YOSHIの果てしない旅(人々との出会い、そして別れ)

ソ連、西欧列車の旅、英国滞在、欧州横断ヒッチ、イスラエルのキブツ生活、シルクロード、インド、豪州大陸横断ヒッチの旅の話。

ロンドンを間もなくして去るその日々~旅に想いを巡らす

2021-11-08 09:05:20 |  「YOSHIの果てしない旅」 第6章 ロンドン滞在
            △市長就任披露行列(PFN)

・昭和43年11月9日(土)晴れ(旅に想いを巡らす)
 今日はロンドン市長行列の日。今日は晴れ、晴れの日が5日振りに再び来たのは珍しかった。しかし大分寒くなった。ガス ストーブを使うのには、器具の投入口にお金を入れなければならなかった。今までお金を無駄にしたくなかったので我慢していたが最近、我慢出来ず使うようになった。
 今日は既に何もする事が無かったので、部屋の中に閉じこもっている状態であった。火事騒動があった日から毎日、大家のおばさんは火事を起こしたおばさんに罵声を浴びせ「出て行け」と怒鳴り散らしていた。私は大家のおばさんの方が行き過ぎではないかと感じていた。
 今日も午前中、4階の方で又、怒鳴りあっているのが聞こえた。いつもとどうも様子がおかしいので行って見たら、4階の階段近くで2人がお互いに髪の毛を引っ張り、取っ組みあって喧嘩をしていた。お互いにその形相は凄かった。この時、両方とも主人は居らず、私が中に入って喧嘩を止めた。大家のおばさんは彼女に対して、「マッド(きちがい)」と言ってわめいていたが、どちらもマッドになった。夕方、警察官が来て警察沙汰まで発展していた。私は状況を聞かれ、その警官に「10時頃、2人が4階で頭髪を引っ張り、取っ組み合いの喧嘩をしていたので、私が仲裁に入った」とその事実を述べた。おばさん達も凄い者だと感心すると同時に、こう毎日おばさんが4階のおばさんに非難、屈辱的な暴言を浴びせているのを聞きたくないし、見たくもなかった。
契約がハッキリしていないので、火事やトラブルが起きたら大変だ。私はロンドンを去る日まで、火事を起こさないように改めて注意する事にした。
 私は昼食に肉を買って料理して食べた。昨晩は魚を買った。魚、肉と奢ってしまったが、これらを買う事自体、初めてであった。気分転換と栄養を付けて元気でロンドンを去り、旅をしなければ、と思うからであった。
 午後もする事が無く、寂しい日であった。こんな時によく、人生について自問自答した。私は旅に出てそれらの事を考えるのも大事である、と思っていた。又、旅をしていると必然的にそれらを考えざるを得なかった。そんな訳で今日現在、自分は何を考え、何に悩んでいるのか。忘れない為に記して置く事にした。


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