ウォーク更家の散歩(東海道・中山道など五街道踏破、首都圏散策)

バスで行く東海道「第7回-3」(御油宿~赤坂宿) 2012.10.7

第六回(-3)ツアーは下記ブログと併せてご覧下さい。
「35:御油宿 2011.12.13」、「36:赤坂宿 2011.12.13」

「35:御油宿」
吉田(豊橋)で1泊したバス旅行は、写真の御油宿の姫街道
への分岐点から出発します。

姫街道は、浜松宿から浜名湖の北側を通り、この御油宿へ至る
ルートで、「女改め」が非常に厳しかった新居関所を避ける
ため、こちらの脇街道を選ぶ女性が多かったそうです。


上の浮世絵は、夕暮れの賑やかな御油宿で、路上では、客引き
の留女(とめおんな)が、強引に旅人をつかまえています。
御油宿は、茶屋(遊郭)が多いことで有名だったそうです。
浮世絵の右手の旅籠では泊り客が腰掛けて足を洗っています。
その泊り客の後ろの壁には、広重の浮世絵の版元の竹之内の
名前と共に、摺り師や彫り師の名前がさりげなく書かれて
いて、当時の浮世絵が出版の広告の媒体でもあったことが
分かり面白いです!

現代の様に電話予約が出来なかった江戸時代では、当日その
場で宿を決めなければならなかったため、宿場町では、各旅籠
の客引き合戦がすごく、旅人を引きとめる留女が活躍したそうです。

特に、御油宿と赤坂宿の争奪戦が激しく、旅人の袖や荷物に
しがみついて旅籠に引きづり込んだそうです。

実際に、袖を引きちぎられる旅人も多かったというから驚き
です!
また引きこんだお客には、マッサージ、髪結い等の手配、両替
の出張サービス、歯磨き販売等々、至れり尽くせりだったそう
です。

下の写真の右側の石碑は、芭蕉の句碑です。
芭蕉は、赤坂宿の大橋屋に投宿し、
”夏の月 御油より出でて 赤坂や”
と、御油宿と赤坂宿の間が短いことを詠っています。


下の写真の東林寺は、説明板によると、室町時代の創建で、
奥州に下る源義経と契りを結んだ三河矢作(やはぎ)の浄瑠璃
姫(じょうるりひめ)の念持仏が当寺の本尊、とあります。

源義経は、いろんな所で契りを結んでいるんでしょうかね?


下の写真は、御油宿の古い町並みです。




上の写真は御油宿本陣跡です。

御油宿の端から見事な御油の松並木が始まります。

でも、残念ながら、ここでは、樹の勢いが衰え、枯れかけた
松や切り倒された松が目立ちます。
手遅れにならないうちに、車の乗り入れ禁止にした方が良い
と思います。


「36:赤坂宿」
次の浮世絵は、広重には珍しく旅籠の中庭の図で、中庭には
ソテツが植えられています。

この絵の旅籠は、現存する大橋屋がモデルだそうです。
この絵ソテツも、近くの浄泉寺に移植され今も残っています。
浮世絵の左の部屋では、客の男が寝そべり、女中がお膳を
運んできています。
右の部屋では、飯盛女(めしもりおんな:娼婦)達が化粧を
しています。

写真の大橋屋は、広重も描いた旅籠屋で、築300年と江戸
時代のそのままの姿で、表に掛けてある大提灯は見事です。

昨年の一人旅の際、大変お世話になった19代目の人の良い
おじさんが、今回も、泊り客への準備で忙しい中、丁寧に
説明してくれました。

天井は、写真の様に、大きく曲がった見事な松の木を使用
しています。

この曲がった大きな松の木の梁が、二階の客間の障子の幅に
しわ寄せされています。

障子の幅が微妙に皆異なるのは、この曲がった松の木の梁の
影響なのです。

二階の八畳の客間は、良く見ると変形の七畳の間になっています。

これは、窓側をそのままにしておくと、泊り客が大名行列を
見下ろす形になってしまうため、あえて半畳を削って、
その分を床の間にしてあります。

つまり、大名行列の側を上座の床の間として、直接覗き見
しない作りになっていますまよ、という体裁だけを整えた
らしいです。

なるほど、言い訳、建前を整えたんですね!覗こうと思えば、
床の間越しに覗けますものね。

大橋屋は、東海道に現存する貴重な文化財で、現在でも予約
すれば宿泊出来ます。19代目のおじさんが元気なうちに、
是非、予約して泊まりに来たいと思います。

浮世絵の旅籠(大橋屋)の中庭に植えられていたソテツが移植
されている、という近くの浄泉寺へ向かいます。



写真の様な見事なソテツが、残っていました。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「街道歩き」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事