美術館ファンに ひそかに高く評価されている美術展 『尼門跡寺院の世界』東京芸大美術館に行ってきました。
皇女たちの信仰と御所文化 尼門跡寺院の世界
まさに「見てはいけない世界を垣間見る」感じです。
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日本の古都、京都・奈良には今でも13ヶ寺の尼門跡が残っています。 尼門跡とは皇族・公家など、高貴な女性の入寺によって営まれてきた独特な品格を 持つ寺院で、わが国が世界に誇れる文化遺産です。 これら尼門跡の開山・中興の尼僧たちの生活と信仰に焦点を当てながら、そこで培われ、 伝えられてきた伝統文化を紹介します。
古くは7、8世紀の時代の尼寺に始まり、江戸時代には皇室とのゆかりによる「御所文化」が 育まれ、独特な宗教儀礼や信仰生活が形作られました。本展は、京都・奈良の尼門跡寺院である、 大聖寺、宝鏡寺、曇華院、光照院、円照寺、林丘寺、霊鑑寺、中宮寺、法華寺、三時知恩寺、 慈受院、宝慈院、本光院に関連する作品、180余点にてその世界を紹介いたします。 |
10歳になる前に皇女は尼寺に入門するそうです。
祭祀・儀礼に使われたと思われる道具・仏像がすべて一風変わっているように感じられます。こんなのみたことな~い。という儀礼道具がいくつもありました。
例えば、二段の物干し竿に小さい箱がたくさんぶら下がっていて、その箱の扉を開けると仏像が一体づつきちんとおわします祭壇(?)。なぜにぶら下げるのでしょう?
そのほかの祭壇も「現代アート」に通じるものばかりで、精神性を強く感じます。
お姫様道具とはまた違い、自由奔放さや大胆な感じは受けないけれど、妙に惹かれる意味深で精巧なつくり・デザインのものばかり。
皇女たちが出家して『信仰』の世界で生きていくのは、一般人の表立った「信仰」とは違って、日本国の神秘の世界を継承していくための皇女に任せられた大切なシステムなのではないかと思われました。
詳しいことは、厚さ5センチはありそうな図録を読めば、秘密が少しは明かされていそうです。が、高価なのと重いのとで購入せずに帰宅。帰宅してから「やっぱり図録が欲しかった」と後悔。
展示物の保存の状態が大変よく、尼寺できちんと儀礼が営まれ、きちんと仕舞われて、きちんと受け継がれてきたのが想像できて、なんだか、とてもうれしい思いがします。
期待どおりのものを拝見させていただきました。
表立たないところで、女性こそが儀礼の継承者として大切な役割をはたしてきたのではないか。現在も皇后様もそのおひとりであろうか。とまで思い至った私です。
学術的には何の知識もないままに 拝見させていただいたので 的外れの感想かもしれません。
いつもの友人が「私は尼寺に入門しようかと思ったことがある。」と告白。じつは、自分も独身のころ、同様に思ったことがあります。今、この展覧会を見て、妙に惹かれている自分達。あぶない、あぶない。世俗を捨てて、尼寺へ。
と、その後、芸大「春コレ」をみて、頭がいきなり雑多になり、あぶない気分から引っ張り出されてしまった。これ、芸大のワザとの展示の組み合わせ?私達のように「尼門跡寺院の世界」に魅入られた人を現実世界に引き戻すためのリハビリ展示としか思えない。「春コレ」も名品がたくさんあったんだけどね。
美術館の横にレストラン、その下に学食。学食で肉詰めピーマン定食(550円)を食べた。多すぎたので友人に少し手伝ってもらい完食。
さらに、同敷地内での「資生堂・サントリー商品デザイン展」へ。
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資生堂とサントリー両社が創業以来現在まで、1世紀以上に渡り発表してきた数々の商品をデザインの側から光を当て、この機会に一堂に集めて概観します。来場者の方々にはデザインがいかに私たちの生活と密接に結びついているかをぜひ確認して頂きたいと思います。
商品デザイン展のほうは、若い人が大勢きていました。芸大のコメントどおり「デザインが私達の生活と密接に結びついている」こと、改めて確認できました。
ここで、帰路につけばいいのに、もうひとつ「国際こども図書館」にも足を伸ばしてみる。「野間国際絵本原画コンクール入賞作品展」をみてきました。
これは、グランプリの作品です。「切り絵」です。実際はもっと鮮やかな色で切りえならではの立体感があります。
グランプリ 「ナディとシャオ・ラン」ウェン・シュウ(コスタリカ)
この日の感想は、「上野に住みたい。」「もう、住んじゃえ。」「前向きに上野移住」の友人と私でした。
(ここまで、読みきってくださった方、ありがとう。です。)