母の応対は非の打ち所がないくらい見事なのです。
従姉妹も感心していました。
「叔母さんは思ったより元気でうれしい~安心したわあ!」と床暖房で暖かな部屋に幸せそうな笑顔の母を見て、喜んでくれました。
めったに外に出ることもないので、母の顔を見るのも何ヶ月ぶりなのです。
ゆっくりとお喋りを楽しめたようでした。
今朝はご機嫌で起きてきましたが、何日なのか気になるらしいのです。
新聞を手渡してあげました。
「月曜日だからね~
デイサービスに出かけるのは水曜日よ~」
「ああ、そうねえ~」
そんなことを何回か繰り返している間に朝食時間となったのでした。
しばらくすると、
「9時9時9時ということは~♪」という歌声が聞こえてきました。
ご飯を食べ終わったのかしら?
食後のお薬を飲ませてあげなくっちゃ~と廊下に出てみると、手提げを持って靴を履いているところだったのです。
デイの迎えのバスが来る時間だと思ったようでした。
「行く時は教えてあげるから、今日はお休みだからね~
ゆっくり部屋で過ごしましょう~」と靴を脱がせてあげました。
冬用の靴下になり、なかなか靴が脱げないのです。
足元がひょろひょろして危なっかしいことこの上ありません。
転んだら簡単に骨折してしまう年齢なので、気をつけないとたいへん~
ここしばらくはこんなことは収まっていたのに~
いろんな周期のパターンがあるみたいです。
しっかりしている時と、ぼんやりの時と~
やはり誰かが傍にいないと一人暮らしは無理だよねえ~
母は4人の娘がいるから老後は幸せよね~
何を置いてでも駆けつけてくるもの~
母の介護が始まって6年半くらい経ちますが、姉にばっかり負担はかけられないし~と妹たちで話し合って、母の小遣いにと2万ずつ送ってきています。
仕事を持ちみんな自立しているから思い切りがよく、傍で見ていて実に潔いのです。
親孝行の独り占めは悪いからありがたく生活費に当てて姉妹みんなで母の介護ができているんだと喜んでいます。
私はおかげで定年まで勤めることができたし、妹たちにもそれまで無事勤められるようにしてやりたいと願っているのです。
みんな苦学しながら自立の道を手にいれたのだものねえ~
親から学んだ人間愛をしっかりと身につけて~
ヒロコネエもがんばるからね~
