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共立ミゼットダスター
文化・芸術
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2012年10月28日
工業デザインは、産業・工業において美しさやユーザビリティの追求をし、その結果として製品の商品性を高めることが目的であり、美それ自体が目的である美術品等とは異なるが、文化・芸術として捉えることができるだろう。
もともとは設計と意匠形状の設計は技術者が共に手掛けていたが、1920年代末から1930年代にデザインの優劣が製品の売り上げさえ左右することが次第に認識されるようになったそうだ。
商品の価値は機能だけでなく工業デザインによって高められる。そして工業デザインはその時代を映す鏡でもある。その意味で工業デザインに関するAwardの歴代受賞作品はとても興味深い。
日本では日本デザイン振興会が主催するグッドデザイン賞が、日本で唯一の総合的デザイン評価・推奨の仕組みとなっている。この賞の授賞点数は毎年1000点にのぼるが、大賞(1980年~)は投票によて選ばれる。但しこの賞は工業製品だけでなくビジネスモデルやイベント活動など幅広い領域を対象としている。そのため、2004年にNHKのテレビ番組「ドレミノテレビ」「にほんごであそぼ」や、2002年の札幌市・モエレ沼公園など工業デザイン以外の受賞も含まれる。
この賞の前身は1957年に通商産業省(現・経済産業省)が創設したグッドデザイン商品選定制度(通称Gマーク制度)である。当時、日本企業による外国商品のデザイン盗用が外交問題となっていたため、デザインの創造を奨励することで、盗用の防止を図ったのである。当初は審査員が自らデザインの優れた商品を探し集めていたが、1963年には公募形式になり、また当初は一部の工業製品のみが対象だったが、1984年には全ての工業製品が対象になり、その後建築や公共分野など幅広い領域を取り扱うようになっていった。
1998年に民営化され、それまでこの制度の業務を委託されていた財団法人日本産業デザイン振興会(現・公益財団法人日本デザイン振興会)が主催者となった。同時に事業名が「グッドデザイン賞」に変更された。
グッドデザイン賞のウェブサイトでは、1996年にGマーク制度40年を記念して開催した「時代を創ったグッド・デザイン展」の総合カタログをダイジェストで収録されており、ここで1957年~1996年の受賞作品を参照することができる。
Good Design Award Super Collection
http://archive.g-mark.org/40th/index.html
例えば、2010年の大賞はダイソンのエアマルチプライアーだが、これを1958年の富士電機(株) 扇風機 デルタ型Fan FDS-2557 と比べると、この50年での機能、そして工業デザインの進化を痛感する。
眺めていくと、歴代の受賞作品の中でカメラが多いようだ。技術革新のレベルが特に高い製品と言うことができるだろう。
1957年の第1回グッドデザイン商品選定制度の受賞作品はキヤノン L-1 だ。「外観デザインが当時としては近代的で、簡素な単一面処理でレイアウトされている。各部機構も全体的形状に溶けあわさせるデザインとし、生産上の観点からも、量産体制にあった合理的なデザインを得ることに努めている」という評価だ。まさに秀逸な工業デザインといえるだろう。
またキャノンは同じく第1回で8ミリシネカメラ シネ8-T も受賞している。これはキヤノン初の8mmシネカメラで、「無駄のない単純で美しいフォルムと、合理的な操作性に主眼が置かれている。多機能化に伴う外観の複雑化の傾向を極力避け、シンプルにまとめあげると共に、操作機能の面においては人間工学的な検討が十分になされている。ボディデザインもホールディング性を高めた。」のだそうだ。
さて第1回のグッドデザイン賞受賞は3作品あり、最後のひとつは農薬散粉機 共立ミゼットダスター だ。他の2作品とはかなり異質で、農機具が受賞したという。そしてこの商品は55年経った現在でも市販されている。
快適クラブ.net DIY 自分で出来る害虫駆除 手動散粉器 ミゼットダスター
http://www.kaiteki-club.net/mizet.html
特長
ハンドルを回すことにより中のファンが風をおこし薬剤を攪拌させながら散布します。半径が2~3mほどの場所に均一に散布できます。小スペースでの作業に適しています。
使用方法
1. 左手で取手をしっかり握り、粉剤の吐出具合を見ながら、右手でハンドルを回して散布します。ハンドルの回転スピードは1分間に100~120回転が適当です。また、薬剤の吐出量は薬剤タンク下部の調量シャッタを調節して行ってください。(全開で毎分約100g吐出します)
2. 薬剤を補給する前に、必ず調量シャッタを閉じてください。
3. 作業終了後には薬剤タンク内に残留している薬剤を排出するか、取り出して薬剤タンク、シャッタ、コイルを清掃してください。
4. ファン軸受部分に異音が生じたら、潤滑油不足が原因です。ファン側のグリースカップを外して、グリースを補給してください。
現在は8,400円だが、受賞当時は1,200円だった。(そう考えるとキヤノン L-1の87,000円というのは恐ろしい)
グッドデザインの受賞理由としては、「このダスターは、使用機能に対する配慮が充分考慮されていると同時に、形態的にも直線と曲線の構成が全体のバランスの中でまとまりを見せており、なおかつ赤いハンドルが全体の調和を引き締めている。用途は家庭での消毒用にも適し、また農業用の防除機としても広く使用できる」というもので、ポイントとなった赤いハンドルは今でも健在である。
共立農機株式会社は1947年創業の農林業機械メーカーで、1971年に社名が株式会社やまびこに変更されているが、会社の沿革を見ていると、このミゼットダスターは1949年発売であることがわかる。(同沿革では「1957年 ミラノ市国際グッドデザイン展で入賞」とあり、通商産業省のグッドデザイン商品選定制度でない点が気になるが。。)
株式会社やまびこ 沿革
http://www.yamabiko-corp.co.jp/?page_id=19
創業作品の共立手動散粉機(1948年)は以下のようなものだったことを考えると1年で革新的なデザインの進化を遂げたことになる。
株式会社やまびこは1960年に株式公開、1961年東証二部上場、1968年東証一部上場と飛躍的な業務成長を遂げたのだから、ミゼットダスターのグッドデザイン賞受賞の功績は大きいだろう。時代を超えて優れたユニバーサルな商品として今後も残っていってもらいたい。
工業デザインはその時代を映しており、そしてその進化は年月の積み重ねによってなされるものである。我々は商品に対して機能だけでなく美しさや使いやすさを求める。工業デザインの更なる進化を期待する。
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