ちょこっとGUM

今、自分が出来ること。やれること。それを精一杯やっていかなくちゃ!!

コラム備忘録【12/18~12/19】

2020年12月20日 01時07分53秒 | マリーンズ2020
≪2020/12/18≫

10月以降の防御率は0.73 ロングリリーフで光ったロッテ・フローレスの投球

 シーズンの防御率は「7.66」だったが、10月6日に再昇格してからのロッテ・フローレスは、ロングリリーフで存在感を示した。

 フローレスは昨年10月にZOZOマリンスタジアムで行われた入団テストを受験し、育成選手ではあるが、入団を勝ち取った。「支配下になるか、なれないかは最終的に監督、コーチ、チームが決めますので、できることをやるだけ。支配下になりたいですけど、自分がコントロールできることだけは、しっかりやっていきたいと思います」。春季キャンプ中にこのように話していたフローレスは、実戦がはじまってから春季教育リーグ、二軍練習試合で12イニングを投げて無失点に抑えるなどアピールし、3月31日に支配下選手登録となった。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕は6月19日に変更となり、6月の練習試合では1試合だけ登板したが、開幕はファームスタート。ファームで先発で2試合、リリーフで1試合登板し、7月12日の西武戦で来日初登板を果たす。

 初回こそ三者凡退に抑えたが、2回に先頭の山川穂高に四球を与えたのをきっかけに、栗山巧に適時二塁打を許し失点。3回には一挙5点を失い、来日初マウンドは3回6失点とホロ苦いデビューとなった。

 登板翌日に一軍登録抹消となり、8月11日に再昇格。先発ではなくリリーフで登板し、8月11日の日本ハム戦で来日初ホールドをマークすると、13日の日本ハム戦では「初勝利ができて心の底から嬉しい」と1回を無失点に抑え、来日初勝利を挙げた。

 8月16日の日本ハム戦から4試合連続で失点し、8月27日の楽天戦では1イニングに6失点。20日のソフトバンク戦までは一塁側のプレートを踏んで投げていたが、23日のソフトバンク戦では三塁側のプレート踏んで投げているようにも見え、本人の中で試行錯誤していたのだろうが、再びファームで調整することになった。

 ファームで再調整となった9月以降は、少ない球数で1イニングをコントロール良くピシャッと抑え、9月は10試合・12イニングを投げて、14奪三振、1与四死球、防御率0.75と安定した投球を披露。

 10月6日に新型コロナウイルス感染拡大に伴う「特例2020」で一軍登録抹消された選手たちの“代替指名選手”として再昇格を果たした。再昇格後初めての登板となった10月15日の楽天戦、2回を1安打4奪三振無失点に抑えると、この登板から6試合連続で無失点。

 今季最終戦となった11月9日の日本ハム戦、2回を投げて1失点で敗戦投手となったが、10月以降は7試合・12回1/3を投げて、7被安打、6与四球、17奪三振、防御率0.73という成績を残した。点差の開いたロングリリーフが中心となったが、相手チームの流れを断ち切った。またプレートの踏む位置に注目すると、基本的には三塁側を踏んで投げていた。

 8月までは右打者の被打率が.615(13-8)と打ち込まれていたが、10月に昇格してからは被打率.067(15-1)。ストレートで押し込み打ち取るケースが増え、10月以降のストレートの被打率は.115(26-3)だった。

 野手では藤原恭大が“代替指名選手”として昇格しチャンスを掴んだが、ビハインドゲーム中心のロングリリーフで投げていたため、あまり目立たないがフローレスもチャンスをモノにしたと見ても良いのではないだろうかーー。

▼ フローレス成績
今季成績:14試 2勝2敗1H0S 振25 四16 22回1/3 自責19 防7.66
8月まで: 7試 2勝1敗1H0S 振 8 四10 10回 自責18 防16.20
10月以降: 7試 0勝1敗0H0S 振17 四 6 12回1/3 自責1 防0.73

被打率
▼8月まで
左打者:.375(32-12)
右打者:.615(13-8)

▼10月以降
左打者:.222(27-6)
右打者:.067(15-1)

文=岩下雄太

(ベースボールキング)

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≪2020/12/19≫

GG賞受賞者なしも…2年連続で失策数リーグ最少のロッテ

二遊間の好守備

 『第49回 三井ゴールデン・グラブ賞』の受賞者が18日に発表され、チーム失策数がリーグ最少の「53」だったロッテから選出される選手が表れなかった。ちなみにロッテは昨季もリーグ最少の「67」失策だったが、受賞者は外野手部門の荻野貴司のみだった。

 2年連続でリーグ最少の失策数を誇りながら、この2年でゴールデン・グラブ賞を受賞した選手が荻野のみというのは寂しい限りだが、今季もチームの勝利のために素晴らしいプレーを披露し続けた野手陣の守備を振り返っていきたい。

 セカンド・中村奨吾、ショート・藤岡裕大の“二遊間コンビ”は、数多くの好守備でチームを救った。

 中村奨は7月30日の楽天戦、3-2の6回無死満塁、島内が放ったセンターへ抜けそうな打球をダイビングキャッチ。三塁走者の生還を許したが、二塁フォースアウトで大量失点を防ぐ。8月18日のソフトバンク戦では、3-1の7回一死走者なしから中村晃が放った強い打球を横っ飛びでキャッチし、一塁へ送球しアウトにした。

 8月23日のソフトバンク戦では、0-0の2回二死二、三塁から川瀬が放ったセカンドベースよりのセカンドゴロを逆シングルでキャッチし一塁へ送球。一度はセーフと判定されるも、リクエストでアウトに覆るということもあった。さらに、10月20日の西武戦では、メヒアが放ったセカンド後方への飛球を背走。めいっぱい左手を伸ばしジャンピングキャッチするビッグプレーを見せた。途中交代はあったものの、セ・パあわせて12球団で120試合全てセカンドの守備に就いたのは、中村奨吾のみというのは立派だ。

 藤岡は昨季までは抜けていたような打球を処理し、しっかりとアウトにする場面が増えたようにも見える。7月4日の楽天戦では、初回に浅村栄斗が放った三遊間寄りショートゴロを逆シングルでキャッチし、素早く二塁へ送球しアウト。9月18日の日本ハム戦でも、2回に大田泰示が放った三遊間寄りの打球を二塁でアウトにするなど、今季はこういった守備が多かった印象を受ける。

 そして、藤岡の守備での魅力のひとつが“肩”。かつての取材で藤岡本人も「人より自信はあります。肩の強さが売り」と話すほどだ。その“強肩”をいかした守備も紹介していきたい。7月4日の楽天戦の4回、銀次のセカンドベース付近に放った当たりを飛び込んでキャッチし一塁へ送球しアウトにした。8月18日のソフトバンク戦でも、中村晃が三遊間に放ったショートへのゴロを藤岡が逆シングルでキャッチし、そのまま一塁へノーバウンドスロー。体が三塁方向に流れる難しい体勢のなか、一塁へノーバウンドスローでアウトにしたこのプレーは、まさに“強肩・藤岡”ならではの守備だった。

安田も好守備

 三塁の安田尚憲は、ファームでプレーしていた昨季はサードで119試合に出場し、15失策と守備に課題を抱えていたが、一軍でプレーした今季失策数も一軍と二軍で違うとはいえ、サードで97試合に出場して5失策と、守備力を大きく向上させた。ZOZOマリンスタジアムでの試合前練習では、鳥越裕介コーチからアドバイスをもらいながら、何本もノックを受けていた。

 特に今季、安田の守備を見ていて、三塁線の速い打球を逆シングルでキャッチし、一塁へ送球しアウトにすることが増えた。7月19日の日本ハム戦、初回一死一、三塁の場面で中田翔の三塁線の速いゴロを逆シングルでキャッチし5-4-3のダブルプレーにした守備は見事だった。スローイングも安定し、この1年で守備はかなり上達したように見える。

 「キャンプから通して練習してきて、徐々にですけど、正面の打球であったり、取れる範囲の打球は取れるようになってきた」と手応えをつかんだ。その一方で、「まだまだな部分はたくさんありました。球際の部分であったり、弱いところもある。そういうところでも投手に迷惑をかけないようにやっていきたいと思います」と反省することを忘れなかった。

一塁・井上はわずかに届かず

 一塁の井上晴哉は、77票をあつめた中村晃(ソフトバンク)、中田翔(日本ハム)という同学年の2人にわずか2票届かず、ゴールデン・グラブ賞とはならなかった。

 それでも、6月24日のオリックス戦の3回、吉田正尚の高く弾んだ一塁への打球をファーストミットで捕球し、ベースカバーに入った投手・小島和哉にグラブトスで一塁へアウトにするなど、開幕直後は好守備を連発。また、何度も難しい送球を捕球していたのも、失策数の少なさの要因のひとつだったのではないだろうかーー。

捕手陣もスーパープレー

 正捕手の田村龍弘も、9月4日のソフトバンク戦、4-2の8回無死一、二塁で上林のバントをダイビングキャッチでキャッチし、素早く二塁へ送球しダブルプレーを完成させた。バントを決められていれば、1本の安打で同点に追いつかれる状況だっただけに、今振り返ってもこの守備は非常に大きかった。

 シーズン終盤はサヨナラ負けに繋がるミスはあったものの、11月1日の楽天戦、三塁ベンチ前に飛んだ打球をフェンスを怖れずキャッチし、その必死なプレーにファンからも拍手が飛んだ。

 また、ゴールデン・グラブ賞の有資格者ではないが、柿沼友哉も7月22日の西武戦、山川穂高が放ったキャッチャーフライを三塁ベンチ前でスライディングキャッチを見せ、11月3日のソフトバンク戦では盗塁王・周東佑京の二塁盗塁を完璧なスローイングで刺した。

外野陣も好守備連発

 外野陣も菅野剛士が7月22日の西武戦、2回一死一塁からスパンジェンバーグのレフトへのフライをダイビングキャッチするなど、外野で60試合、一塁で12試合に出場し、外野、一塁ともに無失策だった。

 ゴールデン・グラブ賞の有資格者ではないが、加藤翔平はセンターの守備で9月1日の西武戦、栗山が放った左中間のフェンス際の飛球をフェンスにぶつかりながら捕球すれば、福田秀平は10月3日の西武戦、源田が放ったレフトファウル側のあたりをダイビングキャッチ。福田秀はセンターでも10月13日の楽天戦、初回に先頭・小深田の左中間に放ったあたりをダイビングキャッチした。代走で存在感を示した和田康士朗は守備でも8月29日のオリックス戦、福田が放った右中間の打球を好捕。シーズン最終盤に一軍昇格を果たしレギュラーとして出場した藤原恭大も、11月7日のオリックス戦で、若月が放ったセンターフェンス後方の打球をセンターフェンスギリギリのところで捕球した。

 ロッテの外野手は、スーパープレーばかりでなく、“頭脳的”なプレーも見せた。7月19日の日本ハム戦、中島卓也の右中間へ放った打球を左中間よりに守っていたセンター・荻野が体勢の悪い状態で捕球したため、ライトのマーティンにボールを渡し二塁へ送球してもらう。荻野がスローイングしていれば三塁打の可能性があった打球を、2人の連携で二塁打に止めた。

 さらに10月4日の西武戦では、6-1の7回一死走者なし栗山が放ったライト線の打球をライト・マーティンが処理。二塁を狙おうか悩んでいる栗山を見て、一塁へ送球し、二塁進塁を誘う。一塁・井上がマーティンの送球を受けて、すぐさま二塁へ送球しタッチアウトということもあった。

 ここでは好守備、さらにはゴールデン・グラブ賞有資格者以外の選手を紹介したが、もちろん来季へ向けて改善しなければいけない守備もある。ただ2年連続でリーグ最少の失策数を誇ったのは事実。たまたまゴールデン・グラブ賞を受賞した選手はいなかったが、ファンを熱くする守備を何度も披露したマリーンズ選手に拍手を送りたい。

▼ ゴールデン・グラブ賞有資格者
<投手>
石川 歩
美馬 学
益田直也
小野 郁
※投球回数120以上
※試合数40以上

<捕手>
田村龍弘

<一塁手>
井上晴哉

<二塁手>
中村奨吾

<三塁手>
安田尚憲

<遊撃手>
藤岡裕大

<外野手>
マーティン
菅野剛士

※試合数60以上

文=岩下雄太

(ベースボールキング)

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≪2020/12/19≫

安田兄弟オンライン対談1!ロッテ尚憲に兄・亮太「打率.221、6本塁打。これって活躍?」

 プロとアマの垣根を越え、「3球勝負」の兄弟対談が実現!ロッテで今季87試合で4番を打った3年目の安田尚憲内野手(21)が、18年の日本選手権で三菱重工名古屋を日本一に導き、来季から再編・統合された三菱重工Eastに所属する兄・亮太捕手(33)からオンラインでインタビューを受けた。捕手らしい独特な目線からの質問に加え、12歳上の実兄だからこそ知る極秘エピソードも――。遠慮なしの「爆笑トーク」となった。(構成=横市 勇、柳内 遼平)
 兄「おう、お疲れ!オレがインタビューするからな。では、今季を振り返るということで!打率・221。しかも6本塁打。これって活躍か?」

 弟「開幕前に新人王を目指すと言ったけど、全然駄目やった」

 兄「レギュラーではなかったな」

 弟「今年はレアードもケガして、ポジションを与えてもらった。来年はレアードも復帰すると思うし…」

 兄「だいぶ、我慢してもらったもんな。オレが感謝やったもん。あんな成績で…。しかも優勝争いやろ。最初の打順は3番であかんくて、下位になって、途中で井口監督はなんか4番・安田と…書き間違えたんやろな。打順で心境の変化は?」

 弟「最初、全く結果が出てなかったので打順とか関係なく必死だった。徐々に優勝争いになるにつれて試合が決まる打席とかが増えていった。打てへんときは苦しかった」

 兄「最後に4番を外されたやんか。あと何試合かだったから、最後までいってほしかったけど、(CS争いが佳境で)チームも期待と現実のバランスを取らなくてはならない時だった。4番から外れてホッとした?それとも悔しかった?」

 弟「両方かな。でも、どちらかというと悔しかったかな。最後まで行きたかったけど実力不足だった。CS争いなので、自分の打順は関係なかった」

 兄「マーティンにアドバイスしてもらったことがあったらしいな?」

 弟「7月の試合後にマーティンが打撃練習に誘ってくれた。そこで“打席で悩み過ぎ。自信を持って立たないと相手もプロだから簡単に打たせてくれない。自分を信じなければ駄目だ”と言われた」

 兄「何を信じたん?打率・221で?」

 弟「最初は・045ぐらいやった」

 兄「あはは!それじゃ、信じるもんないやろ」

 弟「ないから、信じるのではなく、できるもんだと思うしかなかった」

 兄「そういうときに自分を信じられなくなるのはよく分かる。でも、そういうときこそチームが“いいから行け!”と勇気づけることも必要。いつか、おまえもそういうことを言える立場にならないかんだろ。そういう経験はよかったな」

 ▽プロ3年目の安田 初の開幕1軍で6月20日のソフトバンクとの開幕2戦目に「3番・DH」で出場も4打数無安打。7月5日の時点で20打数1安打で打率.050だったが、翌6日の西武戦で今季1号を放つと同21日から86試合連続で4番で起用された。8月末から不振で残り8試合となった10月31日の楽天戦で7番に降格すると11月4日のソフトバンク戦では9番に。レギュラーシーズン最終戦だった同9日の日本ハム戦で4番に復帰した。

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安田兄弟オンライン対談2!兄・亮太 尚憲は「高3夏負けて速攻ゲームしていた」と暴露

 プロとアマの垣根を越え、「3球勝負」の兄弟対談が実現!ロッテで今季87試合で4番を打った3年目の安田尚憲内野手(21)が、18年の日本選手権で三菱重工名古屋を日本一に導き、来季から再編・統合された三菱重工Eastに所属する兄・亮太捕手(33)からオンラインでインタビューを受けた。捕手らしい独特な目線からの質問に加え、12歳上の実兄だからこそ知る極秘エピソードも――。遠慮なしの「爆笑トーク」となった。(構成=横市 勇、柳内 遼平)
 兄「ロッテに優勝してほしかったな。沢村選手、福田秀平選手といった巨人やソフトバンクで優勝経験ある人から感じたものは?」

 弟「マーティンもそうだけど熱くプレーしていた。声に出して“絶対勝つ”と言っていた。ソフトバンクもそうだった。そういうチームが強いと思った」

 兄「高校生の頃のおまえとは違うんやな。親父がいつも話していた。“あいつは器が違う。3年夏に大阪桐蔭に負けて家に帰ってきたら、速攻でゲームの電源入れた。普通は部屋に閉じこもるやろ。しかも、バスケットのゲームやぞ”って」

 弟「絶対、うそや!」

 兄「ちょっと、おまえの幼少期の話をしよか」

 弟「思い出はあるよ。小学校に入る前ぐらいまでは、みんながオレのことを溺愛してくれていた」

 兄「あー、みんな“ひーくん”って感じだったもんな」

 弟「それが小4ぐらいに“にー(兄)”と身長が同じぐらいになって、小5ぐらいからは毎日泣かされた」

 兄「うひゃひゃ!」

 弟「今考えても明らかに厳しかった。小学生への当たりの厳しさではなかった。5年生の自分に“おまえは本当に真剣に野球をやっているのか?”と」

 兄「オレはプロ野球選手になりたくて、でもなれなくて、社会人野球でも壁に当たっていた。“スポーツで飯食っていくのは甘ないぞ”と伝えたくてね」

 弟「まあ、あんな厳しさがあったから高校時代も乗り越えられた」

 兄「あの頃は、家族の誰もおまえがプロになれると思ってなかったからな」

 弟「一番どんくさかったからね。二重跳びも6年までできなかった」

 兄「あっ!逆上がりは今もできひんやん!プロ野球選手になったいろんなやつと一緒にやったけれど、そんなのは一人もいなかった。(PL学園でバッテリーを組んだ)前田健太とか(走り高跳びで)1メートル80を背面跳びでいくんやで。だからヒサがプロ野球選手になりたいと言うから“本気でなりたいんやな?”という脅しでもあった。それで高3夏に負けたらゲームをしていたというオチや」

 弟「それは絶対に盛っている。そんなドライではない。試合後は号泣していたし」

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安田兄弟オンライン対談3!兄「真っすぐ、なんでそんなに前に飛ばへんの」弟「オレもそれを聞きたかった」

 プロとアマの垣根を越え、「3球勝負」の兄弟対談が実現!ロッテで今季87試合で4番を打った3年目の安田尚憲内野手(21)が、18年の日本選手権で三菱重工名古屋を日本一に導き、来季から再編・統合された三菱重工Eastに所属する兄・亮太捕手(33)からオンラインでインタビューを受けた。捕手らしい独特な目線からの質問に加え、12歳上の実兄だからこそ知る極秘エピソードも――。遠慮なしの「爆笑トーク」となった。(構成=横市 勇、柳内 遼平)
 兄「試合を見ていて感じたことは、単純に真っすぐ、なんでそんなに前に飛ばへんのかな?」

 弟「オレもそれを聞きたかった」

 兄「真っすぐ、前に飛ばへんかったら、投手も真っすぐ投げとけばいいのにな」

 弟「でもたまに変化球を投げてくれるから、それを打っていた」

 兄「なんで、変化球投げるんやろな」

 弟「ずっとファウルを打っているから、そろそろ合うかもしれんと思うんじゃない」

 兄「まあ、そやな。たくさんの打席見たけど、真っすぐに詰まっている映像しか頭から出てきいへんな」

 弟「今年は真っすぐを一度も本塁打したことないからな」

 兄「千賀から本塁打を打ったとかなっていたけれど、あれ、真っすぐを待っていたんやろ?」

 弟「そう、真っすぐだと思ったら、抜けたフォークが引っ掛かった」

 兄「捕手からしたら、レベルのギャップがありすぎて起こる本塁打やな。たまにおるんや。変化球が高めに抜けて“真っすぐを打ちました”って言うやつ。それと一緒や!」

 弟「ふふふっ」

 兄「将来的には優勝請負人というか、勝てるチームの4番になってほしい。ファンは勝つチームを応援するし、街全体も活気づく。名古屋でもドラゴンズも最近強くなかったけど、今年Aクラスに入ったら“未来は明るい”と言うわけ」

 弟「今年1位になりたかった。チームが優勝するだけでなく、そこで活躍しなければプロ野球選手としては意味がない」

 兄「来年はまずラインアップに名前があるかが不安やな」

 弟「まずそこ(笑い)」

 ▽パCS最年少アーチ 11月14日のCS第1戦、安田は「7番・三塁」で先発出場。0―0の2回2死一塁でソフトバンク・千賀の2球目のフォークを捉え、右翼席に先制2ランを運んだ。前日の練習では「あのフォークは打てない。直球を狙いたい」と宣言し、この打席の初球は155キロ直球を空振りしていた。なお、21歳6カ月での一発はパCS最年少アーチとなった。

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ロッテ・安田 幼少期の兄弟2ショットなし 寮生活の12歳上の兄は「よく知らないおっさん」

【取材後記】12歳差の兄弟。2人に「幼少期のツーショット写真を貸してもらえないか?」とお願いすると、亮太さんは「ほとんど一緒に住んでないので写真がないんです」と苦笑いした。送られてきた写真は18年1月に行われた3人きょうだいで真ん中の妹さんの結婚式で撮影されたもの。兄が捕手、弟が打者の格好をしておどけていた。
 亮太さんはPL学園、明大、社会人でも数年間は寮生活で「オフに家へ帰ると弟は“よく知らないおっさんが来た”と思っていたんじゃないかな」と振り返る。そんな2人の関係性も弟の成長とともに変化する。兄は「ドラフト1位で自分の目標だったプロになった弟に嫉妬(しっと)していた」と明かす。そんな葛藤も三菱重工名古屋の主将&捕手で18年の日本選手権で優勝したことで消えたという。

 三菱重工は来年1月から硬式野球部4チームを2チームに再編、統合し、兄は三菱重工Eastに移籍する。弟は「もう一度、日本一になってほしい。東京ドームで捕手をしているところを見たい」と今度は都市対抗優勝を期待する。兄弟によるアマとプロでの同年日本一。そんな夢も見てみたい。(横市 勇)

(以上 スポニチ)

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≪2020/12/19≫

ロッテ場内アナ谷保さん「手拍子肌で感じて」/前編

ロッテの場内アナウンス担当・谷保恵美さん(54)が日刊スポーツのインタビューに応じた。コロナ禍で未知のことも多かったという自身30年目のシーズンを振り返った。今回は前編。【聞き手=金子真仁】

-30年目のシーズンはいかがでしたか?

谷保さん 今年ならではなんでしょうけれど、お客様がいない時期もあって、いらしてからもお声も出せないという応援スタイルが初めてだったじゃないですか? どうなるのかなと思ったんですけど、手拍子がリズムで来るのを肌ですごく感じて、声で応援してくれているかのような感じがしたのが、新しい発見でしたね。いつも応援の声というよりは、応援の雰囲気全体を聞きながらアナウンスをしているので。

-誰もいない開幕戦をどう感じましたか?

谷保さん オープン戦から誰もいない状況での開幕でした。選手の皆さんはもちろん、オープン戦と公式戦の違いがあったと思いますけど、私の仕事としては「始まった感」があまりなかったです。

-無観客のアナウンスではどんな意識を?

谷保さん テレビやネット中継を通じて楽しみにされていらしたと思うので、私にできることは声を出すことだけ。とりあえず元気な声を出していこうと。それだけでしたね。

-7月10日に有観客になりました

谷保さん そうなんですよ。今年を振り返ると、あの日がすごく一番記憶に残っていて。7月10日が。事務所から出て、球場に来る前での間に、ユニホームを着たファンの方々を見たときは、本当に何とも言えない感激というか。これがプロ野球の球場だと。戻ってきたなーと、すごく感激しました。ファンの方々にも「来ましたよ~」って声をかけていただいて。

-試合前に「おかえりなさい」のアナウンスもありました

谷保さん 何かメッセージを出そうかという話に広報室でなりまして。おかえりなさい、と伝えたつもりが、お客様のすごい拍手がワァーってあったので。こっちに「おかえりなさい」が戻ってきたというか。言った私に戻ってきて、すごく感激しましたね。

-シーズン終盤を前に「マリンで逆転優勝」の可能性もありました

谷保さん そうですよね。放送室の中でも、みんなでそういう話になって、みんなでワクワクしました。どんな演出をしようか、なんて話してて。そんな思いをさせてもらってうれしかったですね。

-ロッテから移籍した選手をアナウンスする機会もありますが?

谷保さん 移籍した選手は、もちろん思い入れがすごくあります。でも別の選手との差が出るのは絶対にだめなので、気持ちの中だけで力が入ってます。声には出ないんですけど。

-沢村ら途中加入の選手のアナウンス練習は?

谷保さん ほとんどぶっつけ本番でしたね。登場曲の雰囲気を見ながら。沢村選手は壮大な曲なので、どこでアナウンスをしようか、音響担当と打ち合わせていました。これは曲が先に入った方がかっこいいなと。アナウンスは曲の後に。益田投手とかも後派です。通常の野手の打席も曲出し(=曲が先で、その後にアナウンス)ですが、藤原選手の曲はしっとりした感じなので、アナウンスが先です。(後編へつづく)

(日刊)

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≪2020/12/19≫

ロッテ若手の「思い」コロナ禍で貴重な更改後会見

<We Love Baseball>

ロッテの契約更改が進んでいる。コロナ禍の今季、1軍にいない選手たちは情報が極めて限られた。更改後の会見が、思いを聞く貴重な場になっている。

種市篤暉投手(22)は右肘痛でトミー・ジョン手術を受け、来季もリハビリに励む。チームがCS出場を決めた試合もテレビ観戦だった。「1回から9回までトレーニングしながら見てました。何とも言えない気持ちでした」。

田中靖洋投手(33)はプロ15年目を終えた。「まだ自分の中でチャレンジしたいこともあるし、打者のレベルもどんどん上がって、どう抑えたらいいんだろうと考えているので、長いとかは全くないです」。

吉田裕太捕手(29)は今季出場は1試合。「無事に契約してもらいました」と切り出し、続けた。「チャンスは自分でつかむものだと思う。そこをつかめなかったのが現状です」。

育成左腕の本前郁也投手(23)は2軍で好投を続けた。「走者を背負った時に1段階ギアを上げられる、厳しい時に三振をとれるのが持ち味と思います」。

東妻勇輔投手(24)は、6月の活動再開後に自慢の快速球が精彩を欠いた。「振れない腕をより振ろうとして球速も出なくなった。焦らずに体を作り直せば良かったのに、近回りをしようとしちゃって」。

平沢大河内野手(23)は右肘痛に悩み、1軍出場のない不本意な1年。「同い年の(佐藤)都志也や茶谷がずっと1軍にいて、悔しい部分はあります」

オープン戦3発のルーキー福田光輝内野手(23)も苦しみ、強い目で誓う。「甘くないとは思ってました。経験させてもらったことを、来年に絶対に生かすしかないと思ってます」

数往復のやりとりでも、収穫や後悔を声に出す。振り返りが未来につながる。

(日刊)


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