goo blog サービス終了のお知らせ 

謂われなき反日を語るBlog(仮運用中)

誇りと恥を。
小異に拘わり、大道を外す事なかれ。

未来に希望をもつ心が・・・

2005年05月11日 23時37分07秒 | くら
 経済は今後成長を見込むことは出来ず、生産拠点は海外に移って、生産の自動化も相俟って労働力が必要とされなくなり、雇用は減少していく。人口構成比に目をやれば、生産人口がどんどん減っていくにも関わらず、団塊の世代が定年を迎えて老齢人口の増加は急ピッチに進んで、少ない若者が大量のお年寄りを養っていかなければならない。年金を掛けていても、自分が給付年齢に達した時は年金制度が維持出来ているかどうかわからず、掛けた年金が帰ってこない懼れが大である。こんな時代になって、未来に希望を持つはずの若者の心が、折れて萎えしぼんで行く状況となった。若者は前途に希望を見出せず、自ら定職につくことも無く、自分ひとりがようよう口を糊する程度のバイトの賃金で、気の向いた時だけ働けばよい。こうしてフリーターが生まれてきた。そんな風に私は理解してきた。
 高校の社会の教師をしている友人が、そんな時に私に語った話は結構衝撃だった。「今の子供たちは前途に対する希望も無いが、そもそも日本人であることを恥じ、日本という国に対して嫌悪を感じていて、そのことからも余計に心が折れて萎えてしまっている子が多くなっている。」ちょっと衝撃だった。
 極端な例だが、彼の社会の授業でこんな解答があった。「日本は明治維新以来外国を侵略してばかりいて、世界中から憎まれて孤立して太平洋戦争で負けた。戦争で負けた後、復興した日本は外国を経済侵略して失敗し、バブルの崩壊と言う第2の敗戦を迎えた。日本という国は結局世界の嫌われ者でしかなく、そんな国に生まれた自分は運がない。日本なんて無くなってしまえば良い。」極端な例であるため1人の子供の個性的な考えだろうと思ったが、念のためにホームルームで生徒たちの考えを聞いてみた。
1、戦前の日本が行ってきたことは、全て侵略行為だけだったと思うか?
2、日本の国旗や国歌は無い方が良いと思うか?
3、日本人は世界の嫌われ者なのか?
4、自分は日本に生まれてきてよかったか?
これらの質問に対して、1について彼らの多くは、太平洋戦争だけではなく日本の戦った戦争は、全て単に欲得だけの侵略戦争だと思うと言う意見が大半だった。「日本が帝国主義世界の中で、自存自衛のために行った戦争もあるんだけど」というと、それはあり得ない、日本の特に維新以後にやったことは戦争に負けるまでずっと悪いことだったんだ、と言う反論が多くて悲しくなったそうな。その理由について聞くと、そういう風に習ったと言う答えが大半だったそうだ。中国や韓国等近隣諸国から謝れと言われているから、悪いんだと思う、という意見もあったと言う。
 2については「学校の行事でいつも先生方とか父兄が言い合いをする元だから、国旗とか国歌という面倒くさいものはいらない。」という意見が出て、大半の生徒が支持した。「オリンピックとかワールドカップでの国旗や国歌の意義は無いのかな。」と聞けば、その時は一体感があってちょっといいかなと思うという返事が返ってきたので、若干ほっとしたそうな。
 3については、1の答えとかぶるが、やはり謝れなんて言われる国なんだから、世界の嫌われ者なんだと思うという意見に、支持が集まったという。
 4について、彼らが物心ついた平成の初めから、日本はバブルが崩壊してずっと経済不況が続いている為に、あまり日本に対するイメージが良くないからか、かなりの数の生徒が日本に生まれてこなければ良かったと思っているのに愕然としたそうだ。「戦争しても、経済競争しても負けてばかり。こんな国の何処が良いんだか。」というような意見に共感が集まった。もっとも「外人に生まれた方が、カッコよくて今よりもてたと思う。」というような、珍解答も飛び出したそうだ。(白人の容姿に対する憧れは根強いね。)
 確かにバブルが崩壊した頃から、日本の凋落と同時に日本の歴史教育に対する中国や韓国からの圧力が高まったのは事実だ。それについては政府の対応がそうだったんだから、彼らがそう思っても仕方が無い。日本の侵略戦争ということに関しても、昭和の軍閥が暴走して領土的野心を前面に打ち出して、満州に乗り出していったことを指してのことだろうから、これもそう思われても仕方が無い。卒業式などで国旗掲揚問題等が喧しく騒がれているから、生徒たちがうんざりするのもわかる。「だけど日本に生まれて来なければよかったというのは、なんか自己否定されているようでちょっとな・・・。」という彼の言葉には、私も沈黙するより無かった。
 フリートークに移って将来のことについて話が及んだ時、就職できなくてもいいやとか、なんで(結婚して)他人の面倒なんか見なきゃなんないんだとか、日本なんかどの道無くなってもしょうがないような国なんだから、そんなこといちいち話し合うのは馬鹿馬鹿しい、なんていうような話がいろいろ飛び出して、教師である彼は、子供たちの心が折れてしまっていることを感じたんだそうだ。そしてそこには将来の展望だけでなく、日本という国、日本人という民族に対する誇りを見出すことことができず、そのことが逆に自らの存在を嫌悪してしまっているように思ったという。だからといって彼がひとりで張り切っても、みんなの考えの潮流を、急に変えることは出来ないけれど「せめて自らの存在に誇りを見出せたら、萎んでしまった子供たちの心に活力が芽生えるんじゃないかな。」と語り合った。
 何の展望も提示できないのに、誇りを持てというのも乱暴に思われるかもしれないが、僕らと同じ時代を背負っていく為にも、彼らには自らの道を切り拓いていく力を掴んで貰わなければならないから、僕らは先達として時代への展望を提示する努力をすると共に、彼らに自信を持ってもらう、日本人としての誇りを持ってもらうことが必要なんじゃないかと考えるのです。
 なんか取り留めの無い長文になってすみません。