ミュージシャン白書

ミュージシャンの立場からライヴ、レコーディングを通じてミュージシャンの社会生活を紹介する

両方はさて。

2010年02月17日 21時30分29秒 | Weblog
 やたらサブい……。

 今夜から明け方まで雪が降るらしい。今日、妻と息子を連れ立って練馬まで散歩してみたのだが、サブい、サブい。果たしてこの散歩は息子にとって楽しかったのかどうだか。無理やり連れ回したの感が強い。それこそ風邪でもひかせたら大変だ。

 先日、TSUTAYAから手紙が届き、『会員証の更新の時期が近づいています!更新をしたら、DVD一本ただです!』と文面で言われ散歩のついでに行ってみのだが、新作はその限りにあらず、らしく、とはいえ特に借りたいモノもないのでそのまま帰ってきました。もともと小生は映画を観ないタイプなのでそれも然り。
 
 しかし、新作なら借りたいものもなくもなかった。まあ金さえ払えば何ぼでも借りられるけど、それでも、金払ってまでは……。それは。

松本人志の『しんぼる』。

 新作なのでもう全部借りられてるかと思っていたらそこのTSUTAYAでは何本もある。余り借りられてない様子。

 元々ダウンタウン好きの小生は、ともすれば『ダウンタウンありき』みたいな見方をしてしまいがちなところもあり、松ちゃんが言うから面白い、みたいな事もありなん、なので、それはなしにして、果たしてどうだろうか?という興味もあるがゆえの借りたさ加減。まあ、あまり熱のこもった事ではない。

 前作『大日本人』は、カンヌでは散々だった様ですが、小生はなかなか楽しめた。しかしこれは先に述べた『松ちゃんありき』の贔屓目ではなく、『大日本人』に遡る事十数年、いや、二十年近く前、ダウンタウンのビデオで『to-zu』というムービーがあり、そこにある、あの時代では全く受け入れられないだろうコアな笑いのセンスに激しく同鳴した小生はそれ以来、あの独特の切なさや、やるせなさ、やる気なさ、絶望の釜にこベリついたおこげの美味さに、自分の面白アンテナの針をマックスにさせる要素があると確信していたためであり、その要素が『大日本人』には確かに有ったからである。

 今作、松本人志氏曰く「本当のコメディー映画を作った」とは、一体どういうことなんだろうか?生粋のコメディアンが敢えてコメディーを意識して何かを作るとは? 

「たけし氏が映画監督として大成功した事を意識しない訳にはいかない」とも言っていた。一体コメディアンというものは映画にお笑いの究理を求めるものなのだろうか。

 しかし、たけし氏は映画で成功して以来、お笑いは二の次になっているし、役者に転身したお笑いさんも、二の次になってしまう。 

 そういうわけで小生は、この映画がもし映画として非常に良く出来ていたり、コメディー映画として世界的に好評を博してしまう出来栄えであることを暗に憂慮している。