こんばんは。
お待たせいたしました。
皆さんの住んでいる地域は大丈夫でしょうか?
出かけるときには天気に十分注意してください。
兼題:「神宿る島」宗像・沖ノ島からどれか一字を使って |
お神楽の大蛇渦巻く天の川 藤三彩 |
〇(餡子)勇壮な踊りですよね。天の川と取り合せて大きな感じになりました。 |
〇(仙翁)お神楽の蛇と天の川とが面白く浮かびます。 |
○(アネモネ)雄大さに脱帽です。 |
潮引いて現れる島雲の峰 まきえっと |
◯(ルカ)厳島神社を思い出します。現れる島も神秘的。 |
沖をゆく船のまぼろし獺祭忌 敏 |
○(ちせい)季語は「獺祭忌」。子規忌ですね。獺祭書屋主人の正岡子規を調べたくなるような句でした。 |
○(アネモネ)詩的ですねえ。 |
夏の雲神の御座せし山隠す 仙翁 |
○(幹夫)神の山を隠す夏の雲に共感しました。 |
海の日の沖の静寂に難破船 幹夫 |
〇(餡子)どこの国の船でしょうか。沖のしじまがいいですね。 |
○(あちゃこ)沖を眺め様々な思いを抱いている。人物の横顔が見えてくる一句。 |
○ (多実生) 十年近く前でしょうか?茨城県の日立港近くの沖に台風の被害か大きな外国の座礁船を見たのを思い出しました。 |
〇(珠子)難破船だけでなく戦争で撃沈された船も。悲しみに鎮まる海の日の海。 |
海知らぬ鮫の宿命ガラス箱 あちゃこ |
○(泉)水族館で飼われている鮫のことでしょうか?「ガラス箱」を水族館と判断しました。 |
記憶漉し帰省相席四国沖 吾郎 |
○(藤三彩)こういう偶然の出会いは年を経ても記憶に残っているのです。名回文。 |
〇(餡子)都会でのいやなことは、すべて漉して笑顔で帰省する途中。四国沖を巡航する船の中。相席の女性とくれば何かが生まれるはず。 |
○(敏)海路での帰省中、四国沖にさしかかったところで展望デッキで思いもかけぬ方と隣り合わせたのでしょうか。「記憶漉し」が思慮深さを象徴しているようす。 |
◯(道人)船での帰省中、偶然隣り合わせた人が同郷で、懐かしい記憶の断片が蘇ったのでしょう。「き」「こ」「し」「せ」音の調べが心地良い。 |
〇(珠子)親のいない故郷への帰省はとても複雑です。「記憶を漉す」という言葉にそうかもと思った次第です。 |
〇(まきえっと)碧い海がどうにかしてくれるさ。 |
○(宙虫)四国沖、これにつきます。リズムがいい。 |
五月雨るる玄界灘に正倉院 瞳人 |
◯(吾郎)文化伝播の道がうっすらと見えるような。 |
夏潮に乗って密航沖ノ島 道人 |
○(泉)ユーモラスな俳句だと思います。まさか密航する人は居ないでしょうが。 |
◎(餡子)沖ノ島は、女人禁制の島。でも私も密航したい。 |
○(あちゃこ)謎の島沖ノ島。密航?興味深いです。 |
〇(まきえっと)密航してみたい。想像しただけで心臓が飛び出そうです。 |
これよりは宗家の墓域つくつくし アネモネ |
○(敏)お華とかお茶とか、由緒正しいお家の代々のお墓のめぐりから聞こえてくるつくつく法師の声は、何とも意味深に思えてきます。 |
◯(吾郎)墓域といえばどうしてもこの季節。鬱蒼と茂ったイメージが。 |
◯(道人)つくつく法師が墓守とは。付き過ぎ感のある取合せを、中七の断定が逆に効果を高めている。 |
◯ (アゼリア) 故人の人生を思い巡らしながらお墓を散策するのが大好きな私としては、ぜひ訪れてみたい場所です。 |
〇(珠子)調べがよく、しんとした気持ちになります。 |
〇(まきえっと)「つくつくし」がとても良いですね。 |
(選外)(ちせい)季語は「つくつくし」。宗家の墓域が印象的ですが、句柄が普通だと思いました。 |
宗教を借りた戦争血と汗と 泉 |
神宿る島どこまでも夏の空 ルカ |
〇(春生)島のたたずまいが見えるようです。 |
○(瞳人)行ってみないなあ、と思わせてくれます |
日雷島の女神の嫉妬かな 餡子 |
○(藤三彩)恐妻症になりそうな怒髪天。 |
〇(春生)女人禁制の島をうまく言い得ています。 |
◯(ルカ)島の女神が、よかったです。 |
〇(珠子)日雷と女神の嫉妬を取り合わせるセンスに脱帽です。 |
八丈の思い泳ぎと島めぐり 多実生 |
富士見ゆる小さき島なり夏椿 アゼリア |
○ (多実生) 何処の島でしようか?富士見ゆる夏椿が良いと思います。 |
宗教に染まりたくない梅雨豪雨 ちせい |
◎(泉)日本人に取って、宗教は難しいですね。国家神道の記憶も残っていますから。 |
福祉バス停まって沖に浮くヨット 宙虫 |
〇(仙翁)老人たちのバス、沖には若者のヨット、面白く読みました。 |
◯(アゼリア) 要介護の方を乗せておられるバスでしょうか? 良い目の保養になりそうです。私も遠からず乗せて頂きそうです。 |
母子像の微笑みふたつ梅雨明ける 珠子 |
○(ちせい)季語は「梅雨明ける」。いかにも梅雨が明けたような句でいいと思いました。 |
万緑の小島に神の宿りたる 春生 |
○(瞳人)これも、行ってみないなあ、こんな島、知らなかった。 |
○(幹夫)世界遺産登録!何でも昨年からは女人禁制のみならず一般男子も立入禁止の沖ノ島の今は、当に神宿りたる万緑の島です。 |
◯(ルカ)小島がいいですね。 |
テーマ:音楽 |
路上ライブ蟻のくびれが尻を曳く 珠子 |
○(幹夫)確かに蟻の体型ってギターの形にも似ていますね。昨今、蟻って言えば、ヒアリ=殺人蟻が恐怖です! |
○(敏)大きなエレキギターを地面にこすりつけるように演奏している姿が、尻を地に着けながら歩いている蟻の姿にダブったのでしょう。面白い発想です。 |
◎(あちゃこ)あるがままの姿こそ、あはれなり。路上ライブが効いています。 |
緑陰に千手観音めく指揮者 アゼリア |
◯(吾郎)よく見ると不気味かも。 |
〇(仙翁)確かに、指揮者の手は、千手観音に似てますね。 |
◎ (多実生) 昔、残像型のオシロスコープを使った経験が有りますが、指揮者の残像はまさに千手観音です。 |
○(アネモネ)比喩に力技を感じました。 |
○(宙虫)何を演奏しているのか?クライマックスへ向かっているのだろう。 |
ナイターの余興に米の軍楽隊 多実生 |
○(泉)日米同盟の強化、とか関係なく、単純に楽しみたいものです。 |
○(幹夫)発祥はアメリカのベイスボール。大リーグでの日本人の活躍、また、日米戦も五分五分の力になりました。 |
李下雑な楽譜起伏が夏盛り 吾郎 |
(選外)(道人)俯瞰して見た李畑の凹凸感を楽譜に喩えて巧み。日盛りの感じもよく出ている。 |
満天の星の合唱河鹿鳴く 道人 |
◯(アゼリア)星の綺麗な夜の静寂に河鹿の鳴き声が聞こえるなんて、想像しただけで涼しくなります。 |
納涼の夜をしづかにハワイアン アネモネ |
滝谺隧道叩くシンフォニ ー あちゃこ |
◎(道人)深山渓谷にひたすら滝の音が迫って来る。「隧道叩く」とは中々詠めない。 |
草笛に千曲の流れ歌ひ出す 春生 |
◎(瞳人)藤村か、ひろしか、さて、どちら。わたくしは、藤村です。 |
○(ちせい)季語は「草笛」。島崎藤村も思い出しますが、この句自体の良さもあると思いました。 |
合歓の花点るどこかで子守歌 敏 |
〇(春生)穏やかな感じが出ています。 |
(選外)(道人)「点る」が佳いですね。 |
クワイ河口笛払う夏の虫 藤三彩 |
胡瓜もむ圭子怨歌を昨日今日 瞳人 |
○(泉)圭子怨歌、正に昭和を代表する歌の一つです。 |
○(あちゃこ)あらあらどうしたの?圭子の怨み節が解るだけに共感。 |
(選外)(藤三彩)「わたしの人生暗かった?(「夢は夜ひらく)」そのままに藤圭子 合掌。 |
帰省子や神楽の笛に迎えらる 餡子 |
◎(藤三彩)神楽のリズムが今も耳に残る。大江山の鬼退治(酒呑童子)や武尊とヤマタノオロチ? 三瓶山の夏のひと晩の想い出。 |
◯(ルカ)迎えらる、が気になりましたが、情景に惹かれました。 |
○(宙虫)安定の帰省と神楽ですね。 |
(選外)(ちせい)季語は「帰省子」。神楽の笛が印象的ですが、季語との相性が不明かと。 |
夏の星静かに音符降りはじむ ルカ |
◎(仙翁)音符が降る、いい表現ですね。 |
○(あちゃこ)美しい夏の夜です。どんなメロディーが浮んでいるのですか? |
◯ (アゼリア)見上げてごらん夜の星をーメロディが聞こえてきます。 |
(選外)(道人)季語「夏の星」が動かない。こんな星空を見てみたい。 |
遠くからギターの音色夏銀河 仙翁 |
○ (多実生) ギターの音色と夏銀河いいですね。 |
ロックンロールひまわりたちの影がない 宙虫 |
◎(春生)口語調がぴったり決まりました。 |
◎(敏)夏真昼の垂直に立つ向日葵には確かに影はありませんね。ロックが聞こえてきても、微動だにしない向日葵の群落、ふっと、どこまでも明るく影の無いゴッホの作品がよぎりました。 |
◯(道人)炎熱の中のロックコンサート。ムンムンとする熱気をさらりと詠って余韻あり。 |
◎(アネモネ)取り合わせがなかなか。 |
◯(ルカ)着眼点が面白いです。 |
◎(珠子)炎昼のロックンロール。「影がない」がすべての状況を語っています。 |
みんみんの打々発止鬼ヶ島 幹夫 |
◯(吾郎)どこか明るく、どこか儚い。 |
鼻歌の乱れるリズム夏の雷 まきえっと |
○(ちせい)季語は「夏の雷」。鼻歌が乱れてしまった。夏の雷が恨めしい。 |
○(宙虫)雷が強すぎる感がおるけど、唐突な感じもいいかも。 |
アイドルの解散騒ぎ蒸し暑し 泉 |
〇(餡子)どうでもいいんですけどと思うこと自体年を取ったということですね。まさに蒸し暑いです。 |
○(瞳人)暑さを超えて、ばかばかし |
○(アネモネ)ほんとそうです。 |
「音楽」は小説作品梅雨雷雨 ちせい |
雑詠 |
巴里祭の自由と解放ひとり寝る 藤三彩 |
○(泉)フランスの新しい大統領は、世界を新しい方向へと導くことが出来るでしょうか? |
○(幹夫)フランス革命に見立てて自由解放の独り寝の詠んだところに共感しました。 |
夏座敷大絵図ひろぐ正太郎 瞳人 |
◯(アゼリア)鬼平犯科帖の草案を練っているのでしょうか? |
直向きに汗を掻く人美しき 幹夫 |
ミサイルや手出しできない蚊帳の中 泉 |
〇(餡子)手出しなどしたら大変なことになりますが、日本は蚊帳の外。核の傘の下とかなんとか言われていますが。 |
○(瞳人)蚊帳がシェルターになれば、いいのですが |
感染し縞蚊やかまし神泉か 吾郎 |
○(敏)畏れ多くも神泉に孵化したのでしょうか。蚊の見境なしの跋扈には、生命力よりも恐ろしささえ感じます。 |
○(あちゃこ)昨年騒いでいた縞蚊は、何処へ?神泉辺りに潜んでいそうです。 |
○(アネモネ)ただただ上手い。神泉がリアルです。 |
大学の馬を冷してゐる流れ アネモネ |
〇(珠子)「大学」が効いていて、乗馬クラブの女子大生が涼やかにイメージされます。「流れ」までのなめらかな一本調子が魅力的です。 |
一陣の風が憑りつく凌霄花 敏 |
〇(春生)「風が憑りつく」が、凌霄花に吹く風の様子を的確に表現しています。 |
◎(ちせい)季語は「凌霄花」。憑りついた風。憑りつかれた凌霄花。自然の摂理。 |
(選外)(道人)景が眼に浮かぶ。凌霄花の魅力・存在感を瞬間の風で捉えている。 |
夏空へ兵士入場行進す ルカ |
◎(幹夫)勇躍入場行進する兵士達の半長靴の音が青き夏の大空全体に響き聞こえてくるようです。 |
○(敏)かの、もみ上げの君の君臨する国軍の映像を見ているようで、目眩を覚えます。 |
雨止むを待たず旅行く蝸牛 仙翁 |
◎(吾郎)歩み遅くとも行ける所まで行くのが男。 |
◯(道人)人生を旅に喩えるならば、蝸牛の歩みのようなものでしょう。雨風に捉われない歩みに共感。 |
○ (多実生) むしろ、雨を好むのが蝸牛でしょうか? |
◎(まきえっと)雨は必ず止みますね。 |
蛙に影踏まれて鬼は鬼のまま 宙虫 |
〇(仙翁)影踏みの遊びかな、面白いですね。 |
大出水七夕竹を見送りぬ 多実生 |
ボロボロな台詞抱えて冷房車 あちゃこ |
○(宙虫)きっと言いたいこといっぱいあるのでしょう。何度も何度も使い古された言葉たち。 |
〇(まきえっと)言い訳とかなのでしょうか?胸にジーン。 |
(選外)(ちせい)季語は「冷房車」。ボロボロなセリフがいまいちイメージできませんでした。私の想像力不足かと。 |
記憶より小さな池やあめんぼう 餡子 |
○(藤三彩)小さいときには山も川も大きかった。 |
◯(道人)確かに同じ池でも子供の頃の感覚とは大きさが違いますね。「あめんぼう」が効いている。 |
○ (多実生) 子供の時の記憶の物や場所は今見るとみんな小さいですね。 |
〇(まきえっと)少し寂しさもあります。大人は辛いなぁ。 |
◎(宙虫)子供の頃に見たものの大きさは、確かに。こんなものだったかと。あめんぼうが登場することによって、更に小さくなる映像が面白い。 |
海山のそれぞれの風もう晩夏 道人 |
遺伝子の中に母生き玉の汗 アゼリア |
〇(春生)母を自分の中に見出した喜びが出ています。 |
○(瞳人)わたくしも、おやじ似で背中、大汗かきです |
〇(仙翁)自分の中に、確かに親の遺伝子は生きているようです。 |
冷蔵庫絶叫聞こえる日暮れかな ちせい |
葛餅の三角何も知りませぬ 珠子 |
○(藤三彩)そんな三角関係には関わりたくない |
○(ちせい)季語は「葛餅」。断定のセリフが印象的でした。葛餅の三角が事情を説明して居る様でさらに効果的。 |
元屋敷茗荷の花に雨残る 春生 |
○(藤三彩)もう誰も藪になった庭には入らない。後継者が離れるとお屋敷も放置されてしまう |
灯台の螺旋階段夏の月 まきえっと |
◯(吾郎)配色風景の美しさ。小品ゆえの静謐感。 |
◎ (アゼリア) 月に照らされた夜の海と灯台、夜も灯台に登れたら登ってみたいと思いました。 |
◎(ルカ)今、BSの灯台紀行という番組にハマってまして、私の好きな情景にドンピシャでした。 |
広島では梅雨は明けたはずですが、何だか曇り空で、雨が降ったりして、変な気候です。他の地域では豪雨被害が起こっていますが、この猛暑では復旧も大変ですね。何時になったら、夏らしい青空が見られるのでしょうか?