11月に新しく始めた事の一つに「古本屋」の開店がある。
といってもAmazonのマーケットプレイスのネット上での出店であるが。
無類の本好きの亭主がいるために、床補強のやり直しをしなくてはいけないぐらい本でいっぱいになる。これが、夫婦喧嘩の原因になることがしばしば。
そこで、こわい奥さんに無理やり 「BOOK-OFF」などの中古本屋で大量に売って処分して来いと指図される。中古本屋は古本とは価値観が別なので、処分した後は、亭主はかならず不機嫌になり、「ア~ア、この本はとても面白いのにな~。」「あ~あ、あの本にはいい事が書いてあったのにな~。」「あ~あ」「あ~ぁ」「ぁ~ぁ・・・・」と元気がなくなってしまうのが常であった。
今までに数百キロは処分した。本当に悲しかった様だ。
確かにかわいそうな亭主であったが、落ち込んだ亭主をまた元気付けるのも面倒であるし、これからも増殖し続ける本と格闘し続けなくてはいけないかと思うと、もう厳選しかたづけていく気力は続かない・・・と妻は思った。
そこで、決心したのがAmazon マーケットプレイスでの古本販売。
いざ、はじめていみると、このe-コマースのシステムの仕組みが良くできている事に感心するばかりである。
売り手も買い手もアマゾンも三者それぞれ納得し、みんな得した気分になり売買がスピーディに成立するのである。商品の登録も購入もとても簡単、安心、納品書の印刷までしてくれる。在庫管理も入金管理もアマゾンのシステムに乗っかっていれば、自動的にリストアップされている。
オークションではないので、自分で売価を設定するのであるが、実に良心的な金額にしている。読みたい人にはタダで譲ってもよいと考えている亭主なので、儲けよりも、次の読み手が決まる事の方がうれしい。発送先の住所や名まえから相手を想像するだけで世界が広がる。亭主もにこにこ。
このシステムを作った人は本当に頭が良い!これくらい頭の良い人が集って、今、巷で大騒ぎしている給付金の配布の仕方を考えてくれていたらと思う。給付方法を丸投げされた自治体は不満らしいが、これをチャンスと捕らえて自分たちの頭を絞って考えれば、力が発揮できて、やりがいがあるだろうに。
介護保険制度や年金制度にしたって、いざ使おうとするとあちこち不具合が発生しているけれど、頭の良い人たちから見たら、「最初にちょっと考えればわかりそうなものをバカじゃないの?」と笑っているに違いない。
さてさて、亭主の古本は毎日1冊2冊と順調に売れていく。
「今日は、どの本が売れましたか?」という質問が夫婦の会話に加わった。
妻は事務的に本の重さや厚さを計り、ゆうメールにするかメール便にするかを考え、介護訪問の合間・合間に発送していく。週末になるとまとめて商品をシステム登録していく。
先日、売り上げが1万円を超えたので、よっしゃ~っと、家族4人で居酒屋で飲み食いして、楽しんだ。
ゴミにされない古本もその著者も、クロネコヤマトも郵便局も居酒屋もうれしい結果である。
古本の売り上げは、妻の預金口座に振り込まれている。実は妻が一番うれしい。