piano 竹内直子

in other words, "I LOVE YOU".

ピアノとの対話。そして楽器に教わること。

2009-09-24 | オンガク。

三ヶ月ごとに、ハーピストと交代する、
スタインウェイ(週二回、40分×4回、ソロピアノ演奏・クラシック)の現場。

私は、このピアノに、「音色とは何か」、という大事な技術を、
日々着実に教わり、育てられてきた。
生涯で弾かせていただいた中で、最も包容力の高いピアノ。
演奏者によって、発音する音色がここまで違うピアノは珍しいと思う。
そして同じ演奏者でも、コンディションによって全く違う。
体力や、ピアノの音色を自在にコントロールする力がなければ、
体ごと跳ね返されてしまう。
もちろん表面的に接していれば、そのような事態も起こらない。
本気で対峙するからこその、深いコミュニケーション。

しっかりとハンマーで弦を捉え、
体重のかけかた、角度、脱力の方法などによって、
本当に夢のような音が発音される。

一方、誰が弾いても音色に大差がないピアノ、というのもある。
そして、残念なことに多く流布している電子ピアノ。
弦がなく、電気でできているピアノは、
どんなに高額な商品でも、全く対話ができない。命がないから。

個性として、ありがたくも「ピアノとの対話力の秀逸さ」を称していただくタイプの私は、
弦のないピアノと相対しても、何もインスピレーションが沸いて来ない。

ピアニストによってそれぞれ個性があるから、
もちろんアプローチの仕方や対し方は様々であるけれど、
素晴らしい音色が、どれだけ幸せな音か、
かなり地味な鍛錬が報われて、空に抜けていくような音が出る瞬間は、
何にも替え難い。

また3ヶ月後に、元気で会えますように。

そして、日々大変お世話になっているみなさまに、
心より御礼申し上げます。
敬意を込めて。

ピアノ竹内直子

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