涙目筑前速報+

詰まるところは明日を知る。なだらかな日々につまずいて
向かうところはありもせず、未来の居場所だって未定―秋田ひろむ

最近読んだ小説の感想

2024-08-10 21:54:22 | 書籍
最近読んだ小説の感想。

■麻耶雄嵩『隻眼の少女』
数年前に小島監督が取り上げてたので気になってた本。



めっちゃおもろいやん!!
犯人の手口めちゃくちゃミスリード張りまくってるのがスゲェわ。
ホワイダニットの部分がちょっと強引に感じたけども、二転三転する怒涛の解答編で、ラストまで犯人全然分からんかった。


■麻耶雄嵩『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』
犯人捜しのどんでん返しで終盤がめっちゃ白熱してておもろかった。
反面、クラシック音楽や文学作品の知識も求められるので、読みやすいかって言われると難しいかも。
登場人物の言い回しもラストの伏線だろうけど、結構クセがあった。
衒学趣味的な側面もあるので、変なところで知識ひけらかしやがってと思うところが難点といえば難点。
ただ、このどんでん返しの展開なら、木更津のああいった言い回しやメルカトル鮎の言動が皮肉として効いてくるのでアリだと思った。


あとJ.S.バッハ「パッサカリアとフーガ ハ短調」っていう名曲を知ることができたのは大きい収穫だったな~。



めっちゃ荘厳な曲で好き。


■夕木春央『方舟』
ヤベェ、なにこのラスト。マジでスゲェ。
「アァーッ‼️😳」ってなった。
どんでん返しで完全にやられた。でも何か清々しさすらある。
突き抜けてますねこれは。

文章も読みやすかったし、めっちゃおもろかった。


■夕木春央『十戒』
『方舟』を読んだ後にこういうのもあるのかと思って手に取ってみたけど、これもスゲェ~。
こういう展開のミステリーもあるんやって。

「殺人犯を探してはならない」っていう状況がスゲェおもしろかった。
あとラストで犯人が分かった後にもう一度読み返すと、主人公と犯人のやり取りが別の意味になってくるのもおもろい。
『方舟』先に読んでおくとラストでスゲェうおおおおってなる。
文章も読みやすくて1日~2日で読み切れちゃうし、謎解きもおもろいしラストのどんでん返しもおもろい。


■雨穴『変な絵』
変な家が結構おもろかったので昨年からチェックはしてたんだけど、今回ようやく読むことができた。
雨穴の小説は所々で絵や図が入ってくるので物語の舞台が想像しやすいし、舞台の復習がやりやすい。
ラノベに近いねここまでくると。
あと1つ1つの謎が最後に1つの線に繋がっていく感じはすごい良いと思った。


■呉勝浩『爆弾』
冒頭から容疑者が分かってるタイプのハナシなんだけど、この容疑者がめっちゃ醜悪で。
読んでる内にコイツへの殺意がどんどん湧いてくる。
でもその感情を抱くことがコイツの掌の上っていうのがあって、これまたやり場のないドロドロした感情に塗れながら読んだ。

人間の醜悪さがこれでもかというくらい、あのスズキタゴサクに凝縮されていた。
めっちゃ胸糞悪い容疑者なんだけど、ここまで読んでて殺意っていう感情を抱かせるって、マジで小説としては一級品だなって。
読んでて感情的になる作品はやっぱ名作なんよ。


■白川尚史『ファラオの密室』
ミステリーというより歴史モノファンタジー要素が強かったかな。
でも謎解きの部分もおもろかったし、何より読みやすくて話のテンポが凄い良かった。
読み始めたら一気に物語に引き込まれて、1日で読みきってしまった。


■雨穴『変な家2 〜11の間取り図』
11の家に関するエピソードがあって、そこから1本の線に繋がっていく後半の流れが気持ちいい。
その線の中のドロッとした人間関係や、終盤のどんでん返し的な謎解きもおもしろかった。
あと、変な絵でもあったけど、物語の舞台や物語の要点を絵や図にして注釈を都度入れてくれるので、舞台設定や過去の登場人物とかの言動をいちいち読み返さなくても良いのが助かる。
ミステリー作品はこういう注釈的な絵や図を入れてくれるのがデフォルトになってくれるとまた読む人口も増えるんじゃないか。
まあ読むことで想像するのが活字の良いところなんだけど、物語に入っていきやすさ、読みやすさで行ったら雨穴のこの作品のような配慮は非常に読み手としては助けるんだよね。


以上のような感じ。
今年は結構ミステリー小説を中心に読んでいる。
このミス作品とかが図書館とかで置いておいてくれるから気軽に手に取れるんだよね。
引き続き読み溜めたら簡単な感想を書いていきたい次第。

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