山口県長門市の「まち」「ひと」「しごと」をつなぐお手伝い

NPO法人つなぐ(長門市しごとセンター内)で働くことになりました。
そこでの活動日記

平田オリザさんの『下り坂をそろそろと下る』を手に入れました

2019-11-06 06:43:11 | #5 文庫棚

地方で、何をどうしたらいいのかなあと考えてて
この本を購入しました。


長門市しごとセンターの1Fの、本棚に入ってますので、
ご興味のある方はお越しください^^



ちなみに、2016年の発行です


地方は、確かに、自然豊かだけど
中途半端な田舎だと、「危険だから、家で」とか、「学校農統廃合で遠距離通学」とかになってて

意外と、そこそこ都会そこそこ田舎の方が
本物に触れたり
自然に触れる機会が多くなってたりするようです。

そんな中で「なんで田舎?」にちゃんと答えられる場所つくりや、教育の在り方が必要という
仰る通りだなあと思います。


で、子どものためにできる教育ってなんだろう???
UIJターン者を招くために、できることってなんだろう???


誰か、一緒に話して、何かを仕掛けていけたりしないかな




気になった箇所を、忘備録として抜粋

序章

P4 
私は、明治近代の成立と、戦後復興・高度経済成長という2つの大きな坂を、二つながらに見事に登り切った私たち日本人が、では、その急坂を、どうやってそろりそろりと下っていけばいいのか

P5
司馬さんが繰り返しお書きになったように、日本は一個の文明を生み出せるほどの「大国」ではないが、、しかし、ロシアを敵に回して必死の闘いを行い、それで世界から同情と称賛を得られる(得られた)ほどの小国でも、もはやない。

P9
大学の教員を十五年やっていて、「地方には雇用がないから帰らない」という学生には、ほとんど会ったことがない。彼らは口を揃えて、「地方はつまらない。だから帰らない」という。

P14
百五十年近く(略)、アジアの唯一の先進国として君臨してきたこの国が、はたして、アジアの一国として、名誉ある振る舞いをできるようになるのか

P19
子育て中のお母さんが、昼間に、子どもを保育所に預けて芝居や映画を観に行っても、後ろ指をさされない社会を作ること


第一章
P37
おそらく島という閉鎖系の中で、二、三万人の人口があれば、十分に循環型の社会を構築していけるということなのだろう

P38
安全・安心はIターン者にとって大きなポイントだ

P41 -42
地縁や血縁を持たない(あるいは、それに縛られたくない)、そして企業社会にも所属しない層を包括し、人間を社会から孤立させないためには、もう一つの緩やかな、ある程度出入り自由な共同体が必要なのではないか

P50
人口の少ない離島で町作りを進めようとすれば、人々は複数の役割をこなさざるを得ない。しかし、そのことが、かえって人々の自主性、主体性を強める。


第二章
P66
若者に理由があって本当に必要ならばパリやニューヨークに行くのは構わないが、ただ闇雲に憧れだけで東京に活かせることはさせない。その判断が自分でできるだけの体験を、豊岡にいる内にシャワーのように浴びるようにさせる。城崎国際アートセンターは、その拠点の一つに位置付けられている

P73
雇用や住宅だけを確保しても、若者たちは戻ってこない。まして、IターンやJターンは望むべくもない。選んでもらえる町を作るには、自己肯定感を引き出す、広い意味での文化政策とハイセンスなイメージづくりが必要だ

第三章
P111
自然が完成を育む。それは正しいかもしれない。しかし、いま社会から求められているのは、そこで感じた自然の素晴らしさを、色や形や音や、あるいは言葉にして他者に伝える能力である。

P120
地方こそ、教育施策と文化政策を連動させて、文化資本が蓄積されるような新しい教育プログラムの開発に取り組まなくてはならない。このことに気が付いた自治体と、そうではない自治体で、今後、さらに地域間格差が広がることが予測される。

第四章
P150
滑りやすい下り坂を降りていくのに絶対的な安心はない。オロオロと、不安の時を共に過ごしてくれるリーダーシップが必要なのではないか

P151
私は「対話劇」を、一つの主義主張を伝えるものではなく、異なる価値観や意見を持った人々が登場し、戸惑ったり、理解しあったりしながら対話を進めていく演劇のスタイルと定義している。だから、ここでは「復興が進んでいる」とか「希望が見えてきた」とか、まして「絆」だとか「思いやり」だとか、そんなものは描かなくていい

P153-154
劇作家は、いつも、こんなことばかり考えている。こんな意地悪なことばかり考えている。この十数年、日本の教育界では「問題解決能力」ということが言われてきた。しかし、本当に重要なことは「この点」「問題発見能力」なのではあるまいか。
 私は、福島の子供たち、若者たちにも、このような視点をもってもらいたいと考えている。自分たちを不幸にしているものは何なのか。それは、どういった構造を持っているものなのか。きちんと直視するだけの力と、それを引き受けるしたたかさと持ってもらいたいと願っている。




―抜粋以上―

オリザさんは、演劇という視点から
地方の教育を考えていて、すごく面白いなあと感じます

誰かを悪者にしても、、
その悪者も真摯に考えていたりして、決して単純な話にはできない世の中において、演劇の持つ現実を映し出す力や、表現する力は、すごく考える力を養うのに使えそうって思います。


長門市と同じくらいのあ人口3万人の年の事例とかもあって
面白いなあと


長門市も「ふるさと教育」とか力いれたいっていってて、、
私自身も興味があって、そういう人と関われる仕事に就くことができました。

さて、

はてはてふむ、です。

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