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翻れ、橋下維新旗

地方自治改革に取組む 橋下徹氏と大阪維新の会、並びに橋下氏と共に自治体改革に取り組む大阪府職員、同市職員を応援します。

争点のぼやけた大阪地方選

2011年03月30日 | 日記
 3月11日の東日本大震災の発生により、1週間程度は国民の関心が地震、津波で満たされていた。2週目に入った頃からは、徐々に被災地復興に向けた支援活動が始まった。国民の関心は「自分たちにもできること探し」と、その実践に変わっていった。他方、福島第一原発の事故の重大さとその影響の大きさから、国民のもう一方の関心は原発の復旧と安全の確保ということに向けられている。

 このような時期に、あいにくとも言える統一地方選の時期が重なってきた。国民の感情からは、「今は選挙をしている場合じゃない」ということなのだろうが、震災の被害が大きい地域を除いて予定通り全国で実施されることになった。被災とその影響を考えると、半年程度の地方選の延期が望ましいのだが。

 政府はそうはしなかった。民主党政権は、これまでの未熟な政治運営に続き被災地対策や原発事故対策でも失政続きとの批判を分散するのに、地方選挙は国民の目先を変える好機と思ったのであろうか。

 しかし案の定、国民の関心は全くといって良いほど盛り上がらない。震災の影響で街頭演説の自粛ムードが広がっており、地方選の争点が「防災対策」にシフトしていることから、論争になりにくい状況が生じている。

 これは大阪でも同じ。府民の関心は選挙どころではない。関心のある向きには、選挙の争点は「あるべき地方自治」から「万全の防災対策」へと変わっていったことが伺われる。

 大阪都構想をぶち上げ、府市二元構造の統合分散を目指す橋下大阪府知事にとっては、この状況は痛い。特に、橋下知事を支持する多くの無党派層の関心が、選挙からなくなっているのは大打撃だ。これまで大阪都構想に目くじらを立ててきた平松大阪市長も「今は、枠組み論を議論するときではない。」と余裕ともいえる発言をするに至っている。

 だが、本当にこれでよいのだろうか。防災対策は確かに地方自治運営上も重要な案件だ。しかし、これまでにも検討は十分すぎるほど行われてきたし、防災対策も市町村レベルから府県をまたいだ広域的な協力体制まで完成している。災害の範囲も地震だけにはとどまっていない。台風も、航空機事故も、科学物質によるテロ活動にも、考えられる範囲での災害とその備えは整えられている。

 問題は、これらの対策が本当に機能するかどうか、そして十分なものであるかどうかということだ。いま、多くの国民の関心が向けられているのは、津波対策と原発対策だ。近畿でも近いうちに「南海地震」や「東南海地震」に見舞われるのではないかと案じられている。今回の東日本大震災のように千年に一度とも言われるような規模の地震で津波が発生したら、近畿の太平洋沿岸各地は大丈夫なのだろうか、大阪湾内沿岸部はどうかという心配である。

 しかし、このような議論は専門家に任せておけばよいこととであって、知識も経験も無い素人が云々しても始まらない。また、議論したところで、自治体の行政運営に反映されることは無い。根拠無き行き当たりばったりの施策や予算を必要以上に食う過大な事業は自治体の機能や力を削るだけで一利にもならないからだ。素人考えに予算をつかっては住民自身が黙っていないだろう。

 だから、今回の地方選挙で住民を相手に「防災対策」を争点にすることはほとんど無意味に近い。ハード面の対策は、専門家に任せておけばよいことだからだ。防災で争点にしなければならないのは、むしろ人的対策のほうだ。

 南海・東南海地震が発生した場合を想定して、中京から紀伊半島、大阪湾岸、四国南部の諸地域に被害が発生したと想定するなら、やはり対策の中心は政府が担当することになるだろう。今回の政府対応が繰り返されるとするとお寒い限りだが、そうでないことを祈ろう。

 さて、では大阪はどうなのか。大阪圏域をいち早く復旧させるには、政府頼みの指揮者では心もとない。住民を励まし、復興に向けたしっかりした足取りのできるリーダーが望まれるのだ。そのためには、指揮の対象範囲が分散されているのは好ましくない。大阪圏域を一体のものとして対策が取れるようにしておくべきだ。

 大阪都構想は確かにその選択肢の一つになりうる考え方だ。政令都市の連携では復興対策が一体のものにはなりえない。対策に当たる主体が別々であるからだ。また、関西広域連合はうまく使えば復興対策に一役買うことができるだろう。だが、大阪圏域の一体的な復興活動を実現するには、権限も機能も無い。

 橋下知事と大阪維新の会は、この地方選で大阪府議会及び大阪市議会の過半数確保を目標にしているが、かなり難しくなったのではないか。ただ、このまま「防災対策」というぼやけた争点を引きずっての選挙戦であってはならないだろう。借金まみれの自治体行政を改善し、真に災害にも強くなるためには、地方はどうあるべきかの論争こそが、今、最も求められているはずだ。

 大阪維新の会は、ハード面の「防災対策」に傾きがちな選挙論争を、人的対策による「防災対策」に切り替えて反論していくべきだ。無関心層や無党派層の掘り起こしにかけるにはそれしかない。

まだまだ捨てたものじゃないぞ、日本人

2011年03月28日 | 日記
 東日本大震災のため大きな被害を受けた福島第一発電所では、懸命の復旧作業が進められている。昨日からは1~3号機ともに、炉心冷却のためこれまでの海水に代えて真水が投入されるようになった。これで懸念された海水投入による施設及び機器類への悪影響は避けられることになった。何よりだ。

 しかし、2号機のタービン建屋地下1階では放射性物質を大量に含む汚染水が検出されている。放射性物質が何であるのかについて、東京電力の発表は二転三転した。27日午前に、汚染物質は「ヨウ素134」で、通常運転中の原子炉内の濃度の1000万倍と発表された。それが夜の記者会見では「コバルト56」の誤りだったと訂正された。更に、昨日未明の発表では、「セシウム134」の誤りであることが知らされた。

 情報の公表を優先するあまり、数値のおかしさを十分検証しないまま公表に踏み切ったためだが、これでは困る。今回の事故は全世界から注目されている。放射性物質の内容については、各国とも神経を尖らしているのだ。ここは、正確性が何より優先されなければならない。

 さて、原子炉の正常稼動に向けては建屋内の施設を補修し、一旦、正常な状態に復旧させる必要がある。そのためには、汚染水がどこから漏れ出しているのかを突き止め、その修理が必要になる。しかし、2号機汚染水は1000ミリシーベルトを超えているため、人体への年間許容被曝量250ミリシーベルト以下に抑えるためには、作業員一人当たり15分以内に作業時間が限られてしまうのだ。

 作業を進めるには汚染水の除去が必要とされるが、この時間制限のために困難を極めているようだ。ここは、東電とその職員、及び応援に駆けつけている他の放射線関係者たちのご努力をお願いするより仕方がない。原発事故はまだまだ予断を許さぬ厳しい状況が続いているが、推移を見守りたい。

 今回の地震、津波、原発事故のトリプル災害を取材するため、多くの国から報道関係者が来日している。彼らは被害の甚大なことを大々的に報ずる一方、これだけの大災害に遭遇した被災者達が冷静に対処していることを、驚きの念をもって伝えている。

 現地では、相互に助けあい手を取り合う姿、窮状に耐えようとする姿、救援者に対する礼儀正しさばかりがみられ、暴言をはいたり、物を略奪したりする者がいないことが、外人記者たちにとっては不思議なものに映るようだ。

 国内での支援活動の輪は、全国に広がっている。周辺自治体からは受入数には限界があるものの、生活圏に近い場所での避難生活が望ましいとの観点から受入れの方針が示されたのをはじめ、各地から被災者受入れの意向が発せられた。あの普天間基地を拒否した沖縄県ですら、被災者数万人を受け入れても良いとの意向を示している。発足間もない関西広域連合は2万人以上を受け入れる旨を公表。更に増加の見込みとされる。

 (大阪府の橋下知事は府営住宅2000戸を確保、最長1年間の受入れを公表した。もっと多くの受入れを進めるため、市町村へも公営住宅の確保を依頼した。また、府立高校へは無試験で3000人の受入れを発表、教育委員会で受け入れて続きを進めることにしている。被災者の生活と教育のサポートが重要と考えてのことだ。)

 生活物資をはじめとする支援物資の提供も被災直後から全国的に取り組まれており、必要量はある程度確保されていたようだ。ただ、孤立化した避難民の場所まで物資を届けるには、陸路が津波で運ばれた瓦礫でせき止められていたため、運搬することはできなかった。しかし、国民からの物資提供の動きは今も継続しており、自治体を介して集約されている。交通が復旧すれば、間もなく必要量が必要とする人々のもとに届けられるようになるだろう。

 一流アスリートたちや芸能人の中には、被災者救済のための義捐金募金活動や、励ましのためのメッセージを発信する者も多数に上っている。「自分にできることは何か」。公共広告機構の宣伝ではないが、今、自分たちにできる被災者支援は何なのか。全国民が考え、行動に移している。その取り組みは阪神大震災のときより一段と早くかつ力強いものになっている。
 
 阪神大震災で救助された青年が救援技術を学んで、今回救助する側に回った例もある。阪神大震災や中越地震のときにボランティア活動に携わった人たちが、そのときの経験を活かして今回も支援活動に当たっている例もある。自衛隊には大災害などの緊急事態に対応するため、自衛隊OBを活用する「即応予備自衛官」制度が設けられている。今回はこれらの即応予備自衛官にも招集がかけられ、120人が応じている。

(即応予備自衛官は、2009年3月現在全国で約5800人が登録されている。自衛官としての 能力を維持するため、年間30日の訓練参加が義務づけられている。)

 民間企業からも支援物資の提供などが続々と申し出られている。非常にありがたいことだ。

 これら、震災発生後の出来事を伝えるに当たって、海外の特派記者たちは正確な情報の報道を心がける一方、いずれも日本人を冷静かつ穏やかな態度をとる国民として驚きの目で報じている。諸外国では、このような災害が生じた場合、日本人ほど冷静な対応はできていないようだ。

 私たち日本人は自らの行動と発言に、もっと自信をもっても良いのかもしれない。世界の人々を感心させる何ものかを有しているのだ。とかく、政治家などが世界に出ると小さく見られがちなところがあるが、国民の諸活動を冷静に眺め回してみると、まだまだ捨てたものじゃないぞ、日本人は。

原子炉復旧を万全に

2011年03月23日 | 日記
 ここ数日の間に、被災した東京電力福島第一原発の復旧作業が急ピッチで進んでいる。燃料貯蔵プールの過熱を避けるため、連日、自衛隊と消防との放水が行われている。この海水の注入により、懸念されていた炉心溶融の問題は、一応薄れてきたようだ。

 外部電源の引き込みにも成功した。昨夜午後10時43分には、3号機の中央制御室の電源が回復。電灯がともった。電源回復は原発の機能正常化に大きな力となるだろう。制御室は原子炉内の核反応をはじめ、タービンや発電機などの設備の機能をコントロールしているものだからだ。

 制御室の機能が戻れば、複雑な原子炉設備をコントロールすることが可能になり、放射線の漏洩なども収束に向けていくことができるだろう。

 電源確保による中央制御室の復旧が進めば、炉心溶融――高濃度放射線の放出という最悪のシナリオを避けることにつながる。原発事故復旧上の最難関は脱したと見てよいのかも知れない。

 ただ、心配事もある。一つは、電源の回復が即原子炉の機能正常化につながるかどうかだ。設備のダメージが大きすぎて正常な機能が望めないのなら、安定制御までにはもう少し時間数かかると見なければならないだろう。

 もう一つの心配は、依然として海水が注入されていることだ。専門家の中には、「海水が炉内で蒸発し、大量の塩がたまっている。塩分は機器の腐食や目詰まりの元になるだけでなく、炉内での予期しない化学反応を引き起こす可能性もある。今後の原子炉の管理のためには早急に真水に切り替えるべきだ。」と指摘する人もいる。
 
 原発放水口付近の海水から、安全基準の127倍もの放射性物質が確認されたとのニュースも気がかりだ。放射性物質は、付近で生息する魚介類の体内で濃度が高まる「生物濃縮」という現象を生じる。有機水銀に汚染された魚を食べ続けたことで生じた水俣病の悲劇が思い出される。

 今のところ、直ちに健康被害をもたらすものではないとの官房長官の発言だったが、その情報をどこまで信じてよいのか疑問だ。政府の、事故や対策情報提供のありかたについては、諸外国からも不明瞭さと遅さが指摘されているからだ。政府にはしっかりした情報提供を期待したい。

 原発についての専門知識のない私たちにとっては、専門家の言を頼りにするしかない。新たな事故の危険性を指摘されると、「ひょっとすると、そうなるかもしれない」と思わされ心配になってしまう。

 だから、危惧される内容には最悪の事態発生を想定した対策を取ってほしい。ことが放射能汚染という危険性であるだけに、対策は万全に行われるべきだ。東電関係者にはこのことを銘記しておいていただきたい。

被災地、厳しい寒波続く

2011年03月17日 | 日記
 巨大地震に襲われた東日本各地は、昨日、冬型の気圧配置が強まったことから広範囲にわたって雪にみまわれた。

 気象庁の調べでは、昨夜午後10時までの24時間で仙台市の4センチをはじめ、青森県の八戸市では8センチの降雪が認められた。気温も盛岡市でマイナス3.9度、八戸でも同2.8度まで下がった。大阪でも昨日までの陽気から一転、マイナス2度まで気温が低下したため、その寒さに震え上がらされた。

 被災された方々の避難生活はどれほど厳しいものなのか、改めて考えずにはおられなかった。瓦礫の下で救いの手を待っている生存者の方々にとっては、もっともっと過酷な仕打ちになったことだろう。最早絶望的ともいえる時間の経過と過酷な環境の中だが、一人でも二人でも生還されることを願わずにはおられない。

 これとは反対に原子炉の熱は下がることを知らない。福島第一原発では昨日、6基の原子炉のうち、1、2号機で炉心の冷却が進まず、高い放射線の漏出が続いている。3、4号機では使用済み燃料を一時保管するプール付近で白煙が上がり火災が相次いだ。5、6号機も使用済み燃料プールで同様の問題が生じないか懸念されている。

 経産省原子力安全・保安院は、2、3号機の格納容器の破損や使用済み燃料プールの沸騰などを検討。検出される放射線量が上下に推移していることから、そのような深刻なトラブルが生じていたのなら高い検出値のままであるはずだとし、原因は解明できていないと経産省西山官房審議官が語った。

 一方、物資の買占めが全国で進んでいるようで、供給が間に合わないものが生じ始めたことが伝えられている。特にガソリン不足から被災地へ送る支援物資の輸送が困難になっている。全国から集められた支援物資が宮城県消防学校に集められているが、燃料不足からそれらを各被災地に運搬できないのだ。石油会社には緊急燃料タンクローリーを現地に走らせるよう、政府からも要請してほしい。

 被災地へ送る物資が大量に必要になっているのだが、長期にわたるわけではない。冷静に対応すれば国内での物資不足は生じないと考えられる。買占めに走らないよう私たち国民は自制していかなければならないだろう。それが一日も早い被災地救済につながるのだ。

 他方、原発事故対策の状況を見よう。これまでの対策に加え、昨日、政府は自衛隊ヘリによる空中からの放水を決めた。しかし、上空の放射線量が高いため取りやめになった。警察庁では警視庁に対し機動隊の高圧放水車を使って4号機への注水を指示したなどの情報も伝えられている。作業は、本日早朝からとされている。効果が上がることを願いたい。

 これらの状況の下、宮内庁では昨日、天皇陛下が東日本巨大地震に関し国民に語りかけられたビデオメッセージを発表した。

 陛下におかれてはビデオを通じて、①被災者を案じること ②救援関係者の労をねぎらうこと ③世界各国から寄せられた見舞いの言葉を被災者に伝えること ④国民が深い悲しみの中にも希望を捨てず、苦難を分かち合って乗り越えること―――を願ってのお気持ちを伝えられている。

 動画は、ヨミウリオンラインなどで見ることができるので、パソコンをお持ちの方はアクセスしてみて欲しい。日本国の象徴である陛下のお気持ちも私たちと同じだ。陛下のお声は被災者や救援に当たる方々に大きな励ましとなるだろう。
繰り返しになるが、瓦礫の下の生存者の救出が一刻も早く進むことを祈りたい。被災者の方々の日常が一日も早く戻ることを願いたい。

( 救援作業に当たられている方々、原発事故現場で対策に当たられている方々、ボランティアで活動されている皆様方、どうか迅速に作業を進めてください。また、同時に二次災害に遭われないよう、慎重に作業に当たってください。)

 世界で唯一の被爆国であり、戦後1954年に米国の水爆実験で被爆した第五福竜丸に続く被曝犠牲者を日本で出すわけにはいかないだろう。それも平和目的の原子力発電所からは。政府や東電の関係者には、最悪の事態を避けるべく決断と判断をされるようお願いしたい。事故原発の再利用を考えるのではなく、放射線被害を最小のものにとどめることができるよう対策を進めて欲しい。後から「人災だった」と言われるようなことだけは絶対に避けて欲しい。

憂慮すべき事態に発展 

2011年03月16日 | 日記
 東日本巨大地震で発生した東京電力福島第一原子力発電所での事故はさらに深刻な事態に発展した。最も危惧されていた炉心への冷却用水の供給が思うように進んでいない模様だ。このため、燃料棒の露出が続いており、炉心溶融へつながることが懸念されている。

 この状況についてフランス原子力安全局のラコスト局長は、国際原子力機関が定める8段階の原子力事象評価尺度で「レベル6」に当たると述べたことが伝えられた。前日に発表された「レベル4」をはるかに上回る評価で、事態はさらに憂慮すべき事態に発展していることが分かった。

 政府・民主党に対応に甘さはないか。災害対策を人気回復の手段と考えてはいないか。原発事故に対する事実認識と対策の間にズレがあるように感じるのは私たちだけではあるまい。提供される情報についても比較的楽観的なものが多かったように感じる。

 他の既存政党についても、今回の巨大地震と原発事故がどれだけ重大なものか認識が甘いのではないか。責任を誰かにナスリつけるばかりの姿勢や部外者を装う態度は許されたものではない。その点、諸外国は今回の災害の巨大さと原発事故の危険性を正しく認識しているように思われる。

 世界中の国々が事故の成行きを心配して見つめているのだ。すでに支援を申し出た国々は110を超えるまでに至っている。国内でも民間人の自主的な支援活動が始まっている。それでも被災者の救済はもとより避難民の生活確保も不十分なままだ。

 首相は非常事態宣言を発するべきだ。全国民の協力を求めることに消極的である必要は全く無い。

 情報管理についても同様。東電との連絡調整の方法の改善と、入手しうる情報を正確かつ迅速に伝えるためには、既存政党関係者とマスコミを通じるラインの一本化が必要だ。

 東電からの報告を受けて、それを整理したうえで政府からマスコミに流すやり方では時間がかかりすぎるのは当然だ。報告内容についても政府の手で都合よく取捨されているのではないかとの疑いの念も否定することはできないのではないだろうか。

 東電の報告が遅れていることや正確な情報が知らされていないことを非難するだけでは事態は少しも好転しない。最悪の事態に備えるために、東電には憂慮すべき内容であっても、そのことを含む正確な情報を伝えるよう指示するとともに、広範囲の関係者との情報共有の手立てを講じるべきだ。

 一瞬の対応の遅れが事態をさらに悪化させていくことにつながる。地震・津波災害と原発事故の成り行きを心配の目で見つめていることしかできない多くの国民にとって、東電の必死の頑張りと政府の対策のみが頼みの綱なのだ。政府の英断を待ちたい。

事態はさらに深刻に

2011年03月15日 | 日記
 東日本巨大地震で発生した東京電力福島第一原子力発電所で、第1号機、第3号機に続き、第2号機では燃料棒が全部露出するとの状態が生じた。

 2号機は昨夕午後6時過ぎに原子炉内の冷却水が完全に失われ、燃料棒の冷却ができない状態になったことが東電側から公表された。午後9時半過ぎには原発正門での放射線量が1時間あたり3130μシーベルトに達し、地震後の最高値を示した。

 原子炉内の冷却水が消失し燃料棒が露出したままになると、高温の燃料温度が下がらず、炉心温度が2000度以上に上がることになる。そうなると、次には燃料棒が溶け出し炉心溶解と言う深刻な事態に至る危険性がでてくることにつながる。無論、大量の放射能放出による大災害に発展する虞がある。そのような事態はなんとしてでも避けなければならない。

 原子炉は現場の懸命の努力で水位が一旦回復したと伝えられたが、午後11時頃には再び燃料棒が全部露出したことが報じられた。これで、福島第一原発の1号機から3号機については、炉心溶融が生じているのではないかとの懸念が高まってきている。

 東電は3号機の炉心の冷却を図るため、日付が変わった今日午前0時2分から格納容器の蒸気を放出する新たな弁を開ける処置をとった。この蒸気の中には炉心から直接出た蒸気が含まれているため、これまでに放出された蒸気よりも多量の放射能が含まれていると言われている。事態はさらに深刻なものになりつつあるようだ。

 これとは別に、昨夜9時頃、同原発正門で中性子線を検出したことが今日未明になって東電から発表された。昨日水素爆発を起こした3号機から発生した可能性があるとされている。1,3号機についても安全確保を引き続き慎重に進めて欲しい。

 一方、発電量不足に対処するため、政府と東電が一昨日発表した「計画停電」が14日実施された。この計画に伴い、計画停電を見越した鉄道各社の運行削減や商業施設の休業などから通勤、通学をはじめかなりの混乱が生じた。

 計画停電は午前6時20分からとされていたが、民間の協力により電力需要が想定を下回ったため、このため午後5時まで実施が見送られた。実施されたのは東電管内を5グループに分けたうちの第5グループに当たる、千葉、茨城、静岡、山梨の4県の一部地域で、約11万3千世帯。

 計画実施が公表されていながら、そのとおりに実施されなかったことから無用の混乱を招いたことが非難されている。また、この一連の経過について政府が対応を東電任せにしていることへの批判、放射能漏れへの対策の遅れ、情報発信の不十分さや遅れが非難されている。しかし、非難や批判はたやすいが、自ら責任を持って対策を進める立場になれば、思うような対応を取ることができないということも事実だろう。現地での救援活動の実態を見ればそのことは明白だ。

 誰もがこのような大災害に遭遇するのは初めてのことであり、学者や学識経験者の創造をはるかに上回る事態に立ち至ったのであるから、対応が後手にまわったり、情報発信が遅れたりするのはやむを得ないともいえるだろう。しかし、首相と民主党の対応のあり方にはいささかの疑問が残る。

 これだけの大災害に立ち向かう上では、政府と民主党だけの対応で済むはずがない。自民党や公明党など、阪神大震災など、大災害の対応を経験した議員たちの参加も要請すべきだ。国を挙げての取り組みを行わなければ、この難局は乗り越えられない。

 非難の声が上がるのは、国民に不安や不便をもたらしているのだからある程度はやむを得ない。しかし、政府の適材を求めない姿勢こそはどんなに非難されても申し開きができないものだといえるだろう。首相は、自民党、公明党をはじめ、野党に頭を下げてでも協力を求めるべきだ。

 なお、計画停電は今日以降4月末まで続けられるとされているが、しっかりとした計画により進めて欲しい。内容が昨日のように二点三転するようでは、国民生活へ無用の大きな混乱を招くだけでなく、経済活動や企業活動にも大きな支障を及ぼすことにつながるからだ。計画実施に向けては東電が動きやすいように、政府にも万全のバックアップをお願いしたい。

悲報、相次ぐ

2011年03月14日 | 日記
 観測史上、最大休の地震規模とされた東日本巨大地震は、世界中の地震データを考慮に入れてマグニチュード8.8から
9.0に引き上げられた。今回の地震が世界最大級のものだったことになる。

 地震の規模もさることながら、被害状況も相当ひどいものになりそうだ。悪い予測はしたくはないが、東北、関東各地からの悲報が相次いでいる。現地救済活動の進行につれて被害の実態が明らかになりつつあるが、想像を超えたものになりそうだ。犠牲者は阪神大震災をはるかに超えたものとの情報も不確実ながら入っている。

 13日、読売新聞は「特別夕刊」を配達した。それによると、地震規模が引き上げられたことのほかに、全体で数万人の安否が確認できていないことなどが報じられていた。更に、福島第一原発の3号機も前日の1号機と同様に給水機能が失われ、炉心溶融の危険性があることが伝えられている。

 昨日も終日にわたり地震のニュースが伝えられた。テレビ各局は、ここまでの状況と地震対策に関する報道特別番組を組んだ。過去の地震対策のあり方が甘かったことや、津波に対する住民の認識が甘かったことが指摘された。同様に、津波対策も過去の災害経験や学者などの専門的な知見によったものとはいえ、不十分であったことが分かった。

 環太平洋沿岸部はどこの場所においてもマグニチュード9レベルの地震が発生する可能性があるが、日本はその例外でマグニチュード7クラスの地震しか発生しないとの神話が崩れ去った。自然災害は、学者の想定を上回ることもあることを思い知らされた。

 そのことは地震・津波対策だけではない。原発の安全性に対する対策も不十分だったのではないかと思われる。原発には、突発的事象に対応して複数の安全対策が施されていた。しかし、今回の地震ではそれらすべてがうまく機能しなかったことから、昨日までに190人ほどの被曝者を生じさせてしまっている。

 悲報は更に続く。今日の朝刊によれば、岩手県の大槌町で行方不明者が1万人に上っていることが報じられた。また、宮城県警本部長は、「県内の死者数が万人単位になることは間違いない」との見通しを明らかにしたことが伝えられている。

 また、福島第一原発3号機についても、第1号機と同様に水素爆発の恐れがあることが報じられている。1号機では爆発後、炉心格納容器に損傷がないことが確認されているが、3号機も大丈夫だとは断言できない。最悪の事態にならないことを祈るばかりだ。

 今後、3日以内にマグニチュード7規模の余震の発生する確率が70%との予測も出されている。被害がこれ以上大きくならないことを心から願っている。

 人命救助活動について、余震と津波発生の危険性があるため現地状況の把握と救済がなかなか進まなかった。地震発生から2昼夜が経過した昨日午後あたりからようやく本格的な救助活動に着手されたようだ。被災者の生命維持限界とされる72時間のタイムリミットは刻一刻と近づきつつある。自衛隊や消防団の方々には一刻も早い救助活動をお願いしたい。一人でも多くの命を救って欲しい。これは地震の被害にあっていないすべての国民の願いだ。

 救済活動や、これからの復興対策に向けては巨大な資金が必要になる。借金まみれの行政運営をしていたツケがここに回ってきたことになる。弱り目に祟り目、泣き面に蜂だ。しかし、悪条件を嘆いていても仕方がない。政府は被災者の生活確保と被災地の復興対策に全力で当たるべきだ。

 民主党もいつまでもマニフェストの全面実行にこだわっているときではない。不要とされる予算執行をやめ、軽減している高速料金の復活などを地震対策資金に充当すべきだ。赤字国債の発行も今回はやむを得ないだろう。国家公務員改革も断行すべきだ。特に給与削減は避けるべきでない。浮かせた資金を復興に充てるとの決断は、国民の積極的な復興協力につながるだろう。

 野党も全面的に協力しなければならない。昨夜の首相のテレビでの国民への呼びかけのとおりだ。わが国にとって戦後最大の危機と捉えたのは正しい判断だ。挙国体制でこの難関に立ち向かう必要があるだろう。

 近畿2府5県で構成する近畿広域連合も独自に支援活動を行うことを決めた。円滑な復興を図るため、各府県は支援する対象県を分担することにした。京都、滋賀は福島県を支援。大阪、和歌山は岩手県を、兵庫、徳島、鳥取の各県は宮城県を担当することになった。

 すでに大阪府は広域連合が分担を決めた昨日(13日)に、4トントラック3台に水や非常食などの物資を積み、岩手県へ向け出発している。

 また、大阪府議会民主党会派は、今年4月から1年間、3割カットすることを決めている議員報酬に見合う額を被災者支援と被災地復興に充てるよう、知事と各会派に求めていくことを決めた。今日開かれる議会運営委員会の理事会で提案されることになっているようだ。全会派一致で支援決定してほしいものだ。

 私たち国民は、何でもできることから協力していこう。企業の一部には自主的に支援策を打ち出してきたものがある。パナソニック、サントリー、ハウス食品、日清食品、大和ハウスなどは支援物資を提供。三菱UFJ、三井住友、りそな銀行、住友信託銀行ほかからは多額の義捐金が寄せられた。

 私たち住民も負けてはいられない。手始めは「節電」だ。東電管内の電力需要に対し、供給は約25%に当たる1000万キロワットが不足すると見込まれている。電力は近畿や中部など、他の電力会社管内から送電できるから、東電の電力不足をいくらかでもカバーできるだろう。蓮舫議員の昨夜の呼びかけに応えていこう。また、東電の実施する計画停電にも不便はあるだろうが、協力していこう。

 また、被災者の救援には資金が必要だ。できる範囲での義捐金協力をしたい。被災者のおかれる状況に比べれば、私たちの少々の不便や我慢は何ほどでもない。被災者の皆さん方が一日も早くもとの生活に戻られるよう、被害にあわれなかった皆様のご協力をお願いしたい。

未曾有の大災害に

2011年03月13日 | 日記
 東日本の巨大地震から一夜明けた12日、マスコミは終日、その詳報を送り続けた。ヘリからの現地レポートは、巨大地震と大津波の傷跡を生々しく伝えてきた。

 臨海部のガスタンクの爆発炎上による大火災、津波による廃墟と化した市街地、残された建物の屋上で救出を求める人たち、寒風に晒され家族の安否を祈る避難民、繰り返される火災や津波の録画映像。どれも目を覆いたくなるような悲惨なものばかりだ。

 観測史上最大規模の地震は巨大な爪あとを残した。私たちの経験した阪神大震災を超える未曾有の大災害になっているのではないかと危惧される。

 南三陸町の住民1万7300人のうち、約1万人が行方不明になっていると報じられているからだ。それらの方々が、あの巨大な津波によって海中に引きずり込まれたものであるなら、生存の可能性はかなり低くなる。避難はしたが、どこかで孤立状態になっているのだと思いたい。

 火災の被害も大きい。気仙沼市街を始め、東北各地で広範囲に及ぶ火災がテレビで何度も放送されている。風に流される黒煙、白煙は広範囲に及んでおり、地震と津波から逃げ出すことができた人々をさらに苦しめることになったのではないか。

 そして、昨日午後には恐れていた原発の被害が現実のものになった。東京電力福島第一発電所1号機で爆発事故が生じたのである。同機は冷却水減少に伴う原子炉内の温度上昇のため、炉心燃料の溶融が進み、放射性物質が外部に飛散していることが確認されていた。

 そこへもってきて、午後3時36分頃に建屋付近で爆発が起こった。テレビ画面でも、上空へ一瞬で移動する爆風と、それに続く発電所一帯を隠す白煙の状況が反復して流された。煙が流れ去った後には、1号炉の建屋骨組みが剥きだしになっている様が見て取れた。広島の原爆ドームを脳裏に描かれた方もおられるのではないだろうか。

 2時間あまりが経過してから官房長官などの状況説明があった。懸念された漏洩放射線量は、爆発前の毎時1015μシーベルト(人が1年間に浴びる許容放射線のほぼ限界量とされる)から70.5μシーベルトに減少した。また、政府は炉心溶融に伴う放射能被曝の危険性を回避するため、1号原発付近住民をそれまでの半径10キロ圏域から20キロ圏域外に避難させる措置をとった。住民の健康被害を避ける意味では適切な処置だっただろう。

 原子炉格納容器が破損していないことも報じられ、最悪の状態は避けられた。

 経産省原子力安全・保安院は、1号機で放射能漏れが生じており炉心燃料が溶融している可能性があることを指摘した。東京電力は最悪の事態を避けるため、炉内に核分裂を抑制するホウ酸と海水を注入することを決め、政府に伝えた。廃炉覚悟の措置とされるが、周辺住民の安全を確保する上からは適切な判断だったといえるだろう。

 放射能被害は最小に食い止められそうだが、一方で残念なことに同原発から3キロほどのところにある双葉厚生病院の患者と職員90人あまりが被爆した可能性が報じられた。それらのうちの3人について検査をしたところ、3人とも除染が必要なレベルの被爆をしていることがわかったからだ。

 (今回の原発事故は、国際原子力機関が定めている8段階 (レベル0から7まで) の評  価尺度のうち、レベル4に当たると評価された。ただし、今後の経過しだいではそ  れ以上になる可能性もある。世界的な原発事故では、1986年のチェルノブイリ(旧  ソ連)原発事故が最悪でレベル7。1979年の米スリーマイル等で生じた原発事故がレ  ベル5とされている。

  事故評価もさることながら、心配されるのは被曝事故を理由として国内での反原発  運動が活発化することだ。わが国の総発電量のうち、原子力によるものが2割を超  えるに至っているからだ。反原発を唱えることはたやすい。しかし、資源を持たな  いわが国が代替エネルギーを何に求めるかの答えがなければ、そのような運動は混  乱を生じるだけだ。)

 今後、救助活動が進むにつれて被害状況も拡大していくことだろう。私たちは直接には何もすることができないが、せめて一人でも多くの方が速やかに救助されるように、また、被害がこれ以上大きくならないよう心から祈りたい。

巨大地震対策を急げ

2011年03月12日 | 日記
 11日午後2時46分、三陸沖を震源とする巨大地震が発生。東北地方から関東にかけての広範囲が強い揺れに襲われた。震度は国内での観測史上最大となるM8.8を記録した。震災地ではその後もM6以下の余震が断続的に発生しており、地震の危機は去っていない。気象庁は、この地震を「東北地方太平洋沖地震」と名づけた。

 内陸部では今回の地震との直接の関係はまだ分かっていないが、新潟県や長野県でもM6規模の地震が発生していると伝えられている。

 地震発生に伴う津波の影響も甚大で、宮城県、福島県、岩手県の沿岸部が壊滅的被害を受けたことが報じられた。昨日午後からのテレビ放送でも、巨大な津波による被害の模様が反復して報じられていた。また、津波の後に発生した火災の影響も甚大で、気仙沼市の東西及び南北とも数キロメートルに及ぶ広範囲が炎上したのを始め、多くの地域で火災による被害が生じた模様だ。

 死傷者も今日未明の段階で1000人を超えたとされ、その数は救助活動が進むにつれて増えていきつつある。午前8時には1100人を超えたとのニュースもあり、今後、死者、行方不明者ともにその数を増していくものと思われる。

 被災地から離れたところにお住まいの親戚や友人あるいはお仕事の関係者の方々には、被災地におられる方と連絡が取れない人たちもたくさんおられることだろう。皆さんそれぞれに心配され、その無事を祈っておいでのことと思う。私たち関係者の中にも身内の者と連絡がつかない者がおり、安否を気遣っている。一刻も早く「無事」であることの連絡がつくことを願ってやまない。

 地震のその後だが、余震と津波の危険は去ったわけではない。余震のニュースは断続的に入ってきているし、太平洋沿岸のほぼ全体に津波警報が発令されている。引き続き警戒が必要だ。救援活動や復旧対策活動に従事される方々の安全を願わずにはいられない。

 私たちには直接の救援活動はできないが、募金などでの支援を行いたいと考えている。また、被害にあっていない自治体には積極的な支援をお願いしたい。大阪府や大阪市も被災地へ投与できる人材をできるだけ早く派遣して欲しい。地震災害時の人命救助は初動の早さにかかっているからだ。

 また、複数の地域で集落全体が壊滅的被害にあっていることが報じられている。助かった方々に必要なのは第一に衣食住だ。現地では生活関連物資が不足しているとも伝えられている。大阪府や市に災害用としてストックされているものがあれば直ちに提供されるようお願いしたい。

 政府が災害対策関係法に基づき緊急災害対策本部を設置し救援に当たるのは当然だが、被害にあっていない他の自治体も可能な範囲で支援を行うべきだろう。橋下知事から支援活動への意思表明が出されれば、他の自治体のそれにも一層弾みがつくのではないか。

 財政危機のもとにある大阪府が人的・物的支援に積極的であれば、他の小規模自治体へも支援の波が及ぶことにつながるからだ。私たち府民は、大阪府がそのような対応をされることを積極的に支持する。そのために若干の負担が生じたとしても、それは無条件で受け容れていきたい。

 阪神大震災を経験した私たちは、被災地住民の皆さん方の無事と一日も早い被災地の復興とを願っている。

民主党・土肥議員は辞表を書け

2011年03月10日 | 日記
 報道によると、民主党の土肥隆一衆議院議員は韓国の国会議員とともに、「日本が竹島の領有権主張を直ちに中止する。」との共同宣言文に署名したと伝えられた。土肥氏は、日韓キリスト教議員連盟の日本側代表として訪韓した。その際、韓国側議員から渡された共同宣言文に署名したとされている。

 この件につき土肥氏は、「竹島は日本の領土との認識に変わりはないが、日韓双方の主張があり、韓国側の主張にも納得できる部分もある。」と述べている。

 これが事実だとすると、とんでもない話だ。土肥氏は、竹島がどのような経過で韓国の支配下に置かれたのかをご存じないのだろうか。竹島を本籍とする日本国民が存在すること、最近新たに竹島に本籍を移された方が存在することを知らないのだろうか。竹島の領有を巡ってわが国が外交上、どのような対応をとってきたのかを国会議員として見てこられなかったのであろうか。

 このような意思表明が、外国に実効支配されている日本の領土の返還にどれだけ悪影響を及ぼすことか、土肥議員は分かっておられないのだろうか。自民党・大島副総裁の批判の言葉を借りるまでもなく、「日本の主権を否定する行為で、国会議員としてあるまじき、恥ずべき行為」であるのは間違いない。

 問題はもう一つある。この情報を受けた菅首相は、官邸において「大変遺憾に思う。竹島は日本固有の領土であり、その立場は全く変わらない。」と語っただけなのだ。この人には国家の指導者、運営者としての認識が無いのであろうか。どうも民主党政権に変わってからというもの、政府からは領土を守るという認識がスッポリと抜け去ったようなのだ。

 外交に未熟というレベルではない。所属する国会議員が素人以下の言動しかできていないのだ。また、それを戒めるだけの発想も能力も、そして指導力も首相には欠けているようなのだ。このような状態が続く中で首相がその地位に固執されるのなら、このような議員の処分を厳しく速やかに行うべきであろう。また、民主党は土肥議員を除名し、辞職勧告をすべきだろう。その位の対応が党としても必要なのではないか。

 いや、それよりも以前に土肥議員は辞表を書くべきだ。自らの行為が国益をどれだけ損なうことになったのか、そのことへの正しい認識があるのなら議員バッヂをつけてはいられないだろう。私たちは、土肥氏が国会議員の職に居座り続けるほど厚顔無恥であるとは思いたくない。

絶大なる維新の会効果

2011年02月27日 | 日記
 橋下大阪府知事が率いる『大阪維新の会』。その存在感が日ごとに大きくなりつつある。

 並み居る官僚たちの抵抗をものともせず大阪府政改革をほぼ完全にやってのけた橋下知事の政治活動に賛同し、結集された政治集団。それが大阪都構想の実現に向けて取り組んでいる大阪維新の会だ。

 むろん、維新の会は大阪都構想実現に向けて取り組んでいるが、それだけではない。日本の政治で一番改革が遅れている「議会」の改革にも取り組んでいる。

 維新の会の提案は、「議員定数の削減」と「議員報酬の是正」が大きな柱。現在開催されている大阪府議会では、月額93万円の議員報酬の3割カット案を他の会派に先駆けて提案した。4月からの実施を目指している。

 これに対し、『改革』を維新の会の専売特許にしたくない府議会各会派は、維新の会に『右へならへ』とばかりに『議員報酬3割削減案』を提示してきた。民主、自民、公明、共産といった府議会の主要会派だ。

 そればかりではない。会派の中には議会内での存在感を示し、近づく統一地方選をなんとか乗り切ろうとばかりに、月額59万円の『政務調査費』についてもカットを提案するところが現れた。民主党と共産党が15%カット、公明党にいたっては50%カットを提案している。

 在職4年目に入った橋下知事の人気が依然として非常に高いこと、その知事と改革を進めていこうとする維新の会への大阪府民の期待が高いことが、既成政党に存亡の危機感をもたらしている。

 まさに、橋下改革が生み出した維新の会が、地方政治を改変する大きな存在になりつつあることを示す好例といえるだろう。橋下改革を更に推し進める上で、維新の会の存在は既存政党にいやでも改革推進派の姿勢をとらせずにはおかない、言わば「維新の会効果」とでもいうべきものをもたらしている。

 並み居る主要会派にとって一縷の望みといえば、維新の会への府民の支持・期待が橋下知事へのそれほどではないことだ。しかし、うかうかしていると府議会議席の過半数確保をも現実のものにされかねない。ここは黙って指を銜えているところではない。議会改革に腰の重い既存政党も、既得権益を死守するための知恵ならば働くようだ。

 しかし、私たち府民は既存政党に騙されはしない。維新の会に対抗して提出された議会改革案は、可決するためには少なくとも主要3会派の賛同が必要になる。一本化できなければどの案も否決され、結局廃案になってしまう運命をたどることになるからだ。

 既存政党は、それを見越して提案してきているようだ。何故なら、自民、民主、公明のカット案は、いずれも1年の期限付きとなっている。仮に思惑はずれでカット案が成立した場合でも、カットの継続案は提出せずに現状に復活させることを目論でいる。最悪のシナリオでも1年間の辛坊をすれば良いことになる。

 私たち府民は、こんな既存政党のまやかしの提案を受け入れるわけには行かない。府議会で決めることができないものである以上、いや、仮に一旦成立したとしてもすぐにひっくり返されてしまうような提案をする政党を信じることはできない。

 そのことは、国政において既に確認してきたばかりではないか。改革はおろか、まともな国政運営もできなかった既存政党。それを糺すために期待して政権を委ねたものの、見事に期待はずれに終わってしまった現政権。国政と地方政治は異なるものと主張しながら、少しも地方から改革ののろしをあげることができない既存政党の地方支部。

 国民は最早、恒久的な改革・抜本的な改革を推進する新しい政治勢力にしか期待できなくなっているのだ。その現われが東京であり、大阪であり、名古屋なのだ。私たち大阪府民は、『維新の会効果』にぬか喜びすることなく、2ヵ月後に迫った統一地方選挙で改革の流れを確固たるものにしていこうではないか。

平松市長のジレンマ

2011年02月23日 | 日記
 橋下大阪府知事から大阪都構想についての公開討論会を求められている平松大阪市長は、昨日、22日の市議会本会議において大阪維新の会所属の坂井議員から「公開討論会に応じる気はないか」問われた。

 これに対し平松市長は、「政治グループの代表(橋下知事)と膝を交えて公の席で話し合う必要はない。」と述べ、改めて公開討論に応じる気がないことを表明した。

 本会議後の記者会見でも、「維新の会は、(大阪都構想を) 政治闘争化したがっており、みすみすそのステージには乗らない。」ことや「知事は人気が高く、都構想にみんな乗っていく。「ハーメルンの笛吹き」についていったらアカンと言わなあかん。」とも語っている。

 平松市長としては、在職3年余の市政改革実績が『不十分』と断定され、大阪府と大阪市の二重行政を解消する大阪都構想によらねば大阪の再生はないと断言する橋下知事との戦いを何とか互角のものにしたいところだろう。しかし、大阪市の官僚の言を受けて動く間は、本格的な改革につながらないと言える。

 市政改革に対する橋下知事の批判をかわすかのごとき区役所改革。区長の裁量予算の増額、区政会議の設置、小学校区単位の「地域活動協議会」、更には市長直轄の「地域活動支援室(仮称)」の設置などといった案は、いずれも官僚から示されたもので、市政改革の特効薬になりえるとは考えられない。ましてや国と政令市との関係を改革することにもつながらないだろう。

 橋下知事と平松市長とは、政治家としてよって立つべきポジションを異にしているのだ。橋下知事が政治家としての判断をもとに官僚を使いこなすのに対し、平松市長の政治家としての判断そのものは官僚の描く「ご都合図」の枠からはみ出すことができない。

 このことは、誰よりも平松市長自身がよく理解されているだろう。高い人気を誇る橋下知事とまともに遣り合うことは選挙結果に影響すると思えば得策でないことは明白だ。また、やりあったとしても、府政改革の実績と市政改革の実績とを比較されただけでも敗北は疑いのないところだ。

 かと言って、大阪市という巨大な行政組織を預かる身としては、幹部の言に耳を貸さないわけにもいかない。市政改革が前市長のときからの流れで進められているだけ、と言われたのでは平松市長の存在そのものが無意味なものになってしまいかねない。

 橋下知事と同様に戦いに打って出たいところではあるが、それはマイナス。さりとて、じっと指を銜えて我慢しているだけでも相手の主張を認めたことになってしまう。無論ここまできた以上、いまさら大阪都構想を肯定するわけにもいかない。

 「どうすりゃいいの?」というジレンマと、「もう、勝手にして !!」というあきらめの気持ちが平松市長の心を占めているのではないかと推察する。

 揺れ動く心を努めて平静に保とうとする平松市長の姿が目に浮かぶようだが、結果は2ヶ月先。大阪府民、大阪市民の判定は、橋下知事と平松市長のいずれに凱歌をあげさせるのであろうか。

橋下知事、『ツイッター攻撃』 2

2011年02月21日 | 日記
 橋下知事とツイッター。最初は単なる140文字での意志表示のツールとしてスタートしたかのようだった。初回から大阪市政の実態を暴露し批判した。

 2月1日に大阪市が広報誌に掲載した、実質的に大阪都批判ととれる記事に関しても、そうではないことを主張した。
2日目は、1日あたり最多回数となる107回ものつぶやきで、「府と市の二重行政の実態」、「市役所批判」「大阪都構想を論じるコメンテーターの不勉強批判」「維新の会が打ち出した案に対する市側の付け焼刃的改革案批判」を繰り広げた。

 3日目には、早くも、知事にはツイッターが単なる情報伝達だけの手段ではないことが理解されたようだ。この日のつぶやきの中で、「皆さんのおかげで、読売新聞関西インターネット版で僕が仕事を放ったらかしてTwitterやってるような誤解を与える記事の訂正をしていただけました。Twitterの威力って凄いですね。感謝。」 との呟きが聞かれた。

 仕事時間中に知事がツイッターをしていたかのような読売新聞の記事が、フォロワーを通じての働きかけで訂正につながったことから、ツイッターの情報伝達以外の機能を学んだということだろう。( 実は、私たちも知事のツイッターを読みながら、ツイッターの機能を少しずつ学ばせてもらっているのだが。) 

 この1回のつぶやき140文字を橋下知事は非常にうまく活用している。マスコミに対するコメントや記者会見での時間をかけた説明がほとんど記事にならないことを知事はぼやくが、ツイッターでは思いが100%伝えられることから、ほぼ毎日呟きが行われている。

 我われも新聞やテレビ・ラジオなどで知事の考えを知ることができるが、それらは知事発言のほんの一部であったり、マスコミに加工された情報だったりするため、知事の主張の全体を把握することができなかった。( もちろん、ブログの記事でも良いのだろうが、ブログ掲載には少し時間がかかる。)

 ところがツイッターではリアルタイムで情報が流れてくるため、常に知事とともに行動しているような臨場感あふれる情報に接することができる。

 もう一つ。橋下知事のツイートの中で、官僚批判、議員批判、政党批判、御用学者批判が出てくるが、それらは我々一般府民が知らなかった事実ばかりで、知れば知るほど既得権益を守ろうとする姿ばかりが浮き彫りにされて来ることに驚かされる。

 バブル経済がはじけた後の『失われた20年』の間、民間人が必至になって経済と生計の建て直しに追われてきていたのに比べ、彼らは何をしてきたのか。うすうすは分かっていたというものの、知事の言葉で明確に知らされると、やはり怒りの気持ちが湧き上がるのを抑えることができない。

 いつまでも本気で改革をしないのは既得権の維持のためだけだとは言わないまでも、住民本位の政治や行政が犠牲にされていることが、世界から取り残され借金まみれの行政に落ち込んでいる要因であることは間違いないだろう。

 そこを橋下知事は明快かつ鋭利に突いてくれる。既存政党、議員の能力の限界も住民にはよく理解できるようになっただろう。政治家と官僚の役割分担も本来どうあるべきなのかなど、分かりやすい説明が次々に示されてくる。民主党の議員が主張していた『政治主導』がその名に値しないものであることも明白となった。

 橋下知事の魅力は、それら批判の鋭さだけではない。将来に向けて、既存の政党や議員、官僚たち、そして我々住民に対し、「あるべき行政、あるべき政治の実現に向けて、一緒に突き進んでいこう」との呼びかけをしていることだ。今日までの敵が明日以降も敵であってよいはずがない。同じ国民であり、同じ大阪の住民なのだ。身内同士で反目しあっていては、これからの少子高齢化社会はもとより、国際社会との競争からも取り残されてしまいかねない。

 論語には「過ちを改めるにはばかることなかれ。過ちて改めざる、これを過ちと言う。」との教えがある。過ちを犯している者も、その過ちを改めることができたならば、後は互いに仲良くしていくことが大切になる。橋下知事は、それを実践しようとしているようだ。

 大阪の行財政を再構築し、その勢いを全国の地方の改革に向けていくことができるならば、橋下知事の行う批判攻勢は大歓迎だ。ツイッター攻撃の手を緩めることなく、現状温存派を徹底的にやっつけて欲しい。更に、知事はツイッター利用を2ヶ月限定と言われているが、大阪都の実現を見るまで継続していただくことをお願いしたい。

橋下知事、『ツイッター攻撃』開始 1

2011年02月20日 | 日記
 今月1日からツイッターを始めた、橋下大阪府知事。今日2月20日午後6時現在での「つぶやき回数」は719回に上った。その主張の面白さと分かり易さから、フォロワー数も8万6217人に上っている。毎日2000人近くがフォロワーになっている勘定になる。

 ツイッター開始から僅か20日。「つぶやき」なしの日が4日。16日は何かをつぶやいており、一日平均つぶやき回数は44.9回。1日の最多つぶやき回数は開始直後の2日に107回を記録。昨日19日は2番目となる95回つぶやいた。
多数からフォローされている橋下知事だが、フォローするターゲットは依然としてたった一人。平松大阪市長に絞られている。

 内容は、無論自らの政治に関するものだが、反対意見に対してもつぶやきは行われており、大阪都構想に反対の意思を表明する平松大阪市長にも向けられている。平松市長には構想の是非や今後の大阪のあり方についての考えを明白にするため、ツイッターでの討論会をしようと呼びかけられた。しかし、平松市長が「ツイッターという手段は双方の意見を交わす場としてふさわしくない」と拒否を表明。

 その一方で、「大阪都構想についての大阪維新の会の説明が不十分、中身がない」などとの批判を展開してきた。平松市長のその反論に対し、ツイッターの中では、大阪市政の実態を批判する内容や、橋下府政に関する批判への知事の反論が展開されている。

 平松市長との直接対決を橋下知事が本気で望んでいることは、次のツイッターの内容からも窺うことができる。18日に行われた各党の代表者によるシンポジウムの席上、民主党の梅村参議院議員が聴衆の前で「知事と平松市長の直接対談を設定する。」と確約。統一地方選挙前に実施するとの方向で、大阪JCが仕切りをやることになった。知事と市長の直接討論を望む声が圧倒的で、会場は大拍手に包まれた。統一地方選挙前に橋下知事と平松市長の討論を聞きたいと願う府民、市民の意向を汲んでの梅村議員の約束だったようだ。

 橋下知事も、梅村議員のこの計らいに対し、「流石、政権与党です。府民・市民の皆さん、政権与党の力を信じましょうね!」 と、持ち上げた。更に、しばらく時間がたってから、 「今テレビのニュースで、民主党梅村議員が、僕と平松市長の統一地方選挙前直接討論会のセッティングを確約したシーンが流れていました。うれしいです。政権与党、そして平松市長と一体の民主党が約束してくれたのです。府民の皆さん、この件は民主党を信用しましょうね。ワクワクします!」 ともつぶやいた。

 ところが翌日になって、「民主党危機。梅村参議院議員は、公衆の面前で僕と平松市長との直接会談を確約したにもかかわらず、早くもあれは個人的見解だったと。個人的見解??そんなのありですか?だって各党の政策討論会に民主党の代表として来られたのですよ。民主党お得意のパターンですか?政治不信がピークになりますよ。」 との知事の悲嘆の呟きが流れた。

 梅村議員が昨日の「知事―市長討論会開催の約束」を無かったことにするような発言をしたためらしい。知事は梅村議員に対し「政権与党であり平松市長には指示命令できる関係なんでしょうからお願いします。」と依頼する一方、「僕と平松市長の直接会談ぐらい設定できずに、大阪の何を変えると言うのですか?日本の何を変えると言うのですか?大阪の民主党に対する大阪府民の怒りはボルテージに達しますよ。たかだか、知事と市長の直接会談。これぐらいも政権与党はできないのですか?」と、梅村議員の無責任さを叩く。

 橋下知事のつぶやきは、「大阪都構想について」、「大阪市・堺市の各市政と議会への批判」、「地方自治制度のあり方について」、「既存政党批判」など、広範囲にわたっているようだが、その焦点は「大阪都構想実現の必要性」に絞られている。詳しくは、橋下知事のツイッター(ブログ形式で時系列的に読むことができるツイログ「http://twilog.org/t_ishin/asc」) でご覧いただくことをお勧めしたい。知事の考えと熱意が皆さん方の心に伝わってくるはずだ。

 この原稿を書いている今、橋下知事の最後のつぶやきを覗いて見ると、それはやはり平松市長に向けられている。すなわち、
「今、大阪都構想について、中身がない具体性がないとそれだけを主張されているのは、平松大阪市長のみとなってしまいました。総務省でも大阪市の在り方について検討が始まります。全国でも都市の在り方について議論が始まります。平松市長、これからどうされるのかな?」 と、大阪市幹部の声を頼みの綱にしているかのような平松市長を思いやるような余裕のあるつぶやきになっている。

橋下知事、総仕上げの予算発表

2011年02月15日 | 日記
 任期最終年度を迎えた橋下大阪府知事は、14日、平成23年度予算案を発表した。一般会計予算の総額は、3兆2417億円。各種基金への償還額を除いた実質ベースでは対前年比で0.4%の減となり、3年連続で赤字予算を回避した。

 橋下府政総仕上げの予算案は、過去2年間に橋下知事が取り組みたくても予算措置できなかった政策への手厚い配分が見られ、いわば『橋下カラー』を前面に押し出したものといえるだろう。

 特に教育関連予算の充実が目立っている。英語教育の強化策として、英語検定試験の成績優秀校上位50校に総額で4億6千万円を計上。教員270名を海外の学校に派遣し、海外の教育現場の視察研修を実施する。また、公立中学校の給食完全実施を目指し、給食を導入する市町村に5年間で246億円の補助を実施する債務負担行為も盛り込んでいる。

 私立高校の授業料無償化では対象を拡大し、111億円の予算を計上。児童虐待対策費として15億余円を計上している。部活動などで実績を上げた学校に対する助成金は直前までの5000万円から2億円に引き上げる修正も行われた。なるほど橋下カラーが溢れてきていると感じられる予算構成だ。

 知事の言葉を借りるなら、『就任3年で、府財政は見違えるほど良くなり、ようやく教育に力を入れることができた。予算を入れるべきところにはどんどん入れていった。過去3年間の僕の集大成の予算だ。』ということになるだろう。

 「自転車操業だった就任当初から隔世の感がある。こういう状況になってから知事になりたかった。」とも語った。しかし、順風の中では橋下哲学や橋下美学が生かされなかったかも知れない。

 今回の予算は、ラグビーで言うなら、ラックからモールで踏ん張って、取り出したボールを敵陣に向けパントをあげた状況だろう。逆境を耐え抜いて、既存の動かない変革しようとしない敵集団の陣営に砲弾を撃ち込んだのだ。

 頭のスイッチの切り替えができていない既存政党や府幹部の一部からは、「統一地方選挙に向けた対策だ」とか、「府民受けを狙ったバラマキ」との冷やかな見方も報じられているが、そうではない。若い世代が政治にあまり関心を持っていないため、「子供に予算を使っても票にはつながらない」と、知事は冷静な判断をしている。また、バラマキ批判は、子供手当のように還流しない(つまり効果の薄い)予算執行の場合にあてはまるもので、橋下予算には当てはまらない。

 既存政党が批判的に活動するのであれば、橋下知事が目指す公立中学校の給食完全実施が実現するよう、市町村に対し給食を導入するよう求めていくことだろう。話せる英語教育の実現なども、教育の質とレベルを上げるものとして積極的に推進するよう教育界に働きかけて欲しいものだ。

 「子供が明るく笑うことのできる府政運営」。それこそが橋下知事の目指す政治だ。知事はようやく自分の描いてきた府政運営を予算の中に盛り込むことができるようになった。次は、その予算が子供たちを、そして多くの府民を幸せにすることができるよう、府職員の皆さんに頑張って欲しい。また、府議会の皆さん方にもより良き府政の形成に向けて協力をお願いしたい。