涙目筑前速報+

詰まるところは明日を知る。なだらかな日々につまずいて
向かうところはありもせず、未来の居場所だって未定―秋田ひろむ

ミリ姫大戦はじめました。

2015-03-29 05:28:50 | ゲーム
先日、ミリ姫大戦を始めた。
所謂艦これのフォロワーの様なタイプのゲームで、艦これが軍艦の美少女化に対して、ミリ姫は第二次世界大戦の軍人や兵器を美少女化したタイプのゲームである。



流石にフォロワーというタイプのゲームだけあって、艦これのUIをかなり参考にした部分が多く、艦これに親しんだユーザーなら、かなり入りやすい仕組みになっている。
現在、不肖私ちくぜんめも、2-3辺りまで進めることができ、現在ミリ姫たちを育成している。
今回の日記では、ミリ姫をやって遊びやすいと感じた部分などの所感について、書いていくことにする。

1.大破時や補給時のケアについて

まず最初に思ったのが、艦これで言うところの大破した時のケアがしっかりしている。
大破した時に進撃したり、大破状態での出撃は「擱座」という状況を引き起こしやすい。
※wikiを確認する限りでは、ロスト(喪失)はないらしい。

擱座したミリ姫の回復には膨大な資源を必要とするため、大破時は極力撤退するのが良いだろう。

ここで、大破時のケアが個人的には嬉しいと思った。
大破したミリ姫がいる状態で進撃・出撃しようとすると、注意文のポップアップが出る仕様なのだ。





艦これの場合は、この注意文がないため、ながらプレイなどのよそ見をしていると、大破進撃をしてしまうというミスを犯しやすい。
その点、ミリ姫の場合は出撃しようとするとこの注意文が出ることで、進撃時や出撃時にワンクッションおけるという利点がある。

併せて、補給に関してもミリ姫は気を遣ってくれている。
戦闘が終わると燃料や弾薬を消費するわけだが、よくやりがちなミスが「補給を忘れた状態で戦闘に入ってしまう事」だ。
ミリ姫の場合、ここでも補給が済んでいない旨の注意文が出るようになっていて、その場で補給をすることも可能だ。



この辺り、艦これをよく勉強しているなと感心する。
艦これも出撃時には補給と燃料の表示こそ出るが、注意文を出すという事まではしていないし、その場で補給できる仕組みでもない。
補給忘れの際に都度トップページに戻らなければならない、ちょっとした痒いところをしっかりと対応している。


2.休養時間が親切

ミリ姫がダメージを負うと、「休養」というコマンドが使用できる。
艦これで言うところの入渠に当たる部分だ。



個人的にここで思ったのが、休養時間が結構親切だ。
艦これでも序盤の入渠時間がかなり親切な設計であるが、ミリ姫もその部分はしっかりと押さえてきていると感じる。
また、体感レベルではあるが、ミリ姫の方が休養時間が短く、比較的早く出撃に使えると感じた。

休養に使える枠(休養ベッド)は、最初は2つとなっている。
僕に関しては課金して全部使えるように拡張したが、擱座しないように意識すれば、2つでも何とかやっていけるのではないだろうかと感じた。
※ちなみに課金して増やせる枠は3つまで。最大まで増やせば5つまで休養ベッドの使用が可能。


3.補給が編成画面で行える

補給面で結構快適だなと思ったのが、編成画面内で補給ボタンを一回押すだけで全員に補給が可能な部分だ。



UIにおいて意識する「ユーザーに画面移動させることでかかるストレス」をかなり軽減してくれている。
独立した補給画面に移動する手間が発生せず、編成画面内のボタン一つで出来るのが楽で助かる。


4.リーダーと秘書官がイコールの関係ではない

艦これの場合、第一艦隊の旗艦がトップページに表示される艦娘という仕様だが、ミリ姫の場合は、第一部隊のリーダーと秘書官を別々に設定することができる。
遊びやすさとは別の所ではあるが、好みのミリ姫を常にトップページに置いておくことができるという点では、非常に好感が持てる。


5.戦闘でスキップ機能が使える

ここが個人的にかなり嬉しい部類の一つとなっている。
スキップ機能が導入されていることにより、戦闘時間の軽減化がされている。



ちなみに、ミリ姫の場合は、「戦闘シーンを高速化させる」という意味でのスキップ機能となっている。
また、ミリ姫にもカットインのアニメーションは発生するので、スキップ中でも戦闘の臨場感は出ている。
個人的に、よくあるカードゲーム型のソーシャルゲームは一気にバトル結果まで持って行ってしまい、手軽ではあるが戦闘を行っている実感が湧かない。
また、艦これの場合はスキップ機能がないため、艦娘達が喋り連撃等で躍動する演出が好みではあるが、レベリングやキラ付けの様な時にはそれがストレスとなってしまう。
この2つに見受けられる課題をしっかりと汲んで、ブラッシュアップさせたような形態と言えるのではないだろうか。

もちろん、「戦闘を高速化するということも臨場感を損なう部分なのではないか」という言い分もあるかもしれない。
しかしながら、最初からスキップがないのと、スキップを使ってもいいというゲームデザインなら、後者の方が遊びやすいと思う。


6.陣形の効果が分かりやすい

これも艦これには無かった痒い部分。



陣形選択をするときに、攻撃・防御・対空の項目が◎、〇、△、×という風に視覚的に認識可能な表示になっている。
ゲーム開始したばかりのユーザーにとっては、陣形の効果が分かりやすく、優しい設計である。
本当に艦これからよく学び、後発タイトルの利点を活かしに活かしているデザインだと感心してしまう。


7.任務がすべて自動受注

個人的には、これが一番艦これにも入れてほしい要素だ。
「俺タワー」や「刀剣乱舞」もそうだが、任務がすべて自動受注という設計なのだ。
艦これの場合、この部分が選択式で5つまでしか行えない。
そのため、都度目的に合わせた任務を受注する必要がある。
鎮守府を運営しているというリアリティを感じると言えば聞こえは良いが、やはり全て受注して貰っていた方が手間が省けて遊びやすいというものだ。

僕自身の我儘ではあるが、艦これに求めるのは、この任務自動受注(出来れば達成時にアイコンを光らせる等の訴求効果も欲しい)と、大破時や補給忘れ時の注意文言である。
この2点が入れば、更に遊びやすくなると思う。

ただし、元々任意受注で処理していた仕様を、自動受注という処理に変更する場合、処理の仕組み自体を根本から変えなければならないのではないだろうか。
処理の仕組みの変更範囲が広がれば広がるほど、根本的であればあるほど、変更にはかなり時間がかかる。

これがまた曲者である。
消費者たるユーザーには分からない部分だから厄介なのだ。
僕も前職の経験上、「このUI部分をこういう風にしていれば・・・!」と思ったが、一部修正ではなく、元々ある仕様を組み替えなおす「変更」に近い様なタイプの発注は、本当に時間がかかる。
というよりも、プレーヤーからしたら一見簡単そうに見える修正が、半年近くかかる大改修レベルの仕様変更である可能性もある。

同時に、この手の仕様変更には確実にバグがついてくる。
「しっかりバグ取りすればいいでしょ?ロクにバグ取りしないの?」とユーザーは言うだろう。
作り手側からしたら「冗談じゃない」と言いたくなる話だ。
しっかりバグ取りをしても取り切れないからデバッグは厄介なのだ。
しかも経営者がそういう思考だった場合が最悪だ。
予算上、人員を割きたくないのは分かるが、デバッグはそんな簡単に取り切れるものではない。
リリース前はこのデバッグとテストプレイ評価のフィードバックに一番時間と金をかけた方が良いくらいだ。

話がそれてしまうが、ゲームディレクターは、そのゲームがリリースされる前にUIの大幅な路線は決めておく必要があると考えている。

でないと、リリース後に「あれができない。これができない」という事態に陥る。
それを変えようとしても、変えるのに時間がかかる。
時間がかかるという事は、その分の費用がかさむ。
費用がかさむという事は、改修後にそれを売上でキャッチアップすることが求められる。
そして、これらの事を経営者側に説明し、Goサインを出させるミッションが発生する。

「初めからしっかり固めておけばこんな事には・・・」と思うかもしれないが、そこまで万人のニーズを網羅できるディレクターはそう何人もいない。
だからでこそ、よくある「β版」というタイプのように、ユーザーにテストプレイをさせて評価を貰う事が重視されるのだ。

併せて、後発タイトルのUIは勿論進化していることが多い。
そのため、リリース時には問題なかった仕様が、競合タイトルの仕様を受けて、突然時代遅れになってしまうことも多々ある。
今回の艦これの自動受注の件も、この類だろう。

「いや、それは作り手側の問題で、消費者には関係ないでしょ」と言われてしまえばそれまでなのだが、消費者が思っている程こういった変更は容易ではない事もある。

少なからず、上記のような作り手としての苦労を僕は身をもって知った事がある。
そう思うからこそ、「それくらい出来るでしょ?そんな簡単なことも出来ない無能なの?」という辛辣な言葉が使えないでいるのだ。

話は戻るが、上記のような関係で、任務の自動受注への変更は、時間がかかる可能性がある。
仕様変更に伴う時間や費用、そしてデバッグを考えれば、早く実装してほしいと願う反面、慎重にテストを重ねて満を持した実装を願う。


8.マネタイズ要素について

艦これや最近のフォロワーゲームに同じく、ミリ姫に関しても、マネタイズ部分が拡張系を重視している点だ。
所謂ガチャ課金をマネタイズの中心に置くタイプのモデルではない。
個人的に思う事は、ガチャ課金を外すというのは、かなり冒険的なタイプのビジネスモデルである。

話がそれるが、ガチャ課金というモデルの強さは、2015年現在のiOSやGoogle Playで展開されているアプリゲームを見ればわかっていただけるだろう。
パズドラ、モンスト、黒ウィズ、白プロ、ブレフロ、FFRK、DQMSL、チェンクロ...etc
ランキング上位に来るタイトルは殆どガチャ課金の施策を取っている。
ガラケー時代のMobageやGreeから目立ち始めたガチャでの課金はそれだけパンチ力がある。
課金率とARPPUを上げていけば、DAUがある程度低くても、短期的ではあるが良い売上を叩きだすことができる。

仮にDAU2,000程度な弱小タイトルがあったとしても、課金率が5%、ARPPUが10,000円くらいになるようなガチャ施策が刺さればデイリーで100万の売上だって出せる。
大まかな施策として、課金率に関しては、ログインボーナスや詫び石等での配布であったり、普段のガチャで格安なガチャ(90円~100円のガチャ)で味を占めさせる。
こうすることで課金への継続性を出させて上げておくのだ。
そして時期を見て激レアなカードを出し、それ専用のポップアップやバナーを作り訴求させる。
それが当たれば、課金額は跳ね上がる。
プラットフォームがMobageやGree、Google Play等のキャリア決済が使える課金タイプの場合、キャリア決済上限がリセットされる月初が稼ぎ時だ。
パズドラのゴッドフェスが確実に月初に来る理由がこれだ。

ちなみに、上述にあるように、少ないDAUで爆発的な売り上げを出すようなガチャ施策は、短期的なタイプの施策だ。
「短期的ではなく長期的な視点を持つべきだ」と言われるかもしれない。それはごもっともだ。
しかし、長期的な視点での運営の為には、その視点で発生する費用に耐えうるだけの予算を確保しなければならない。
※しかも長期的な運営が必ず当たるという確実な保証はどこにもないのだ。

それを思えば、経営者は「長期的な投資をするにふさわしい実績を出してくれ」と言うと思う。
言い換えれば長期的な運営ができるような機能追加、修正をするにはその都度金がかかる。
外注の場合、初期に提案した仕様書と異なる修正の場合、ちょっとした細かい変更にだって、金がかかる。
社内開発するにしても、スタッフをアサインして稼働させる以上、その分の人件費が担当タイトルにかかる。
その為の金をどこから捻出するかと言えば、主に日々の売上の中からだ。

だから、その売上を上げるための施策を打たなければならない。
その中で、現状で一番金が回収しやすいのがガチャ施策という訳だ。
ガチャ施策が嫌われていることなど百も承知。
それでも更に便利で快適な機能を提供するための金を稼ぐため、売上を上げていかなければならない作り手の苦労がここにある。

だが、それでもだ。
それでも、課金ガチャはユーザーにストレスを与えてしまうものなのだ。
特にガチャは目当てのものが手に入れられないかもしれないという要素も含む。
「〇万円出したのにあのキャラが取れなかった」なんて言うのはよく聴く話だ。
短期的な売上の向上も、長期的に続けてしまえばユーザーは離れていく。

その点で艦これが取った施策は、ガチャモデルのエポックメイキングに近いと思う。
すなわち、時間経過による自然回復で手に入る資源の範疇でガチャ(建造・大型建造)を回すことができる。
かつ、それでレアリティの高いキャラを手に入れることができるという点だ。
特に大型建造においては、現段階で最強の昼戦火力を持つ大和型まで手に入ってしまうという点が重要だ。
運が良ければ、各資源数千程度で大和や武蔵が手に入るかもしれないという事だ。
勿論ガチャ課金がモデルのタイトルでも、日々のログインボーナスや詫び石を集めれば無課金でも取ることは可能だ。
しかし、「無課金での手に入れやすさ」という点では、艦これの方が手に入りやすいだろう。

そもそも艦これやそのフォロワータイトルは、ガチャをマネタイズの中心に置いていない。
ドックや母港枠と言った、拡張機能を中心に置いている。
この拡張機能に対するマネタイズは、使い切り対応という点だ。
最大まで拡張すればそれで終わりな為、継続性はない。
出来ることと言えば、母港枠の上限を増やしていくくらいだ。

それ故にDAUと継続率を高くしなければお話にならないモデルなのだ。
艦これの場合、この背景には下記の記事のように、発注元のDMMがそもそもこのタイトルを集客メインに考えていたという事が大きいだろう。

・艦これをパズドラと並べないでください

つまり、ガチャ課金でユーザーが継続する課金モデルではなく、ユーザーを集め、DMMというプラットフォームに継続的にアクセスさせることを目的としたコンセプトがスタートラインにあるのだ。
そして、そうやって作られた艦これが、初期は掲示板やSNSを中心に盛り上がる。
そこから、漫画家やイラストレーター等に広がり、二次創作も活発になった。
その側面として、課金ガチャモデルのカウンターカルチャーである要素が大きいと僕は考えている。

話を元に戻す。
艦これを皮切りに、ミリ姫のようなタイトルが出てきている。
個人的には、この風潮はもっと広がってほしいと願っている。

特に、ミリ姫のプラットフォームであるMobageがこの流れに乗ってきたのは、とても好ましい事だ。
Mobageと言えば、初期タイトルの「怪盗ロワイヤル」等は、アイテム課金が盛んに行われていたものだ。
このアイテム課金も、拡張機能という訳ではなく、使用回数が決められているタイプの課金アイテムで、継続性のある課金モデルだった。

そこからガチャモデルが流行り、Mobageもその流れに乗ったが、今回のミリ姫では艦これライクなタイプにシフトしてきたのだ。
艦これタイプのビジネスモデルが主流になれば、売上向上という点では厳しいかもしれないが、継続性のあるタイトルが多く出てくる可能性もある。
国内のオンラインゲーム・アプリゲームが、また新たな流れに変わってくる。
そして、この流れは僕にとっては非常に好ましい流れだと思っている。

ちなみに、海外のアプリゲームではガチャ課金によるモデルはあまり見受けられない。
国内でも流行っているクラッシュオブクラン(CoC)のマネタイズ要素は、大工の追加等の拡張要素に、資源の購入がメインだ。
ただし、CoCは資源消費のバランスが艦これ以上にシビアに設定されており、かつその資源をユーザー間・クラン間で争わせるという競争要素をぶち込んできているのが重要だ。
課金モデルとして、ガチャを回させる訴求効果として重要なのは競争要素と言われるくらい。
「ドラゴンリーグ」等のギルドバトルタイプのタイトルは大抵この要素を入れている。
そういう意味では、ガチャ課金に限らず競争要素も大して多くない艦これは、改めて集客用としてスタートしたタイトルなのだなとしみじみ思う。

いずれにせよ、こういうモデルが主流になるくらい流行ってくれれば、より面白くなる気がする。


9.ゲーム内処理の向上とゲームバランス

ここでは、ミリ姫に向上させてほしいなと思う所。
それは、ゲーム内でのレスポンス速度の向上だ。
ゲームをやってて不便さを感じたのが、この部分だ。

ノートPCを使用しているというスペック上の問題もあるが、挙動の遅いのだ。
常駐アプリの停止やキャッシュクリア、オプションで省エネモードにした上でもカクつく。
特に戦闘中と、リザルトでカクつく。
戦闘中にカットインのアニメーションと同時に、3Dモデルを入れていることも要因の一つなのだろう。
そのせいなのか、タブレットが動作保障外というのがかなり痛い。

艦これをさらに洗練させたようなUIデザインだからこそ、余計に目立つ個所だった。
この辺りの動作を軽量化できれば、より多くの人達に遊んでもらえると思う。

もう一点はゲームバランス。
やはりここが一番難しいところだ。
現在では比較的遊びやすいバランスだが、ミリ姫に限らずちょっとした変更が改悪と評価されるほどの状況を引き起こしやすい。
ゲームバランスの調整はバグ取りと違って「これで良い!」という部分が見えにくく、だからでこそテストプレイ評価のフィードバックが非常に重要だ。
しかも運営費をキャッチアップするというマネタイズ部分も並行したバランスにすることも考慮しなければならないため、本当に苦労するところだ。
この部分に関しては慎重にやってほしいと思う。


10.総括

以上の様な感じだ。
艦これの後発タイトルとして、本当によく痒い部分を意識して作られていると思う。
現状の課題としてはレスポンスの向上とゲームバランスのチューニングだろう。
この辺りが安定してくれば、一気にブーストがかかる気もする。

まだ始まって間もないタイトルの為、今後の動向に注目しつつ、楽しんでいきたい。

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