【本日の一曲】 「Prophet Of The Last Eclipse」 by Luca Turilli
イタリアのシンフォニック・ネオ・クラシカル・メタル・バンド、Rhapsody Of Fireの中心人物で、
ギタリストのルカ・トゥリッリによるソロ・プロジェクト、Luca Turilliの通算2枚目となるアルバム
「Prophet Of The Last Eclipse」の最後に収録された曲で、アルバムのクライマックスを飾る
タイトル・チューンです。アルバム全体は宇宙を舞台としたエピック・ストーリーを形成しており、
この曲はその最後に当たります。前奏から入って徐々に気分を盛り上げ、よりクラシカルに、より
ヘヴィに推移していくその展開法は、彼が所属しソング・ライティングを手がけるイタリアのバンド
Rhapsody Of Fireに通じるものがあります。また本作では贅沢にも女性コーラスを随所に盛り込み、
まるで一編のオペラを鑑賞しているかのような感覚を、聴く者に与えようとしています。
前作「King Of The Nordic Twilight」において、Rhapsody Of Fireとは別路線のファンタジー
世界を構築したルカ・トゥリッリですが、今回は一転して舞台を宇宙に求め、一時期流行した
スペース・ロック・オペラをも踏襲するかのようなストーリー展開を見せています。
作曲パターンはRhapsody Of Fireとそれほど変わっていませんが、Rhapsody Of Fireがキーボードや
本物などによる金管楽器調クラシカル路線だったのに対し、こちらではキーボードでの音色を
重視しながらも、歌唱やギターでの旋律構成を主眼に置いているような気がします。
「ピコピコ」とも聞こえるキーボード音は、80年代のシンセサイザー的な、近未来を表現する
技法として使用されています。彼の楽曲の新境地として、興味深い一枚だと思います。