリシャ国債、投資家に損失強要なら選択的デフォルトに相当
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LZ7ODR1A1I4H01.html
  2月10日(ブルームバーグ):米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、ギリシャの債務再編を支持しない投資家に損失を強要する措置をギリシャが実施した場合は、ギリシャ国債の格付けを選択的デフォルト(債務不履行)と見なすとの見解を示した。
  S&Pは10日の発表資料で、ギリシャ国債の元利払いの額や時期を変更する遡及的な集団行動条項(CAC)をギリシャ政府が適用した場合、同国債を選択的デフォルトに格下げするだろうと発表した。
  S&Pは、ギリシャの法に基づいて発行した国債にCACを遡及的に含むよう修正できる法律を同国議会が可決した場合、同国債の格付けを「CC」から「D」に引き下げると説明した。
  ギリシャ法に基づかない国債や、変更の影響を受けない同国債については「CC」を維持するという。「CC」は投資適格級を10段階下回る水準。S&Pはその上で、「これらの国債が、近くまとまるとみられる債務交換の対象となった場合」は、「D」に引き下げることになるだろうとしている。
転載終了