麦「句会報への掲載（2020年12月分）

インターネット小麦句会（十二月分）
月に二度のネット句会。気楽にお立ち寄りください。
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極月の他人の空似フェリー待つ　　　珠子
風に群れ風に解れて冬鷗　　　　　　めたもん
故郷の駅でくしゃみがとまらない　　楊子
満潮は二時と小春の潮見表　　　　　アネモネ
冬凪やふいにかへり来家出の子　　　メイ
寒雷や銀のオブジェの建つ埠頭　　　幹夫
月光の突き刺さりたる冬の湖　　　　仙翁
軽く嘘スキーヤーキスそう来るか　　吾郎
冬蝶のおのれの影に来てとまる　　　敏
狐火や都会の人は墓を捨て　　　　　泉
赤紙の船が横切る冬銀河　　　　　　宙虫
別れ来て乗り損ないし冬港　　　　　餡子
想定の範囲拡ぐる師走かな　　　　　卯平
旅人に葛湯振る舞ふ船着場　　　　　アゼリア
冬雲はサヨナラの色島育ち　　　　　あちゃこ
船を待つ当てどなき旅冬鴎　　　　　道人
極月の扉の固きミニシアター　　　　ルカ
行く人の歌聴きくれて年の夜　　　　瞳人
水中のサンタと遊ぶイルカの輪　　　藤三彩
海水か湖水か冬の水に触る　　　　　ちせい
年末の桟橋まばら渡船客　　　　　　多実生
双六のようやく江戸をでたところ　　まきえっと