今年は野武士(再仕官バージョン)

「今年は野武士」改め「落ち武者」改め
新たな職場での再仕官の毎日を綴ります。

それぞれの思惑

2012-11-01 21:28:40 | 日記
大きな大会を控えたジュニア(小学生)の練習試合の相手として、うちの部員が選ばれた。
選ばれたといっても、それぞれの保護者どうしがまとめた話だ。

時間帯も、19:00~21:00で、部活動とはいえない。
本人と保護者に異存がなければ、「どうぞご自由に。」ってなものである。
部員たちには、「小学生に負けても凹むなよ。」と言っておいた。

その夜保護者の代表の方から、連絡があった。

曰く、うちの中学校に入ってくるわけでもない子どもたちを鍛えるために、なぜうちの子どもたちが選ばれるのか。
その小学生の姉たちが通う中学校に頼めばよい。
小学生との試合でうちにメリットはない。
体のよい「かませ犬」ではないのか。

返す言葉がみつからなかった。

実を言えば、私自身、ジュニアと中学生との試合で忘れられないことが2つある。

1つ目は、中学2年生の1番手の選手が、小学6年生のジュニアに負けてしまったこと。
私の指導がいたらないせいだが、その選手はすっかり自信をなくしてしまった。
逆にそのジュニアは中学入学後県大会を制することとなる。

「いくら強いと言ってもまだ6年生、負けるわけがない。」とたかをくくっていたのが、裏目に出てしまった。
その年は、最後の最後までチームづくりに苦労したことを覚えている。

2つ目は、2年計画で臨んだ市中総体団体戦でのこと。
直前の大会で準優勝し、シード権を獲得して必勝態勢で臨んだ市の中総体。
準決勝で、優勝候補の学校と対戦することになった。

それまでのデータに基づき、2-1で決勝進出の見通しを持って決勝戦に向けてのオーダーを考えていた。
1番手は危なげなく勝ち、2番手は相手の1番手とあたって惜敗。
3番手はうちの2番手で、相手は1年生。
「いくらジュニア出身者とはいえ、3年生の勝ちたいという気持ちは強い。絶対負けない。」と確信を持って臨んだのだが、
ファイナルでマッチポイントを2回握りながら、逆転負けしてしまった。

2年半育ててきた選手が、入学して2ヶ月の選手に負ける。
このときはまじで凹んだ。

帰りのバスの中、私の後の席で、声をころして泣いているキャプテンの姿を今でも忘れることができない。
彼女は、県の選抜メンバーとして九州大会・全国大会にも出場した選手だ。
他市の強豪中学校からの誘いを断り、自分が生まれ育った町の中学校に入学し、部員と力を合わせて県大会に出場することを選んだ選手だ。

ジュニアと試合をしても負けない選手に育てればいいだけの話なのだけれど。