YOSHIの果てしない旅(人々との出会い、そして別れ)

ソ連、西欧列車の旅、英国滞在、欧州横断ヒッチ、イスラエルのキブツ生活、シルクロード、インド、豪州大陸横断ヒッチの旅の話。

私が見た事・感じた事 in London~アンダーグランド(ロンドンの地下鉄)の話

2021-10-01 11:30:22 |  「YOSHIの果てしない旅」 第6章 ロンドン滞在
・アンダーグランド(ロンドンの地下鉄)の話

 ロンドンに来た日、シーラの案内で初めて乗った地下鉄の第一印象は、車内の色は茶色、車内灯は薄暗い電球なので、薄暗い感じがした。そして車内でタバコを吸って良いらしく、吸殻が床に散乱して汚い感じがした。
私はウィンピー ハウス レストランへ通っていた時、毎日地下鉄を利用していた。そんな事でアンダーグランドについて気が付いた点を一言、述べたいと思う。 
 運賃は、パリやモスクワの地下鉄の様に全線均一でなく、駅ごとに異なる運賃形態(遠距離低減制)になっていた。そして乗車券は、日本と同じく出札口で目的駅名を言って買うか、自動券売機で買う事になっていた。乗車する場合は、改札入場の際に改札係に〝パンチを入れて貰う〟、これも日本と同じであったが、違うのは乗客の方から「サンキュー」と言って改札係にお礼を言っていた。また改札係も「サンキュー」と返礼していた。駅を出場する時も、乗客は係員に「サンキュー」と言って乗車券を渡していた。日本とは何か立場が逆の様に感じた。これは何もロンドンだけでなく、北欧、フランス、オーストリア等もそうであった。 
 乗降客の多い駅のエスカレーターは見ものであった。上り3列、下り3列の計6台が、轟音と共に人波をスピーディに捌(さば)いていた。このエスカレーターを使用する時は、『Stand on the right side』と指示が書いてあり、右側に立つのがルール(今日、東京では左側)となっていた。左側は急いでいる人の為に利用されるので左側に立っていると、「Excuse me !」と言われ、右側に移されます。ホームへ行く主な手段は、エスカレーターだが、所によってはエレヴェーターや階段だけの駅もあった。又、ロンドン中心地は地下深く潜って走るが、郊外に出ると地上を走る線区もあった。
 朝のラッシュ時間は、乗り切れない場合があった。そんな時、無理に乗り込むと駅員に、「Next train」と言われ剥ぎ取られる。日本では無理に押し込むが、ロンドンは逆であった。乗りそこなっても誰も駅員に文句を言わなかった。
 冒頭に述べたが、車内は薄暗く、長時間新聞を読んでいると目を悪くするかも。車内が空いている場合は、タバコの喫煙が許されるので、それらの吸殻が床に散らかっていて、ロンドンの地下鉄はモスクワやパリよりも汚かった。公衆道徳のあるイギリス紳士淑女が乗る電車のこの状況には、幻滅した。
 車掌は、列車の中間車両の客席に乗り込み、ドア扱いをしていた。中間に乗り込む事によって、列車全体が良く見えるようになっている。10両編成でも左右5両分を見れば良いのだから、安全性は高まる。これは、良い方法であると思った。
車掌は乗客の乗降後ドア扱いが終り安全確認後、列車がまだホームを進出し終わらなくても、客席に腰を下ろしてしまう。混んでいる時でも、乗客が車掌の為に一人分席を空けて置く、或いは乗客が車掌に席を譲るのであった。乗客は混んでいてもドア開閉用車掌スウィッチ附近の席を空けて置くように配慮していた。日本で『混雑している時、乗客が立って、執務中の車掌が客席に座る』なんて考えられなかった。車内が空いている時、車掌は駅間走行中に新聞を読んでいた。
午前と午後のティー タイムの時は、指定されたホームに用意されたティー ポットを自分のカップに入れて車内に持ち込み、仕事中に拘わらずその時間帯は飲んでいた。当然、運転士もティーを飲みながら運転をしていた。
 こちらも鉄道員の制服、帽子はあるが、帽子を執務中でも被っていなかった。又ヘアー スタイルも、各自個性的であった。
 主要駅の朝夕のラッシュ時間帯は、ホームに複数の駅員が出場していたが、彼等は赤色旗や合図灯を携行していなかった。旅客がホーム下に転落等、運転士に緊急停止合図をする時、ホームに備えられた緊急停止ボタンが無いのに、どの様な合図方をするのか疑問であった。又ホームにいる駅員は、列車がホーム進入前、進出後、「進路ヨシ、乗降ヨシ、後部ヨシ」等の指差確認・称呼もしていなかった。
 イギリスには鉄道係員服務規程があるのか、無いのか分らないが、日本の国鉄を始め、私鉄各社の服務規律(規程)にうるさい人には、さぞこちらの鉄道員は弛んで見えるでありましょう。列車本数や乗降客が多い割に彼等は、確かにのんびりとやっているように見うけられた。しかしそこは当然、彼等はやるべき事はやり、守らなくてはならない事は守っている。要するにポイントを押さえて仕事をしている、と私は見た。
 ロンドンの地下鉄、又地方行きの鉄道も、車内放送や構内放送はなかった。従って、放送に頼らず乗客各自が気を配り、目的駅に着いたら降りるのだ。言葉も地理も良く分らない私でさえ、勘違いをして降りる駅を間違えたのは、1回だけだった。
それに引き換え日本のある私鉄では、駅で放送し、発車したら車掌が次の駅名を2度放送し、又到着間際に再び2度している。その他にドアが開く方向、忘れ物、禁煙案内、席の座り方、窓の開け閉め、啓蒙、会社の観光PR等の案内放送を行なっている。それはまさしく必要以上の放送で、しつっこく、騒音公害に感じられた。
 案内放送がなくても初めて乗る人は、気を使って乗っているので誤って乗り降りする様な事はないし、分らなければ他の乗客に尋ねる等方法もある。尋ねれば人は親切に教えてくれるものだと思う。それが人間社会ではなかろうか。ロンドンの不案内旅客には、ホーム等にある『行き先・乗り換え電光表示案内板』が有効的に利用されていた。私はこれに大変お世話になった。
日本では最近、人は人、自分は自分の事しか考えない、後は無関心の風潮になって来ているように感じられる。その点、こちらの乗客の質は、非常に良かった。
 気付いた事だが、電車内に学生や子供の姿を殆ど見掛けなかった。日本は逆で、車内は学生や子供の天国だ。彼等の車内での行動は、目に余る時もあった。特にこちらの婦人が幼児や乳児を連れて電車に乗っている姿を一度も見なかった。どうしてだろう、不思議であった。きっと幼児乳児を連れて乗る必要がなく、自分の住んでいる地区で用が足せるのだ。ロンドンだけでなく、パリや他の都市でも学生や子供は、余り目に付かなかった。
 ロンドンの国鉄終着駅は、ヴィクトリア駅、パディントン駅、ウォータール駅、リヴァプール駅、キングス クロス駅等8駅以上ある。東京、上野、新宿駅の終着駅に集約される事なく、ロンドンから各方面へ鉄道網が施設され、終着各駅の連絡は、地下鉄網によって結ばれていた。
 駅待合室、ホームや車内は、薄暗いが、世界で一番早く出来たので仕方ないかもしれません。ロンドンのアンダーグランド(地下鉄)は、安全、正確、迅速、且つ便利であり、素晴らしいと私は感じた。


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