マグタイム

日常のひとコマを繊細なタッチでつづる……エッセイ、詩、スイーツ感想 etc. マグカップ片手に、リラックスしたひと時を

ウグイス・2

2012-03-27 08:44:52 | 
光の 雫

宙より 射し

散りて きらめき


――。

そこから

――。

気 ゆらいで

明 ひろがって

枝 ゆるんで

色 重なって

――。

一雫ごとに

――。

一雫ごと

――……

商売下手

2012-03-23 09:42:39 | 物・雑貨
カールちゃんとお茶をしたとき、話題になったのがアフィリエイトでした。

「アフィリエイトは、1つしか登録していませんけど」
と、これまた私のよりおいしかったケーキをつつきながら(ひと口味見させてもらいました)、
「先日、ATMで記帳したら、数千円になってました」
「本当? それはすごいわ」
買い物上手な彼女は、お小遣いを作るのも上手でした。


たずねてみました。
「アフィリエイトって、最近よく聞くけど、どういう仕組みなの?」
「広告を、自分のブログやHPに貼るんです。紹介の記事を書いたり。で、誰かがそれを経由して商品を買うと、何%かが自分のところに来るんですよ」
「へえー」
広告代理店を個人でやるようなものかな?
「そんな感じですね」
「たとえば、自分でリンクを貼って、自分で買ったら、その何%かが付く?」
「セルフバックはダメです」
あらら。
「できる物もあるみたいですけれど。できないところのほうが多いですね」
「そうなんだ……」

「あと、新曲の感想をブログで書くと数百円、というのもありますよ」
「そんなのもあるの?」
「面白いですよ」
音楽好きなカールちゃんにとって、それは趣味と実益がマッチしていました。


アフィリエイトの基本について、いろいろ教えてもらいました。
ネットでは最近流行っていたけれど、よく分からなくて遠巻きにしていましたけれど。
ふうむ。そういう仕組みなのか。
知っている人がやっていると、敷居が下がった気がします。
ちょっとひとつ……どうかな?
欲が出てきました。


皆もすなる、アフィリといふものを、我もしてみむとて、するなり。


――しかし。
自分のブログ。
いろいろ商品を貼ってみようとはするのですが、どうもできません。
そもそも日常の天気だの、家族の会話だのしか書いてないので、関係する物が思いつかない。
たまに本やCDの話があるので、ぽつりぽつりと貼れますが、1年分の記事の中で、片手分くらいしかありませんでした。それも、流行からはほど遠いものばかり。

どうも商売っ気がないなあ……。

売ろうとすると、文章が濁るし。
「このネタは売れるか? 売れないか?」で世の中を見始めてきた自分がいて。
うーん……@@@

まあいいか、と思いました。自分は商売下手なようだから、無理はしないことにする。
今までどおりで行こう。

そう考えたら、すっきりしました。
いつものように、家族のことや、季節の風のことを書いていこう。おいしかったお菓子のことも。
詩をつづっていこう。
それが一番いい。

しばらく書いていなかった音楽のことを、書いてみよう。

もしかしたら、ちょっぴりだけ、モノの話題も増えるかもしれませんけど……。

300円ショップ

2012-03-15 16:44:36 | 物・雑貨
先日、カールちゃんとお茶をしました。
場所は、オープンしたてのショッピングモール。建設当初から気になっていたので、ではそこで落ち合おうということに。
わたしは初めて、カールちゃんは2度目です。

外から見ても広いそのモールは、中に入るともっと広さを感じました。奥のつき当たりが見えないくらいです。洋服、バッグ、雑貨。フードコーナーはもちろんのこと、家電、映画館、銀行の店舗まで入っています。
無いものは無いというくらいの品揃えでした。
わたしはずっと目を丸くして歩いていました。

最近はこういう複合施設が増えましたね。
昔は、奥さんが服を見ているあいだ、ご主人が所在なさげにベンチに座っている、という光景をよく見かけましたが、最近は少なくなりました。
「じゃあ俺は本屋で本を探しているよ」
「ボクは友達と、映画館でポケモンを観る」
なんて、それぞれの時間を過ごすことができるようになったからでしょう。
便利になりました。


面白かったのは、300円ショップ。
よく100円ショップというのがありますが、それの300円版です。

狭いスペースに、よくセレクトされた品物が並んでいて、お客さんがいろいろ手に取っていました。ナチュラル・ベーシックとでもいうのでしょうか、生成りの布やレースを使った、やさしい雰囲気のリビング用品、キッチン用品、アクセサリパーツ。レジャーバッグ、スカーフホルダー、カーテンレールまでありました。

300円という価格のため、品質はそこそこ良く、値ごろ感もあります。
カールちゃんとこれがかわいい、あれはセットになっていておしゃれ、などと言いながら、楽しく悩みました。

わたしの戦利品は、陶器の小物入れ。切り株の形をしていて、上の切り口の年輪が、蓋になっています。
ちょうどようじ入れを探していたので、これにしました。
「ようじでしょう? 入るかなあ?」
カールちゃんは疑わしげ。
「大丈夫よ、入るわよ」
とわたし。
「蓋が閉まらないんじゃないかしら?」
陶器は高さが5センチくらいです。
「もしかしたら、ようじの頭がはみ出てしまう?」
「たぶん」
「うーん」
「それもそうね」
と一度は棚に戻したわたしですが、
「ま、そうなったら、そうなった時のことで」
かわいさに目がくらんで、買ってしまいました。

(案の定、蓋は閉まりませんでした。でもちゃんとようじ入れにしてますよ! 蓋ははずしているけど……)

カールちゃんの戦利品は、ティーポットと、雑貨をいくつか。いい買い物ができた、とうれしそうでした。
きっと忙しい家事の合間に、お茶をいれてくつろぐのでしょう。
そうそう、すてきなバッグも買っていました。手ごろな大きさで、里帰りの1泊旅行にぴったりでした。


結局、1日ですべてを回りきることはできませんでした。
「また次の機会に」
「並んでいたカフェ、今度行きたいね」
両手に戦利品のつまった袋を下げて、2人で建物を後にしました。

モールは、暗くなっても客足がとだえることはありませんでした。
帰っていく人もいましたが、同じくらい、夕飯を食べにくる家族連れや、夕飯の材料を買いにきた仕事帰りの人が、入ってきていました。
外の広場では、なにか出し物をしているのか、人垣ができていました。

等間隔の街灯が、新しい人気スポットになったモールへの道を、明るく誘導していました。


さよならを言いたかった

2012-03-13 15:43:43 | 心のアルバム
あれから1年がたちました。
休日だったため、世間では慰霊、被災地応援など、さまざまな催しがあったことと思います。
わたしもなにか書こうとして……結局、翌日になっても手が動きませんでした――。


「死は突然やって来る。テロリストのように」
昔読んだ言葉です。

さっきまで普通に笑い、歩き、生活していた人々が、次の瞬間、いっせいに冷たい骸(むくろ)になってしまう。
日常とは、なんともろいものでしょうか。平和とは、なんと危ういものであるか。
祖母も、ある日倒れたきり、10年間意識が戻ることなく、亡くなりました。

「さよならを言いたかった」
そう思います。
亡くなった方々も、わたし達も。お互い。
せめて一言、さよならだけでいいから、と。

いえ……
「ありがとう」のほうが、いいかもしれません。
生きていてくれて、ありがとう。同じ日本に生まれ、いっしょの時を刻んでくれて、ありがとう。
ありがとう……。


この不条理な世界で、空だけは青く澄み。
たむけられた香の煙がはかなげにゆれ、風となって還っていきます。

伝えられなかった、言葉とともに。