直列☆ちょこれいつ

最近は神社や神道などの古い文書の解読をしています。
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まるまんま

2008年11月06日 | ちょこのひとかけ

ショートショートを書いていたら、
ふと気になる単語がでてきました。

『まるまんま』

ひらがなだと変にかわいくなってしまって
意味が伝わりづらいかと、漢字にしてみます。

『丸まんま』

どっちにしてもなんだか微妙なので、
どちらのほうがより主流なのかと辞書で調べてみました。
……が、載っていません。
正字で書くと『丸儘』ですが、それすらありません。

なんでだろうとgoogle検索してみると、
『まるまんま』が入っている文には、
北海道という単語がちらほらと見えています。

もしや、これは北海道弁?

でも、まさか。
標準語に入ってる単語だろうと
長野県派生の友達に訊いてみると。
丸いおにぎり? みたいな返事がきました。

というところで、『まるまんま』は
地味に北海道弁の疑いが強まりました。


さて、そんなまるまんまの意味、方言だと困るので、
一応わたしの中の感覚を残しておきます。

意味は『丸儘』の漢字から伺えるように、
『丸々其の儘(まるまるそのまま)』
といったところです。

語感的には『まるごと』に近いですが、
まるごととは奥の部分で異なります。

たとえば、『まるごと牛煮込み鍋』では、
鍋の中に、牛のすべての部分を選ぶことなく入れ、
煮込んだ、という意味でしょう。

でも、『まるまんま牛煮込み鍋』では、
牛一頭、切り分けることもなく、そのままの姿で入って
煮込まれています。
その点で、『丸々そのまんま』であるわけです。

たとえば会社で、
「その書類、そのままこっちに持ってきて」
と言われたら、それは順番もくずさずに、
今ある、そのままの姿で持って来いという意味に
他なりません。

一方、
「机の上のもの、まるごとこっちに持ってきて」
といわれたら、それは順番はどうでもいいので、
そこにあるものをすべて移動してくれ、という
意味でしかありません。

その差です。

ですので、
『まるごとりんごのジュース』は、
りんごの部位をすべて使ってジュースにしただけなので
自動販売機で売れますが、
『まるまんまりんごのジュース』は
りんごがまるまるそのまんまの姿でジュースに浸っているだけなので
自動販売機には入りません。


まるまんま、という言葉のない人は、
そういう概念の差はどうやって表しているのかと
ちょっと不思議な感じがします。
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