TULIPライブ

もう一週間前になりますが、”風のハミング”の前日はTULIPの神戸ライブに行ってました。

TULIP "THE LIVE" 40th memorial Tour in神戸国際会館。

私の年齢でTULIPというとよく驚かれるんですよね。年齢詐称疑惑を引き起こす一因です
TULIPの全盛期は70年代ですが、私が好きになったのは80年代後半のいわゆる”後期のTULIP”でした。そこから遡って聴き始めたわけです。解散後も財津さんのソロ曲は好きで良く聴いていましたし、なにより俳優としての財津さんが好きでした。ん？やっぱりおかしいか

さて、TULIPのライブです。89年の解散後、3回目の”再集結”ですが、私にとっては四半世紀ぶりのTULIP。しかも初期のメンバーの姫野さん、上田さん、安部さんの生の声を聞くのは初めてです。安部さん、姫野さんなんて、私の中ではむしろ”オールウェイズ”のメンバーという印象の方が強いし（笑）

正直なところ、ライブに行くまでは「どうせ私の好きだった後期の曲は無いやろうなぁ」とか「だったら別にTULIPじゃなくても財津さんのソロでも良かったのに」なぁんて思ってました

とんでもない思い違いでしたね

良かったんです、とっても。

財津さん、ソロの時とは別人の印象。そこにいるのは「財津和夫」ではなく「TULIPのリーダー」でした。それが、私のような中途半端なファンにとっては最初は違和感というか、なかなかしっくりこなかったのですが、ステージが進むにつれて「もしかして、これ凄いかも」と、ドキドキしてきまして。

ステージセットは、後列中央にドラムセット。その両サイド、下手に姫野さんの、上手に財津さんのキーボード。前列は下手に安部さん、上手に宮城さん。中央には姫野さん、財津さんのギター＆ボーカルスタンド、といった具合。オープニングで登場したときに、財津さんはスッと後列のキーボードへ。
まずここで、「あ、そうか。TULIPの財津さんは演奏するんだよね」と、当たり前のことに気づくわけですよ。
もちろんソロライブでもギターもピアノも弾かれますが、ソロライブとはその比重が全然違うわけです。ああ今日はバンドなんだな、とここであらためて

『ぼくがつくった愛のうた』も『心の旅』も『銀の指輪』も、当然ですが姫野さんヴォーカル。最近はもっぱら財津さんで聴くことの多かったこれらの曲ですが、この声、このアレンジ！

うわぁ、本家を聴いちゃった！

って感じでした。いや、だからって財津さんがこれらを歌ってはいけないというのではないですよ。財津楽曲を姫野さんが歌うというのがTULIPというグループを象徴しているように思えたんですよね。小田さんはテレビ（『風のようにうたが流れていた』）で、その辺りを皮肉っぽく財津さんに尋ねてましたけど、「売れたからいいや」と財津さん。そういうおおらかさがTULIPなのか、と。（たいしたファンでもないくせに、偉そうでスイマセン）

もちろん『セプテンバー』や『青春の影』といった財津さんヴォーカル曲も、ソロライブでも聴きましたが、TULIPで聴くとまた全然違って聴こえるのが不思議です。

ＭＣで「TULIPは、例えて言うなら、高校の野球部みたいなもんだった。」と財津さん。永遠のアマチュアでいたかったのだ、と。テレビにあまり出なかったのも「アマチュアを気取っていたかったから」だと。

後半の『Shooting Star』の一体感、カッコよさ。４０周年を迎えたTULIPは、これでもかっていうくらい”バンド”でした。
「せーの！」で音を出すのが、皆で声を合わせて歌うのが、客席と会話をするのが、楽しくて仕方ないという感じの初々しさを持ったバンド。良い意味での”アマチュアリズム”は４０年経っても変わらない。歌も、演奏も、ひとりひとりのパートは五分の一だけれど、客席には５倍になって届く音。バンドっていいな、としみじみ感じた夜でした

・・・さて、もう一組の、あの”５人組”はどうなんでしょうか？