第545回小麦句会投句一覧（3月22日選句締切）

雨の日曜日。気持ちがどんよりとしてしまいがち。
今日もスカッとホームラン、見れますように。


兼題:通
涅槃西風通天閣に人の顔　
ふり返るべからず花の通り抜け　　
通りの名の由来を読めば春の鮒　　
通人は見透かす霞判じ鬱　　
やれ庭を通りすがりに春告鳥　　
怪しげな音声通話春の闇　
逆転の一気通貫花吹雪　
水仙の光を掬う通り雨　　
母の空あり春雷の通夜明けて
四条通りの都をどりを待つ賑わい　　
通せんぼして野遊びの畔の道　
啓蟄や捨てかねている通信簿　
亀鳴くや通信速度減速す　　　　
ぽつりたんぽぽ停年の通勤路　
通知なく閉める和菓子屋木の芽雨　　
紫雲英田を電車わくわく通りけり　　
桃の花週末待てる通い婚　　
あたたかや海岸通の理髪店　
おもいでのほろほろ通夜の星朧　
通過する人に初蝶逃亡し　　　
ヘジャブ少女の一人の通学鳥帰る　


テーマ:むずむず
くしゅん！ムズムズずーずーさくらひらくまで　
春鴉多くてむずむずする手足　
ダヂヅデドなど言いにくき花粉症　　　　
謎を解く紙と鉛筆蛇出づる　　
地虫にも追ひたる夢が地虫出づ　　　　　　
マスクして伊達メガネして鼻むずむず　
むずむずと樹皮脱ぐ疎林鳥雲に　　
楽園と言ふはまやかし地虫出づ　
岸角も春田のたるはもどかしき　　
啓蟄の沼に蠢く影百体　　　
茎立や時の鐘鳴る時を待ち　　　
若き日のこそばゆき文ミモザ咲き　　
春風の気の向くまゝに旅支度
啓蟄やマドンナ未だ独りなり　　
推しの住む隣国恋し蝶の昼　　
石仏やむずむず草の萌え出づる　
啓蟄や腹の痒みの露天風呂　　　
地虫出づシニア野球の皆シニア　　　
同窓会残花めでゐる静こころ　　
鼻も世も不条理の春むずむずす　　　　
漏水の音春雨の音夜がくる　　


雑詠
カーテンに手をかけ朧月夜かな
雁帰る旅の鞄の空っぽに　　
クリップに挟む春愁曝されて　　
レ点打つTo Do リスト春愁い
一族の期待に応え卒業子　　
遠流のごと島に八年鳥曇　　
横寝るは通話皮打つ春猫よ　　
棋譜に見る角の逃げ道梅の花　　　
亀鳴くや買ひ手のつかぬ美術品　
三回忌春の海辺で子と孫と　　
杖突いて春の別れ辞天覧をとこ　　
水脈曳いて櫂は隅田に桜東風　
大嚔前の一瞬の息停止　　　　
冬青空健康さえあれば何とか　
紐解けど隘路に沈む春の川　　　　　
三月に親族訃報園へ行く　　　
弁当の予約は八つ春隣　　
砲弾のゆくえ春を指す少年　
野を焼いて「刑事フォイル」を巻き戻す　　
遊び紙めくれば扉あたたかし　　
夕星のグランドぶらんこの少女　　　


★選句要領
選句数６句（うち特選１句）
締切　3月22日（土）24時
選句コメントをつけて送ってください。
選外のものでもコメントしたい句がありましたら、コメントを受け付けています。