去る10月12日の日曜祝日、埼玉県秩父市の吉田町で開催された『秩父龍勢まつり』、
行ってまいりました~。
ご存知の方もいらっしゃると思いますけど、そもそも『龍勢まつり』とはなんぞや?な方へ。
秩父吉田町にある「椋神社」の例大祭に『龍勢』と呼ばれる、
矢柄となる長い竹を用いた火薬筒などを取り付けた竹製ロケットを飛ばすんですが、
一応「椋五所大明神由来」によると、
日本武尊が奉持した鉾より発した光のさまを尊び、後世氏子民が光を飛ばす行事として
神社前方の吉田川原で祭日に大火を焚き、燃えさしを飛ばしたりしてたものが、
火薬が発明されてからは、これを用いて火花を飛ばし(花火のこと)、
昼間見るときは雲中に竜の翔るが如くで、それが龍勢となった模様。
要するに、『奉納花火』の昼間版でしょうか。
多量の黒色火薬を詰めた松の木の筒に長い竹が取り付けられて、
あとは「背負い物(しょいもの)」という、龍勢が昇りつめたあと、
上空からひらひら落ちてくる唐傘やパラシュートなどがセットされてます。
因みにこの龍勢、別名「農民ロケット」と呼ばれてて…
まあ我々には、ここがツボな訳です(笑)
当日は西武秩父駅から臨時バスに乗り込み、約40分かけて山あいにある会場へ。
山あいとは言っても箱根とかと違い、標高差はそれほどなく単に山奥に来ただけ。
朝9時からまつりは始まってるけど、開始時刻に首都圏から行くのはかなり厳しい。
都内在住のSさんですら、5時半に出て、8時半のバスに乗ったくらいだから・・・。
首都圏でない己が、始発で出てもまず無理なので、最初から駅前のホテルに前泊。
去年もまつりを観たSさん曰く「のんびり来ても大丈夫」というので、
Kさんと9時半発のバスでGO!
会場に近づくと、突然山の間から白い煙と共に昇っていく龍勢が見えた!
おお!!細いけど、あれはまさにロケット雲!!!
バス降りてなだらかな坂道を登りゆっくり下っていくと、大勢の見物客の姿が。
Sさん達がいる有料桟敷席を探していると、なんと最前列に居た!なんていい場所!
ベニヤが置かれただけのそこに、各々持参したエアクッションや座布団を敷き座る。
去年の事故を受けて、今年から設置されたネットのはるか向こうに木製の櫓が見える。
自分達が着いた時には、計30本の内の7本目が打ち上がる時で、
まずはスピーカーから聞こえてくる大音声の不思議な節回しの歌に「?」。
奉納するための「祝詞」だそうですが、なんか内容が面白いんだな、これが。
節回しは同じだけど、龍勢によって色々な内容があって、
会社の発展祈願とか、小学校の寄せ書きを背負い物に載せたりとか、
誰々の卒寿や33回忌とか(笑)、奉納だから様々な祈願が込められてて、
大体が「世界の平和と~交通安全と~皆様のご多幸を祈念して~」という言葉で締めくくられ、
その後の「椋神社に~ご奉納~ご奉~納~~~」の言葉が終わると、そろそろ打ち上げ。
自分が最初に聞いた祝詞は、製造会社の祝詞だったので、
「日本が誇る~世界の技術と~発展のために~」みたいな内容だった。
それ聞いて
「JAXAも打ち上げの時に、祝詞あげればいいんだよ!」
てな話になり(笑)。
で。打ち上げですが。
まずは櫓下から、導火線を伝って火が上がり、それが煙となって見える、
・・・・・・見えるんですが・・・・・・飛ばない。
「燃やし」というものらしく、それから本体に火が入るので暫し待つ。
その内に「シューーッッ」て音がしたと思ったら、
「ゴウッッ!!」てな音と共に、一瞬にして龍勢が天に向かって昇ってく!!
実は龍勢は昇りきった後が大事で、落下する時に「背負い物」が開かないとアウト。
自作ロケットのパラシュートが開かなかったらアウトなのと同じですなあ。
(我らが初号機『ミュンヘン号』はパラシュート開かなかった・・・)
この「背負い物」が無事開くと成功なので、スピーカーから
「ありがとうございました!ありがとうございました!!」ってな声が聞こえ、
本当に上手くいくと、万歳三唱や互いを労う声まで聞こえる(笑)
逆に開かなかったり、最悪櫓で暴発した日には
「スミマセン!ごめんなさい!!いや、本ッ当ーに申し訳ないッッ!!!」との
懺悔と謝罪の言葉が繰り返し言われる(苦笑)
龍勢があがるまでの流れは、
格納場所から運び出される→櫓に人力で上げられる→
桟敷席近くの舞台で龍勢の紹介がされる→
奉納の祝詞とお囃子が披露される→同時に櫓でお祓いされる→
祝詞が終わると櫓から人が撤退する→導火線に火が入る→打ち上がる
龍勢をつくる人々にもそれぞれ流派があって、
打ち上げる団体は、どこかの製造流派にお願いして作ってもらう。
(花火と一緒です)
地方の祭だなーと思うのは、お囃子の子供の名前が呼ばれたり、
その流派の初代櫓師の33回忌とかで、その櫓師の経歴が述べられたり、
個人情報がバンバン出てきて面白い!(笑)
祝詞もそれぞれ個性が出ていて、素人くさくていいんです。
個人的に、多分初めてだったせいでしょうか・・・
「祝詞」の節回しとか声の高さとかが全然掴めてない小学校の先生の・・・
「祝詞」というより「叫び」に近かったものが印象に残りました。
→会場の笑いを誘うほどの代物(笑)
でもその叫びのお陰か、他の龍勢よりも大成功でしたね~(爆笑)
あとは、奉納ですから、あまりにも「祈願」することが多すぎると、
想いが重いせいか、龍勢の打ち上げが大体しょんぼりした結果に・・・(苦笑)
さて、自分達に話題を戻すと。
地域の大きなまつりとあって、出店もたくさん種類も豊富!しかし値段が安い!!
この日自分が食したもの↓
●焼きソバ大盛り●大きなお焼き2個●チョコバナナ2本●マヨたこ●こんにゃくの煮付け一杯
他のメンバーも牛の串焼きとかおさつスティックとか色々食す。
でも大体が500円でお釣がくるなんて!山盛りのこんにゃくが200円なんて!安いよ!
当初のメンバーは4人。桟敷席は半畳×2だったので、まあ大丈夫かと思いきや、
5人に増え「ちとキツイけどなんとかなるよね」とSさんと言っていた・・・が。
今回初見学のもうひとりのKさんが10時に車で到着したはずなのにまだ現れない。
駐車場を探してグルグル回ってるらしい。
ようやく11時に現れたKさんは早速、カメラの三脚を広げる。
ロケット見学の先輩ですので、二つ目の桟敷席はKさん用に空けて、我々はその隙間に・・・
と思っていたら、
「あと二人来ます」
二人・・・?つーことは・・・半畳×2に・・・・・・7人!?
あとからお二人いらっしゃり、撮影用の三脚やマイク2本(!)が加えられ・・・
ウチの桟敷席はあっという間に「報道席」と化した(笑っていいのか)
他の桟敷席はといえば、たとえば豪勢な仕出し弁当が広げられ、
強者にいたってはコンロが持ち込まれ鍋まで始まるというのどかな見学者達の中にあって、
本当にあそこだけマニアックな「異様」な光景でした。
だって他の見学者が、ウチのその光景を写真で撮ってたしね・・・
なんつーか
『出張版!ロケットまつりin秩父~龍勢まつり取材班席』
って感じでしたから。
(ただのホームビデオで撮ってますと全然違うから・・・完璧「記録班」だ、あれは)
午前の部が終わると、運動会の如くお昼休みが設けられ(笑)暫しランチタイム。
因みにこの日、そらおそろしいほど暑かった。
寒いと思い色々装備した帽子や膝掛けが「日よけ」として役立つとは・・・
途中で神社にお参りに行ってきた「取材班」(笑)の面々が本を買ってきて。
題名はズバリ★
Sさん曰く「去年はそんなものなかった!」という事で、我々も買いに行く。
「ロケットまつりの面々は、違う意味でのアンテナが察知するのでスゴイ」という話をしながら、
本が売ってる社務所へ(このアンテナはやはり「パラボラ」なんでしょうか)。
本の方は、同人誌みたいな作り・・・(笑)きっと短時間でゴソッと本が売れたので、
不思議の思ってることでしょう。
因みにこの本、社務所で売るより某新宿地下のイベントの方が絶対に売れると思う(笑)。
午後の部は失敗続きでどうにも悪い連鎖が途切れない。
7本くらいまで、イマイチパッとしなかったところで、ようやくひとつ成功し、またいくつか成功。
だけど・・・また失敗続きで・・・いい連鎖も悪い連鎖も続く時は続く。
そして個人的な龍勢(誰々の33回忌とか)は思いが重すぎるのか、中々成功しない・・・
小学校の寄せ書きとかが入ってるものは何とか成功し、見てる方もホッとする(苦笑)
しかし、26本目にとうとう櫓で暴発。
櫓の中ほどで火花が上がり、煙が出てるだけ。その内に煙も消え、とうとう上がらず終い。
ここの流派は本日2本目だったけど、午前の部がイマイチだったので今度こそはと期待したのに、
最悪な状態で終わってしまって・・・残念!!
アナウンスの新米櫓師も謝りどおしで可哀相・・・・・・
様子を見て15分中断。その内に消火されてしまい、
打ち上がることなく下ろされる龍勢が悲しかった・・・
そうこうしてる内に陽が傾いてきて涼しくなってきた・・・
15分の中断により、時間短縮となった残りの龍勢達、
急いでるからか、やはり成功せず、祝詞の途中で暴発するものも。
祝詞の声も
「(調子よく)ご奉納~・・・(そのまま続けて)あー・・・ごめんなさい~
また来年勉強し直して来ます~・・・」
みたいな感じに(苦笑)
「食の安全」を祈願したJAも他の食品会社の龍勢もイマイチ成功せず・・・
(今後も食の安全も危ぶまれるか?!)
最後の30本目に期待と過大なプレッシャーが掛かる・・・
周りの人も帰り支度を始め、何だか寂しい様相に。
その時曇ってた空が少しだけ雲が切れ、西の方から陽がさしてきて。
ここまで来たら最後まで観ていくかーと打ち上げを待つ。
最後は運送会社さん。
背負い物には有名な和紙職人に依頼した畳2畳大のパラシュートと、
和紙で出来たサッカーボール6個が入ってるらしい。
祝詞をあげる社長さん(だった気が)の声にも緊張が。
いよいよ点火。すぐには上がらない龍勢も、この時はすごく長く感じた。
祝詞が終わっても、中々上がらないので、ちと不安になり始めたその時。
「シュゴッーーー!!!」
上がった龍勢はかなりの高さまで打ちあがり、
落ちてくる時に、和紙のパラシュートもサッカーボールも無事に開き、
花火も開いて無事に有終の美を飾れました~。
スピーカーから聞こえる社長の声は
「ありがとうございました!本当にありがとうございましたっっ!!」
と既に涙声(笑)
観てるこちらも最後はスッキリ終われてよかった良かった。皆で拍手喝采。
帰りのバスがまた混むはすなので急いで撤収。
取材班の面々は車なのでそこでお別れ。
バス組の我々もトイレに行くので、Sさん達とそこでお別れ。
座って帰りたかったので、Sさん達の後のバスに乗り、西武秩父駅へ。
駅に着いたのは6時過ぎ。
まずはお土産を買い、都内で夕飯食べる時間も気力もなさそうなので、
駅前のファミレスでゆっくり夕飯を頂く。
その日唯一のまともな食事だったので美味しかった・・・
その後レッドアロー号で池袋へ、そして新宿に着きKさんと別れそれぞれが帰路へ。
都会は・・・・・・暖かかった・・・
因みに冒頭の写真は、Kさんが買った破魔矢。でも龍勢なので松の火薬筒がついてる(笑)
商売隆勢 家運隆勢と「龍勢」に引っ掛けてありました。
他にも「報道席」の写真とか(笑)→2本のマイクはこの写真の左側に。カメラは計3台。
肝心の龍勢そのものとか、打ち上げ前の姿とかの写真が無くてスミマセン(平謝)
龍勢の長さは、大人が6~9人くらいで運ぶのでかなり長い。
動画はその内に行った取材班の方々のHPに上がるはず。
(分かり次第ここでもお知らせします)
お天気にも恵まれ、席の位置にも恵まれ、大変楽しいまつりでございましたv
皆様もどうぞ来年、行ってみてくださいませv
件の本も今年が初版なのでまだまだあるはずですよ(笑)