盤上の悪魔

囲碁、哲学(人間原理、相対主義、プラグマティズムとか)、ラノベなんかを中心にしてます。

NHK杯 石田芳夫九段 vs 結城聡九段

2006年11月26日 22時45分25秒 | 囲碁
今日のNHK杯は石田芳夫九段と結城聡九段の対戦でした。

白の石田九段は序盤から隅に閉じこもるような打ち方をしていきなり劣勢に。
石田先生、解説ではこんな手は絶対に勧めないのに、自分が打つときは結構こういう打ち方をするのは何故なんでしょうか。

その後も対局は鋭い攻めを見せる結城九段のペースで進みますが、石田九段のずうずうしくも見える勝負手が見事に決まって左辺の黒模様が霧散し、形成は一気に接近したかに見えました。

しかし、最後は結城九段が容赦ない手筋を炸裂させて白の大石を撲殺し、勝負を決めました。

多分どちらの対局者にとっても、この碁は不本意だったと思うんですが、見ている側としては非常に楽しめました。

それにしても、石田九段の勝負手、プロの対局でああ綺麗に決まるのは初めてみるような気がします。
石田九段は置き碁に定評があるそうですが、確かにあんな手を繰り出されてはいくらハンデをつけても勝てる気がしないですね。
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NHK杯 瀬戸大樹 vs 蘇燿国

2006年11月21日 00時11分15秒 | 囲碁
昨日のNHK杯のビデオを見ました。
関西棋院の新鋭、瀬戸大樹六段が遠慮深く二線を七本も這えば、蘇燿国八段も無理をせずに受けまくるという抑えた展開で、わかりにくい碁でした。

勝負は蘇八段のミスでやや優勢に立った瀬戸六段が、ぱたぱたっとヨセのミスで3目程損をしての一目半負け。

新鋭同士の対局にしてはいまいち感の漂う一局でした。

まあ、もしかすると裏ではアマには理解できないレベルでの高度な大局観の争いが繰り広げられていたりするのかもしれませんが。
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張栩の詰碁

2006年11月18日 00時34分54秒 | 囲碁
張栩の詰碁、結局買いました。

まだ扇子詰碁を4問解いただけですが確かに面白い。

なんというか、これぐらいの発想、いくらでもわいてくるぜというか、才能に溢れた人間がもっとも頭がきれている時期に作ったというのがひしひしと伝わってくる感じです。

解説が詳しいせいか、問題数が54問と少なめなのがやや不満ですが、プロレベルの詰碁は答えだけでは理解できるわけもないので、まあ仕方ないんでしょうか。
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ジャンケン必勝法?

2006年11月15日 22時10分40秒 | Weblog
じゃんけんはグーチョキパー、何を出しても変わらない、適当に思いついた手を出せばいい運ゲーではないかもしれない、先日そんなことを思わせる研究が発表されたという話を読みました。

人間というのはランダムな構造を作り出すのが苦手です。
S・J・グールドのエッセイに出てきた話ですが、紙にランダムな点を打てといわれると、ほとんどの学生が、等距離に離れた点を打つそうです。

実際にランダムに打った点は一部は密集し、一部はばらけた星座のようなものになり、等距離に打たれた点は明らかに規則性があるにもかかわらず人間には何故か、前者に構造があるように、後者がランダムなように見えてしまう。

同様の効果がジャンケンにも認められるそうです。

相手に規則性を読まれないようにばらけて手を出そうとすると、人間は連続して同じ手を出すことを避けてしまう。

従って、相手が前回グーを出したらチョキ、チョキを出したらパー、パーを出したらグーと、前回の手に負ける手を出せば勝つ確率が高まることになります。

ただし、この戦略を相手に読まれてしまうと、重要な勝負で裏をかかれる恐れがあるので注意が必要かも知れません。
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第七回国際新鋭対抗戦、日本は中国に完敗

2006年11月14日 00時24分14秒 | 囲碁
今日は日中韓台湾四国対抗の国際新鋭対抗戦があったそうで、棋聖道場の記事によると日本は中国に1勝7敗と完敗したようです。

それにしても中国のメンバー、孔傑とか謝赫とか陳耀華とか周睿羊とか反則に近くないですか?
日本がタイトルホルダーを揃えて臨んだとしても勝てるかどうか。

まあ、張栩だって十代の頃はそれほど活躍していたわけじゃないしまだまだこれからですよ、と今のところは言っていられるでしょうか。

後、この記事で初めて謝赫六段の顔を見たんですが、素敵なほどの委員長顔ですね。
この顔だったらゆかり先生じゃなくても委員長にしたくなるはず。

なんか応援したくなってしまった。
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食中毒

2006年11月12日 21時45分27秒 | Weblog
昼に食べた残り物のスパが悪かったのか、冷蔵庫に入れていなかったおでんがまずかったのか食中毒でダウン。

30分おきにトイレに駆け込む有様で、上から出るわ、下からでるわ、人間の体が一本の管であることを思い知らされました。
脱水症状で熱もでるし、二日間、ほとんど布団から起き上がれない状態に。

もったいないという言葉も時には命にかかわることもあるというわけですな。
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病気腎移植

2006年11月08日 23時13分26秒 | 囲碁
宇和島徳洲会病院の腎移植の問題で病気の腎を移植に使うとはどういう事なのか疑問に思っていましたが、Yahoo!のニュースを読んでようやく見当がつきました。

癌が怖いからまだ使える腎臓でも摘出してほしいという人と、癌のリスクを背負ってでも、人工透析に頼る苦しい生活から抜け出したい、という人がいれば、前者から腎臓を摘出し、後者に移植すれば二人とも幸せになれるというわけですか。

確かに、合理的な方法のようには見えます。
ドナーが片方の腎臓を失う一方的な不利益を被る生体間腎移植よりもましな気もします。

手続きに問題があったことは明らかなので、担当の医師が非難を免れることは出来ないでしょうが、脳死体や生きている人からの腎移植は良くて、病気腎の移植は駄目という理屈をつけるのはなかなか難しい気が。

しかし、どうも移植手術というのは問題がつきませんね。

もともと他人の体の一部を切り取って自分のために利用するというのは倫理的にきわどい行為なわけで、問題が生じるのは当然といえば当然ですが。
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漢の散りざまを見よ!2

2006年11月07日 20時09分04秒 | 囲碁
KGSでの20秒碁、白1d、黒1k(私)です。

序盤、右辺の戦いで無理打ちを咎められて黒はぼろぼろにされますが、相手の方も優勢を意識して手が縮んだのか、白の勢力圏で黒地の方が多く出来る謎な展開になり形勢不明に。

白は、右上隅に残っていたコウの爆弾を炸裂させ、右上の黒を全滅に追い込みますが、その間に怪しげな手順で左辺の白の大石に眼が無くなり、ほぼ死亡確定、黒の勝利が決まったかに見えました。

局面は最後のあがきで白が☆に置いてきたところです。


┌┬┬┬○┬┬┬○○┬┬┬┬┬┬┬○┐
├┼┼○┼○●●○●○○┼┼●○○┼○
├○○○┼○●┼●●●○┼○●○●○┤
├●○●○●●┼┼╋●●○○○●●●○
├●○●○○○●○┼┼●●●○●●┼┤
├┼●●●●┼●┼┼●┼●○┼○○●┤
├●●○○○●┼●●○●●○┼┼○●┤
●┼●┼┼○○●┼○┼○○○○○┼○┤
├●○○┼┼●○┼┼○┼┼○┼○┼○┤
●○○●●●●●┼╋┼┼┼┼●○○┼○
├○┼○●○○┼┼┼┼┼┼●┼●●○┤
○○┼○○○●●●○○┼┼┼●○●●┤
├○○●○○●○○○○┼┼●┼┼┼●┤
○●○●●●●○●○○┼┼┼┼○┼○┤
├●○○○┼●○●●○┼○●●●●┼┤
├●●╋┼┼●●○●●●○●○○●●┤
☆┼●○○┼┼┼○○○●○●○●●○┤
炉┼●●○┼●┼●●○●○○○●○┼○
└伊┴┴┴┴┴┴┴┴●┴┴┴┴○┴○┘


後から冷静になってみてみると、伊と受ければなんということも無く生きているわけですが、その時、何故か炉の筋だけが見えてしまいました。


├○○●○○●○○○○┼┼●┼┼┼●┤
○●○●●●●○●○○┼┼┼┼○┼○┤
├●○○○┼●○●●○┼○●●●●┼┤
八●●╋┼┼●●○●●●○●○○●●┤
○弐●○○┼┼┼○○○●○●○●●○┤
★壱●●○┼●┼●●○●○○○●○┼○
参四五六七┴┴┴┴┴●┴┴┴┴○┴○┘


★に打ち、壱から八と華麗に両コウで生きた、と思ったら苦とダメを詰められて


├○○●○○●○○○○┼┼●┼┼┼●┤
○●○●●●●○●○○┼┼┼┼○┼○┤
├●○○○┼●○●●○┼○●●●●┼┤
●●●苦┼┼●●○●●●○●○○●●┤
○●●○○┼┼┼○○○●○●○●●○┤
├○●●○┼●┼●●○●○○○●○┼○
○┴○●○┴┴┴┴┴●┴┴┴┴○┴○┘



┌┬┬┬○┬┬┬○○┬┬┬┬┬┬┬○┐
├┼┼○┼○●●○●○○┼┼●○○┼○
├○○○┼○●┼●●●○┼○●○●○┤
├●○●○●●┼┼╋●●○○○●●●○
├●○●○○○●○┼┼●●●○●●┼┤
├┼●●●●┼●┼┼●┼●○┼○○●┤
├●●○○○●┼●●○●●○┼┼○●┤
●┼●┼┼○○●┼○┼○○○○○┼○┤
├●○○┼┼●○┼┼○┼┼○┼○┼○┤
●○○●●●●●┼╋┼┼┼┼●○○┼○
├○┼○●○○┼┼┼┼┼┼●┼●●○┤
○○┼○○○●●●○○┼┼┼●○●●┤
├○○●○○●○○○○┼┼●┼┼┼●┤
○●○●●●●○●○○┼┼┼┼○┼○┤
├●○○○┼●○●●○┼○●●●●┼┤
●●●○┼☆●●○●●●○●○○●●┤
├●●○○┼┼┼○○○●○●○●●○┤
●○●●○┼●┼●●○●○○○●○┼○
○┴○●○┴┴┴┴┴●┴┴┴┴○┴○┘


気付いてみれば☆に打たれてあっさりと白に生きられ、右上の損だけが残ってゲームセットに。
まあいいんですよ。
両コウの手順を実戦で打てたんだから。

今回の教訓

まずは常識的な手から考えましょう。
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NHK杯 高尾名人本因坊vs円田九段

2006年11月05日 21時30分01秒 | 囲碁
今日のNHK杯は先日名人本因坊となった高尾九段の登場ですが、相手の円田九段のちょっと異様な打ち振りが印象に残りました。

解説の石田九段がプロの常識的な手を示すんですが、それをことごとくはずしてくる。
しかも、こうは打たないでしょう、というあまり良くないとされるような手を平気で打ってくる。

なんというか、ゴリゴリとした重苦しい、しかし破壊力はありそうな打ち方でした。

しかし、良くないとされる打ち方はやはり良くなかったようで、相手の石を殺すぐらいでないと勝てない形勢で殺しに行かずに楽負けペース、最後は高尾本因坊に隙を突かれての逆撃をくらって中央が壊滅しての中押し負けでした。

負けはしたものの円田九段の碁はもう少し見てみたかった気もします。
あんまり並べると筋が悪くなりそうな気もしますが。
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張栩名人陥落

2006年11月03日 23時54分34秒 | 囲碁
名人戦第六局は白番高尾本因坊の白番3目半勝ち、これで高尾挑戦者が4勝2敗で名人位の奪取を決めました。

正直張栩三冠が負けるとは思わなかったけれど、名人本因坊となった高尾挑戦者が派手ではないけれども凄みのある強さを見せつけてくれました。

思えば張栩三冠は第四局、ヨセと形成判断のミスで半目負けになったのがあまりにも痛かったですね。

野球の野村監督が以前、短期決戦では偶数番の試合に勝ったほうが有利だといっていましたが、高尾挑戦者に第2局、4局、6局と全部取られてしまっては防衛できるわけも無かったというところでしょうか。

ともかく、国内棋戦の結果だけから見れば、高尾名人本因坊が日本の第一人者となったといっていいでしょう。

これで国際棋戦でも勝ってくれれば文句のつけようも無いんですが、張栩がやや立て直した名人本因坊の価値が暴落しそうな予感が。
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