先日、ひいきにしているJ1チーム、ヴィッセル神戸の試合を友人と見に行った後、晩ご飯を神戸で食べることとなった。
友人に店のセレクトをお願いしたところ、彼女が選んだのが「リストランテ・エノテカ・イゾラベッラ」というお店だった。
半地下のその店は高級感溢れる内装で、心がまえができていなかったためにちょっとひるむ。
しかしスタッフさん達のフレンドリーで、それでいて洗練された客あしらいに、だんだんとリラックスしていった。
「そろそろジビエが美味しくなってきましたよ」
そんなホール係のお兄さんの言葉に誘惑され、どれを頼んでも美味いだろうと思わせるメニューと格闘した後、アラカルトで選んで全てシェアするということでようやく5品が決まった。
まずは前菜の「カキのクレープ包み」。
普通のクレープのビジュアルを想像していた私は、いきなりこのひと品に意表をつかれる。
このまん丸な形はまるで…
「はい。明石焼きに見たてて作りました」
いや、これはハナからしてやられた。
だってこの「いかにも高級イタリアン」の前菜が明石焼きだよ ? 明石焼き !!
おもろすぎやろう。その発想。
しかもダシに見たてたソースの中には、ご丁寧にも紅生姜に見たてた赤ピーマンまで浮かんでいるのだ。
しかし味は当然のように本格イタリアンの真髄をいくものだ。
サッとだけ加熱されたカキは、生の時よりも甘みと風味を増し、口中に旨みのジュースを溢れさせる。
そこにかかったポロネギのソースがこれまた激うまで、野菜の甘さが優しくカキを包む。
ふはああああ、一生食ってたいぞ。
パスタは2種類。
最初に出てきたのが「イカスミを練りこんだタリアテッレ 甲殻類のラグーソース」だ。
ソースの旨みのなんて濃いこと。
甲殻類好きにはたまらん味だ。
欲を言えば、タリアテッレがもう少しモッチリしていればもっと嬉しいが、イカスミがたっぷりの味は申し分ない。
もう一品は「キジと白菜のパッパルデッレ グラッパとタレッジオチーズのソース」。
これはもう ! もう極めつけに美味い。
キジのこの力強い肉の繊維。それと白菜をメインとした野菜が絡み合う。
普通ならこういったジビエ ( 狩猟料理 ) のソースに使うチーズなら、少し青カビの味を利かせるためゴルゴンゾーラをチョイスするのが一般的なのだが、そこであえて塩水で洗ったウォッシュチーズであるタレッジオを選ぶとは。
このタレッジオ、そのまま食べても私の一番お気に入りのチーズなのだ。
皮の部分まで食べると少しクセがあるが、中の部分はモチモチしていて非常に食べやすい。
それを使っているせいだろうか、キジの肉の味がしっかりと味わえる。
素晴らしい計算だ。
メインには「山ウズラのロースト」と「蝦夷鹿のロースト ワインビネガーのソース」を。
山ウズラもフェザンタージュ ( 肉の熟成 ) があまり進みすぎず美味しかったが、やはり何といっても蝦夷鹿ちゃんはすごい。
官能的なまでしっとりした赤い肉。
ビロードのようになめらかなのに、噛みしめると肉の弾力が心地よく歯を押し返す。
そしてその中から溢れ出す肉汁。
野生の血の味がするそれを、甘酸っぱいワインビネガーの酸味がからめとる。
両者を一緒に咀嚼するときのこの口福。
夢見ごこちのうちに、ディナーが終わった。
そうそう、この店でもう一つ特筆すべきはワインの品そろえだ。
まるで「想い出のアルバム」のような分厚いワインリストが存在している。
そしてソムリエさんが、その一つ一つについて大切に語ってくれる。
高級でも価値があると思わせる、素晴らしいイタリアン。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本日のお店の予算(一人分・あくまでだいたいの目安)
約9000~20000円
友人に店のセレクトをお願いしたところ、彼女が選んだのが「リストランテ・エノテカ・イゾラベッラ」というお店だった。
半地下のその店は高級感溢れる内装で、心がまえができていなかったためにちょっとひるむ。
しかしスタッフさん達のフレンドリーで、それでいて洗練された客あしらいに、だんだんとリラックスしていった。
「そろそろジビエが美味しくなってきましたよ」
そんなホール係のお兄さんの言葉に誘惑され、どれを頼んでも美味いだろうと思わせるメニューと格闘した後、アラカルトで選んで全てシェアするということでようやく5品が決まった。
まずは前菜の「カキのクレープ包み」。
普通のクレープのビジュアルを想像していた私は、いきなりこのひと品に意表をつかれる。
このまん丸な形はまるで…
「はい。明石焼きに見たてて作りました」
いや、これはハナからしてやられた。
だってこの「いかにも高級イタリアン」の前菜が明石焼きだよ ? 明石焼き !!
おもろすぎやろう。その発想。
しかもダシに見たてたソースの中には、ご丁寧にも紅生姜に見たてた赤ピーマンまで浮かんでいるのだ。
しかし味は当然のように本格イタリアンの真髄をいくものだ。
サッとだけ加熱されたカキは、生の時よりも甘みと風味を増し、口中に旨みのジュースを溢れさせる。
そこにかかったポロネギのソースがこれまた激うまで、野菜の甘さが優しくカキを包む。
ふはああああ、一生食ってたいぞ。
パスタは2種類。
最初に出てきたのが「イカスミを練りこんだタリアテッレ 甲殻類のラグーソース」だ。
ソースの旨みのなんて濃いこと。
甲殻類好きにはたまらん味だ。
欲を言えば、タリアテッレがもう少しモッチリしていればもっと嬉しいが、イカスミがたっぷりの味は申し分ない。
もう一品は「キジと白菜のパッパルデッレ グラッパとタレッジオチーズのソース」。
これはもう ! もう極めつけに美味い。
キジのこの力強い肉の繊維。それと白菜をメインとした野菜が絡み合う。
普通ならこういったジビエ ( 狩猟料理 ) のソースに使うチーズなら、少し青カビの味を利かせるためゴルゴンゾーラをチョイスするのが一般的なのだが、そこであえて塩水で洗ったウォッシュチーズであるタレッジオを選ぶとは。
このタレッジオ、そのまま食べても私の一番お気に入りのチーズなのだ。
皮の部分まで食べると少しクセがあるが、中の部分はモチモチしていて非常に食べやすい。
それを使っているせいだろうか、キジの肉の味がしっかりと味わえる。
素晴らしい計算だ。
メインには「山ウズラのロースト」と「蝦夷鹿のロースト ワインビネガーのソース」を。
山ウズラもフェザンタージュ ( 肉の熟成 ) があまり進みすぎず美味しかったが、やはり何といっても蝦夷鹿ちゃんはすごい。
官能的なまでしっとりした赤い肉。
ビロードのようになめらかなのに、噛みしめると肉の弾力が心地よく歯を押し返す。
そしてその中から溢れ出す肉汁。
野生の血の味がするそれを、甘酸っぱいワインビネガーの酸味がからめとる。
両者を一緒に咀嚼するときのこの口福。
夢見ごこちのうちに、ディナーが終わった。
そうそう、この店でもう一つ特筆すべきはワインの品そろえだ。
まるで「想い出のアルバム」のような分厚いワインリストが存在している。
そしてソムリエさんが、その一つ一つについて大切に語ってくれる。
高級でも価値があると思わせる、素晴らしいイタリアン。
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本日のお店の予算(一人分・あくまでだいたいの目安)
約9000~20000円