その後。
頭痛によるダメージは相当強烈だった。
水曜日から数えて、
ようやく少し抜けたのではと感じることが出来たのが日曜日の朝だった。
少し軽くなったと思えてはぶり返し、
再び軽くなったと思えては、またぶり返す。
そんなことを繰り返しながら少しずつ少しずつ痛みが抜けていったと
そう実感できたのはおよそ10日も経った頃だっただろか。
今では頭を一定の向きにすることで痛むことがあり
また時としてザクザクと嫌な音が聞こえることがあるものの
頭を抱え込んでしまう激しさからは遠くにいる気がする。
それでも起床して直ぐ痛み止めの頓服を飲む生活で
一日のうちけっこう数、飲まずにはいられないのはネックだとしても
恐るべき頭痛から、ありがたいことに今は遠くにいる。
3日前、診察を受けた時
ドクターに私は新種の病気だと、
まだ学会でも発表されていない病に侵されてるんだと言ってやった。
激痛によるショックか
あるいは腰椎穿刺の痛みか、
または副作用で嘔気に苦しんでいて後続車に跳ねられる
そのどれかで私は死ぬに違いないと言ってやった。
これとない嫌味にキョトンとしていたか思うとと、
鼻でふふん、そう笑われてしまったけれど私は真剣にそう思っている。
でなければ割に合わないではないか。
痛み損だ。
いつもの口癖。
絶対大丈夫。
タケノウチはそう断言し、絶対と大丈夫を繰り返した。
いいえ。
そんな言葉で私はもう納得できません。
騙されません。
いっそう強気に、痛みに一番ばっちり効く薬を処方してくれるよう言ってやった。
入院以来、主治医の前で出たアルジの久しぶりのオラオラだ。
こやつは一体ナンテ事を言うんだと呆れられただろう。
ええ、上等。
結構。
構わない。
私は大いに怒っているのだ。
タケノウチが悪いわけではないけれど、ぶつけどころのない怒りでいっぱいなのだ。
二度と農道で未来のお米さんに向かってしゃがみ込みたくないし
名もなき頭痛に苦しめられるなんて、もう二度と真っ平だ。
これだけオラオラ言っても、怒りが解消できたとは言えないけれど
これで、もし万が一、私の読み通り新種の奇病だとして
それでみんなとサヨナラしなきゃならないことになったとしても言いたいことは言えた。
ベストは尽くした。
私は真剣にそう思っている。
水頭症の検査は追々行ってくという。
また腰に針を刺すのかと思うとゾッとするし
CTを撮れば、大枚とそれこそバイバイだ。
しかし、どんなことよりも再びあの激痛に襲われることが何より怖い。
それは時間が止まったかのような、呼吸を失うんじゃないかと思うほどの痛みなのだ。
今となって思えば、
激しい頭痛が起きたのはすべての場面において対人の時。
また、ここまで激痛でないにしても
車検時に保険屋さんと
あるいは仕事の話しなど、少々重たい話をしていた時に二度三度と起きている。
そんなことを考えたとき、
私はもう今までのような生活を送れない体なのか頭なのだろうかと思えば不安でたまらない。
執刀医を信頼しているのは誰しもだろう。
私もそうであるし、好んでオラオラと捲りたくはないけれど
痛みはそれに相当するもので、
これ以上、繰り返すことが絶対恐怖であることを
それによってとても苦しい気持ちになることを理解してもらいたかったのだ。
タケノウチ。
いざ勝負だ。
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たくさんご心配をおかけしました。
すっきり感がなく鈍さは残っておりますが、少なくとも激痛はあの日以来起きていません。
このまま永遠動き出さないことを心底願っています。
色々と、また次々に泣き言が多い猫音ですが
時間がよろしければお付き合いをいただけましたらとても心休まります。
いつもいつもありがとうの気持ちが伝わればいいなと思っています。
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