
小惑星探査機「はやぶさ」の地球へ帰還した。この人類にとっての快挙により、未来を担う世代への宇宙への夢が膨らむことになれば、それはとても喜ばしいことである。
さて、我々の宇宙での立ち位置について確認しておこう。
我々は太陽系の地球に住んでいる。太陽系とは太陽および太陽の周囲を公転する天体と微粒子、さらに太陽活動が環境を決定する主要因となる空間から構成される領域のことで、現在確認されているだけで8個の惑星、 5個の準惑星、多数の太陽系小天体がある。
「はやぶさ」が降り立った「イトカワ」は太陽系小天体の小惑星である、
太陽系の天体の概要については以下のサイトが詳しく、またとても美しい。
科学技術振興機構 惑星の旅
http://jvsc.jst.go.jp/universe/planet/data/main/index.html
改めて各々の天体の大きさや位置関係を見ると、木星の大きさ、土星のリングの美しさ、冥王星の遠さなどを再認識できる。
太陽系についての認識は、地球が他の惑星と同様に太陽の周りを公転しているという地動説が受け入れられるようになった16~17世紀頃から始まったが、当時知られていたのは太陽と6個の惑星(水星、金星、地球、火星、木星、土星)、地球の衛星である月、そして木星の4個の衛星(ガリレオ衛星)のみだったそうだ。
その後約300年の間に、2個の惑星(天王星、海王星)、約20個の衛星、数百個の小惑星が発見された。
また2006年に惑星の定義の確定がされ、冥王星が惑星という分類から外れて「準惑星」に含まれることとなったことは記憶に新しい。
そして、現在我々地球人の宇宙の追究は太陽系の外に及んでおり、いくつもの太陽系外惑星が発見されるようになってきた。
太陽系外惑星 探査の歴史
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E7%B3%BB%E5%A4%96%E6%83%91%E6%98%9F#.E6.8E.A2.E6.9F.BB.E3.81.AE.E6.AD.B4.E5.8F.B2
太陽系以外にも惑星が存在するのではないかという考えは探査の始まる以前よりあり、20 世紀には太陽以外の恒星も惑星を持っているだろうということは常識として考えられるようになったが、長らく実証されず、専らフィクションの世界でのことだった。
探査の試みがなされるようになるのは、1940年代からである。現在認められている初の発見例とされているのは、1993年に発見されたPSR B1257+12というパルサーをめぐる3つの惑星である。ポーランドの天文家、アレクサンデル・ヴォルシュチャンによって発見された。
太陽系外惑星が発見されるようになったのがこの20年程度でしかないことはちょっと意外だが、その発見のペースは毎年早まっており、現時点で発見された太陽系外惑星は累積で400を超えているそうだ。
その中には太陽系の中では考えられなかった生命の存在が期待される惑星もある。それがグリーゼ581cだ。
グリーゼ581c
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BC581c
グリーゼ581cは、太陽系から約20光年離れた、赤色矮星グリーゼ581の周囲を公転する太陽系外惑星。
発見時は、ハビタブルゾーン内の軌道を持つ可能性が高く、生命が存在する事が可能な表面温度(推定0~40 ℃(32~104 °FF))を持つ岩石型の惑星(地球型惑星)と期待された。2008年には、仮にこの惑星の表面が75%以上の水の雲に覆われているならば、表面には液体の水が存在できる、とする論文が発表された。
グリーゼ581cが地球と同じような組成で出来ていると仮定した場合、直径は地球の約1.5倍、表面の重力は地球の2.2倍と推定される。
現在の無人探査機で到達しようとすると30万年程度の期間が必要になる。
アストロニュース 2007年4月26日 液体の水、そして生命が存在する可能性も―地球にとても「近い」系外惑星、発見
http://www.astroarts.co.jp/news/2007/04/26gliese581/index-j.shtml
学研サイエンスキッズ グリーゼ581c(Gliese 581 c)
http://kids.gakken.co.jp/kagaku/keywords/070514.html
グリーゼ581cの観測方法は、直接観測ではなく視線速度法が用いられている。これは惑星によって恒星が視線方向にふらついた時に起こるドップラー効果によるスペクトル変化を調べることで系外惑星を探す方法であり、これでは実際の質量を定めることができないという。
そのあたりも含めて、グリーゼ581cについてはまだまだ不明なことが多いが、グリーゼ581cは今後の宇宙への夢の主役となりえる存在だ。(もっとも今後他にもより可能性の高い惑星が出現するとは思うが)
人類の宇宙への目的は究極的には地球外の生命と遭遇することだろう。「はやぶさ」の帰還を第一歩として、地球外生命の可能性を追い求めよう。できたら生きているうちにそのビッグニュースを耳にしたいものだ。
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