日向郷土会
『日向郷土志資料』については、柳田國男によって次のように紹介されている。
オバケ研究の専門雑誌が、最近に盛岡からでようとしている。また宮崎県の『郷土志資料』には、あの地方の妖怪変化の目録が、
先々月から連載せられている。ばけ物はもちろんいたって古い世相の一つではあるが、
それを観ようとする態度だけがこの頃やっとのことで新しくなり始めたのである。」(『妖怪談義』) . . . 本文を読む
「百済の里づくり」の十三年を振り返って
渡辺一弘
南郷村の村おこし「百済の里づくり」は、
百済王伝説にもとづいている。
この伝説は、宮崎県の南郷村・木城町・日向市・高鍋町・東郷町一帯に
境界を越えて伝えられてきた。
奈良時代、朝鮮半島を追われた百済王族が日向灘で難破し、
父の禎嘉王たちは金ケ浜(日向市)に、
息子の福智王たちが蚊口浦(高鍋町)に漂着した。
父は神門(南郷村)へ、息子は比木(木 . . . 本文を読む
北川上流域の農耕習俗
平成二年一月二十六日、「北川上流域の農耕習俗」は、国の「記録作成等の措置を講ずべき無形民俗文化財」として文化庁の選択指定を受けた。この報告書が、指定から六年たって、平成八年三月に刊行された。事業の推進については元文化庁主任文化財調査官天野武氏の指導のもと、他五名の執筆者が調査報告をまとめた。調査・執筆者は、北川町から小野忠幸・今井昭三郎・児玉剛誠、県から那賀教史・前田博仁が . . . 本文を読む
山之口文弥節人形浄瑠璃調査団
山之口文弥節人形浄瑠璃は、昭和三十六年山之口村(当時)の無形文化財に指定された。昭和四十二年に早稲田大学商学部教授杉野橘太郎が現地調査し、翌年の日本演劇学会秋季大会において発表があった。その後、昭和四十四年に宮崎県無形文化財指定、昭和四十七年に国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」の選択指定を受けている。
その指定を受けて行われたのが早稲田大学等による . . . 本文を読む
国立歴史民俗博物館
昭和五十六年度から昭和六十年度にかけて五年間に及ぶ、国立歴史民俗博物館によって「畑作農村の民俗誌的研究」という共同研究が行われた。調査地三カ所に、宮崎県東臼杵郡椎葉村が選定され、石川純一郎(常葉学園短期大学教授)は、小島美子(国立歴史民俗博物館教授)、湯川洋司(山口大学講師)が調査に当たった。この調査内容は後に『国立歴史民俗博物館研究報告 第一八集 ー共同研究「畑作農村の民俗 . . . 本文を読む