涙目筑前速報+

詰まるところは明日を知る。なだらかな日々につまずいて
向かうところはありもせず、未来の居場所だって未定―秋田ひろむ

老人とパンクに共通する「No Future」

2015-06-25 23:15:37 | チラシの裏
今コズミックフロントNext観てるんですが、今日は「宇宙の果て」をテーマにやっててですね。
なんつうか、楽しいよね。こういう事を見たり考えたりするのは。
宇宙と深海はロマンですよ。どうもちくぜんです。


今日も今日とてチラシの裏日記。
テーマは「たけしのインタビューが面白かった」です。

北野武インタビュー「老人を大切にしようなんて、大きなお世話」

『龍三と七人の子分たち』に関するインタビューなんだけど、結構面白い内容だった。
まず最初に「ああ、そうだよなあ」って思ったのが、ニコニコ動画のコメントに関すること。

ニコニコ動画のコメントって、一言で端的に言い表しているのが面白いんだよね。
ダラダラ長く書いているのもあるけど、大抵ダメ。
それより一言の中に圧縮できる技術を持った、短い言葉で笑っちゃうような表現が受ける。
それは見逃さないようにしてる。

―上記インタビューより引用


ここすごい共感したよな。
よくいるじゃん、知識ごっこしたいのか自分のクッソどうでもいい主張をわざわざコメントしたがる輩。
政治系とかストーリー重視な展開になった時とかに湧いてくるよな。お呼びでないちゅうねん。
うわ長っってなるからね。実家の部屋の隅っこで蚰蜒見つけちゃった時と同じ顔になってるからね。
そんなもんチラシの裏なり、こういうチンケな場末のブログみてえな場所に書き殴って独りで悦に入ってりゃいいんですよ。

で、逆におもしろい!って思うコメントって、一言程度のフレーズで本質ついてたり皮肉になってたり、フフって笑えちゃう要素が詰まってる。
ワンフレーズの方が視覚的にも良いっていうのがあるんだろうなあと、しみじみ思いました。


で、たけしのインタビューなんだけど、他にも面白いことを言っている。

単純にジジイが暴走族を組んで暴れ回ったら面白いだろうなって。
警察だって相手が若いから説得できるんだよね。
でも、ジジイの暴走族は脅しても言うことなんて聞きやしない。
「君たちには将来がある!」「将来なんてねえよ!」「命を大切にしなさい」「してきたよ!」って(笑)。

―上記インタビューより引用


『龍三と七人の子分たち』のネタについての話なんだけど、この老人が暴走してる様が実際あっても、「将来がある!」なんてクリシェが全く通用しないっていうギャップにちょっと笑っちゃった。
これ、インタビュー内でも言われているのだけど、「No Future」なんだよな。
パンクの精神ともいうべき、セックスピストルズなわけです。
20代にもなっていない若造が騒ぎ立てるNo Futureと、老い先短いおいぼれのNo Futureだったら、説得力があるのは断然後者でしょうって気になるから面白い。
おいぼれに言わせれば「べらんめえ!若造が何したり顔でノーフューチャーとか言ってやがんだ。てめえが死ぬ実感すらできてねえだろうが!」ってことなわけよ。
僕もそうですけど、若い奴なんて本当の意味で「自分が死ぬ」なんて全く考えてないからね。
明日も平然と学校なり会社なり行ってだ。
帰ってオナニーして精子出して小さな生命をぶち殺してだ。
疲れればクソして寝るもんだと思ってますからね。

若いうちから「ああ、明日死んじゃうかもしれない」なんて事情を本気になって体現できるのは今は亡き某B先生クラスまでいかないとお目にかかれないと思ってるよ。
そういう意味では、本当に偉大だよ。某B先生。
本当の意味で、パンクの精神だもの。

一昔前のHIP HOPや青春パンクなんかにありがちな、「家族や友人の有難み」みたいなもん一つ取ったって、「抗ガン剤の値段と家族の有り難みについて」の記事の前には、そこらのミュージシャンじゃ適わないんじゃないか。
ここまで鬼気迫った内容だったり、やたら生々しいけど為になっちゃうような事情が、ロキノンジャパンなんぞのクソザコバンドマン達だったりヤンキーや女子高生ご用達のアーティスト様やアイドル連中に描けますかと問いたい。心から問いたい。

パンクやるんだったら、B先生みたいな怒りを死ぬまで保持してなきゃいけない。
でも社会の中で暮らす以上、自分の怠惰な部分だったり、他の人の頼りにならざるを得ない矛盾が孕む哀しみも出てきちゃう。
そういうのが良い具合に混ざり合って、初めてNo Futureの持つ力強さと滑稽さが出て来るんじゃないかなーと思ってます。
そして、それを僕はパンクだと思ってます。あくまで僕の中でのパンクにすぎませんが。


話は戻って、まあ若者が言うNo Futureってのはそんなゴロゴロ転がってるわけじゃない。
やっぱり老い先短い老人って方が個人的にはしっくりくる。
そんな老人たちがバカやるってのはある意味パンクらしい力強さだ。
一方で老い先短いと言いつつも、周りの力を借りつつ生き続けるところに、自分が考えているパンクらしい滑稽さも出ている。

ただ、勘違いされてほしくないのは、既存の考えや立場に執着し過ぎて狭量な「老害」と言われるようなタイプは決してパンクじゃねえなってことだ。
たけしのインタビュー曰く「もういい、こんなもん!」って辞めてから、「あの人がいないと困る」って言われるくらいでちょうどいい。って事だけど、全くその通りだと思った。
引き際ってのは結構大事なんです。
組織にずっと居続けるってのは、あまりよろしくないんだよな。
いなくなってその人の存在感って分かるもので、いつまでも居ると自分にとっても増長しがちだし、周りも依存し過ぎで良くはないと思うんだよ。
なので、消える時はフッと消えていった方が、後腐れもなくて良いんじゃないかなー的な。

で、老後はNo Futureを思いっきり体現しまくって行くというのが、素敵でパンクな人生プランじゃないかと。
加えて、たけしもインタビューで行っているように、老後になって始めるのではなく、働いているうちから会社にウソをついてでも遊ばなきゃリタイアした後に続かないって所に通じるんだろう。

パンクとは実は老人にこそあるべきものではないか。
そういう想いを馳せるようなインタビューでしたよ、と。
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