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クック諸島、ニウエ、トケラウ
世界・旅行
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2014年08月31日
日本と国交がない、承認していない国として以下の国々が挙げられる。(国際連合加盟国の1か国以上から国家の承認を請けている国家のうち)
中華民国(台湾)、 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、パレスチナ国、 北キプロス・トルコ共和国、アブハジア共和国、南オセチア共和国、マルタ騎士団、サハラ・アラブ民主共和国、ニウエ
各々について理由や考え方があるが、これは必ずしも永続的なものではない。例えばソマリアについて、1991年の内戦後の暫定政府を日本政府は国家として承認していなかったが、2012年8月に暫定政権の統治が終了して発足したソマリア連邦共和国政府を正式に承認することになった。
さて、2011年3月に日本はクック諸島を国家として承認した。この時の外務省の報道発表は以下のとおりである。
クック諸島の国家承認 - 外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/23/3/0325_09.html
1. 本25日(金曜日)の閣議で,ニュージーランドと自由連合関係にあるクック諸島を国家承認することを決定しました。
2. 今後,国際場裡における協力を含め,クック諸島との関係を強化していく考えです。
自由連合とは、対等な国家間で外交や防衛などの権限を委任する関係であり、「アメリカ合衆国 - パラオ・マーシャル諸島・ミクロネシア連邦」「ニュージーランド - クック諸島・ニウエ」の2例がある。
日本はアメリカと自由連合関係にあるパラオ共和国、マーシャル諸島共和国、ミクロネシア連邦について既に国家承認しているが、ニュージーランドと自由連合関係にあるクック諸島とニウエについては承認がなかった。クック諸島とニウエの住民はニュージーランドの市民権を持つため、国家の三要素の内「人民」を充たさず、独立国としての性格が曖昧であるという理由によるものだ。しかし、それではクック諸島を承認し、ニウエを承認しないのは整合性が取れないことになる。クック諸島が近年積極的な外交の働きかけを展開しており、承認する国が増えたからという環境によるもののようだ。
さて、クック諸島とニウエはともにニュージーランド王国を構成する自治領域であり、ニュージーランドと自由連合の関係にある。
ニュージーランド王国は、ニュージーランド、クック諸島、ニウエ、トケラウ、ロス海属領(南極)からなる。ロス海属領はニュージーランドが領有権を主張している南極の地域なので、総面積はニュージーランドよりも広いが実質的には基地だけである。
残るクック諸島、ニウエ、トケラウを間単に比較すると基本データは以下のとおりである。
クック諸島 (Cook Islands) 首都:アバルア 人口:10,447人(2013年) 面積:236 km2
ニウエ (Niue) 首都:アロフィ 人口:1,229人(2013年) 面積:260 km2
トケラウ (Tokelau) 首都:なし 人口:1,353人(2013年) 面積:10 km2
各々についてもう少し具体的に見てみると、クック諸島は面積が236km2で、世界で8番目に小さい国だ。南太平洋ポリネシアに点在する15の主要な島からなる。ニュージーランド本土からは2000km以上離れていてかなり遠い。クック諸島の国民はニュージーランドの市民権およびパスポートを持っており、ニュージーランド人としての権利を持っている。
2001年以降諸外国との外交関係の樹立を積極化させ、現在は国連に加盟する31か国およびバチカン、欧州連合と外交関係を締結した。
クック諸島政府公式サイトは以下のとおりで、とてもトロピカルだ。
http://cook-islands.gov.ck/
ニウエは面積が260km2。経済の低迷により、2000人程度あった人口は徐々に減少しているという。ニウエは世界最大のサンゴ礁の島で、海面上約60メートルに渡って石灰岩の断崖がそそり立ち、その地形がほぼ島全体を縁取っている。
主産業はパッションフルーツなどの農業だが、農地不足、水不足に加えてサイクロンにたびたび襲われる状況であり、ニュージーランドへ移住する住民が増加している。観光が期待されるが、魅力的な観光資源に恵まれず、またサイクロンにより国営ホテルが壊滅する被害を受けるなど、限定的となっており、外貨獲得手段として、切手の販売や、ccTLDのnuドメイン販売などを行っている。
ニウエは2007年に中華人民共和国、2012年にはインドと外交関係を樹立しており、この2ヵ国は独立国として承認している。
ニウエの概要や歴史については、以下のサイトにある放送 (歴史の授業) がとても詳しい。
世界一周!チラ見の世界史 ≪第030時間目≫ニウエの歴史
http://tabitabi-podcast.com/sekachira/?p=646
トケラウは面積が10km2で、これは独立国 (バチカン市国 0.44km2、モナコ公国 2km2)、保護領、自治領を含めて5番目の小ささになる。アタフ島、ヌクノノ島、ファカオフォ島の三つの環礁からなる。
ニュージーランド本土から4000kmも離れており、また空港がないので訪問手段は船しかなく、サモアのアピアから24~36時間かかる。
わずかに農業と漁業が行われているが、自給的なものが中心であり、そのため島内での民間雇用は厳しく、出稼ぎ者からの送金や仕送りに頼る部分が大きい。
地理的にサモアとつながりが深いため、例えば2011年にサモアが標準時の日付を1日進める動きに合わせ、トケラウも標準時を変更した。
ニュージーランドが国連からトケラウの自決権を認めるように求められているため、2006年と2007年にトケラウの住民投票によって自由連合へ移行が問われたが、60%(2006年)が賛成だったものの必要な2/3を満たせずに現状維持となっている。これは上記のような地理的、経済的な要因が大きそうだ。
このようにニュージーランド王国の3つの「くに」は、現状では 1. 認められた国家:クック諸島、2. 認められていない国:ニウエ、3. 自治領:トケラウ ということになるが、これは流動的であり、クック諸島のが認められた国家となったように、今後ニウエやトケラウのステージが上がることは充分に考えられる。そのための鍵となるのは経済であり、個人レベルでの観光や関心が「国家」の創造に繋がるかもしれない。今後の動きに注目したい。
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