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アイデアの散策

仕事・研究・日常の中で気付いたことのエッセイ。

人を8つのタイプから見る

2010年10月12日 | 教育・数学・心理学
 ここ数日、技術に関したブログの記事が多かったので、今日は人に関すること、心理学の話題をしようと思います。

 スイスの心理学者、ユングは人の一般的態度(2つ)と心理機能の構造(4つ)の組み合わせから人のパーソナリティを捉えようとした。次に紹介する各カテゴリーのどちら寄りかで、人を8つ(=2×4)のタイプに分けることができるという。

1.外向的か、内向的か
 一般的態度とは、興味関心の方向性を指す。自分の外にあるものに興味関心を示し、そちらに心のエネルギーを向ける人を「外向的」、自分の内面に関心を向け、外面にはあまり関心を持たない人を「内向的」とする。
 たとえば、服装を他人目線を意識して選ぶ傾向があれば外向的な要素が強く、自分らしさを重視して選ぶ傾向があれば内向的な要素が強い。
 外向的な人は、関心が広く浅くなりやすく、内向的な人は、関心が狭く深くなりやすい。無論、どちらが望ましいという問題ではない。
 そして、人はこれらのどちらか一つだけを持っているのではなく、両方を持ち合わせている。普段はどちらかを習慣的(意識的)に使っていて、使わない方の態度は影として無意識に潜んでいると考えられる。

2-1.感覚的か、直観的か
 心理機能とは、心の活動形式のことで、感覚-直観、思考-感情の2対からなる4つの機能が含まれるという。感覚的か直観的かは、外からの情報の取り入れ方の違いである。事物に対して、事物そのものを身体や五官を働かせることの得意な人は「感覚的」、事物そのものよりもその背後にある可能性に引き付けられ、インスピレーション・ひらめきが得意な人は「直観的」とする。
 たとえば、絵を見るときに色彩や画質に引き付けられる人は感覚的な要素が強く、絵から離れ、何か別の着想を思いつくような人は直観的な要素が強い。
 感覚的な人は、具体的、現実的、事実重視になりやすく、直観的な人は、抽象的、未来志向になりやすい。

2-2.思考的か、感情的か
 事物に対して、固有の法則に従って概念的に理解しようとする人は「思考的」、快不快といった基準で価値判断しようとする人は「感情的」とする。
 絵を見るときに、絵の内容を解釈しようとする人は思考的な要素が強く、好き嫌いといった価値から判断しようとする人は感情的な要素が強い。思考的な人は、論理性や客観性、妥当であるか納得できるかといった傾向があり、感情的な人は、情や調和を大切にする傾向がある。会議の場で、周りとの調和を度外視して自己主張を続ける人、逆に自己主張の気持ちを抑えて周りに合わせる人、それぞれ思考的な要素、感情的な要素が強いと言える。
 これら、感覚-直観、思考-感情もまた、外向-内向と同様に、普段はどちらかを習慣的に使っているのであって、使わない方の機能は無意識のうちにあると考える。したがって、普段、思考的な人が突然感情的に怒り出すこともある。

3.8つのタイプ
 以上から、つぎの8つのタイプに分けられる。
 外向的感覚型、内向的感覚型、外向的直観型、内向的直観型、外向的思考型、内向的思考型、外向的感情型、内向的感情型
 ユングが人を8つのタイプに分けたことには次のような意義がある。ユングは、常にパーソナリティは発達するものだと考える。習慣的に使っている心理機能ではない無意識の側にある心理機能を、どのように主機能と統合し、個性化・自己実現の到達に結び付けることができるか、パーソナリティをどう改変するかというところに主眼がある。
 自分の心理的癖を把握しておくことは大切なことだと思う。そして、人間関係をより良くできれば望ましい。

追伸:自分がどのタイプかを診断するテストもある。以前、大学の授業で試したとき、私は外向>内向、直観>感情>思考>感覚の順の優位性だった。

参考文献
 武田洋子他(2000)『心理学のポイント』第6章「パーソナリティと心理臨床」pp.114-116

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