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アイデアの散策

仕事・研究・日常の中で気付いたことのエッセイ。

因果関係を支える三つの基本的原則

2012年01月06日 | 日記・エッセイ
 論文を書くための思考法.

 ここ数日は,そうした思考法をいくつかの本を読んで散策した.
 思考法とは一つではないが,一つの思考法として高根正昭(1979)『創造の方法学』講談社,p83,p108を要約すると,次のようになる.

 因果法則を支える三つの基本的原則とは,
1.従属変数(結果)に対する独立変数(原因)の先行(時間的順序の確立)
2.両変数の共変関係の確認
3.他の変数の統制(他の変数が変化しない条件の確立)
である.

 加えて,同著p36,pp38-40,p56,pp59-61を要約してみよう.

 問題解決とは,二つの要素(「原因」と「結果」)とを明瞭に定め,問題の論理を組み立てることである.

 二つの要素の論理的な関係は,「仮説」(hypothesis)とよんでもよい.そして, 「記述」と「説明」とは本質的に異なるものである.また,「記述」(description)は観察して記録すること,「説明」(explanation)は「なぜ」という疑問を発して結果の現象と,その原因となる現象とを論理的に関係させようとするものであり,社会学者たるもの「説明」を行うよう努力しなければならない.したがって,仮説を立てた研究者は,「検証」(verification)(その仮説を経験的事実に合わせてテストすること)をしなければならない.

 「事実」(fact)とは,「概念」(concept)によって「経験的世界」(empirical world)から切り取られた現実の一部にすぎない.タルコット・パーソンズの言葉は,事実として認識されていない部分は「残余カテゴリー」(residual category)と呼んでいる.
 概念が修正されることで,新しい事実は認識される.すなわち「残余カテゴリー」が新しい概念によって事実に変化する.新しい概念の創出こそ,人間の知的創造にとって,きわめて重要な働きなのである.

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