孫さん凄い
2月25日(ブルームバーグ):ソフトバンク は韓国の検索サイト最大手ネイバーの日本子会社であるLINEの株式取得を目指している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
関係者の2人によれば、LINEはこれ以外にも会社全体ないし部分的な買収提案を少なくとも1件受けているため、新規株式公開(IPO)の準備を遅らせている。情報が非公開であることを理由に匿名で語った。東京を本社とするLINEの利用者数は約3億4000万人。BNPパリバによれば、LINEの企業価値は最大149億ドル(約1兆5300億円)の可能性がある。
利用者がネット経由で無料でメッセージや通話ができる通信アプリサービスは急速に普及し、電話会社が提供する従来のメッセージサービスから顧客を奪っている。ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)最大手の米フェイスブックは今月、スマートフォン向けメッセージアプリの米ワッツアップを最大190億ドルで買収することで合意。その数日前には楽天がメッセージ・通話のアプリを世界中で展開するバイバー・メディアを9億ドルで買収すると発表していた。
1人の関係者の話では、ソフトバンクの創業者、孫正義氏は株価取得についてLINE側と話し合った。別の関係者によると、LINEは引き続き年内の新規株式公開(IPO)を目指しており、こうした複数の提案内容を吟味するため一定の時間が必要としている。関係者によれば、大手企業からの出資を受け入れることで、IPO前にLINEの評価額が高まる公算が大きい。
ソフトバンク広報の倉野充裕氏とLINEの広報担当者はコメントを控えた。ネイバーの広報担当者、林史子氏は今のところコメントできないとしている。
ソウル株式市場でネイバーの株価は最大8.8%高となった。東京市場ではソフトバンク株が一時4.4%上昇、午前11時7分現在は3%高の8006円で取引されている。
いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員はLINEについて「ユーザーが多く、今一番勢いのあるアプリ。それを取り込むだけでも株価は反応する」と指摘。ソフトバンク子会社のガンホーやヤフーとの相乗効果もあると述べた。
また、エース経済研究所の安田秀樹アナリストはLINEによる無料通話について「ソフトバンクのような通信業者には加入者一人当たりの売上高を下げる原因になる」とした上で、「株式を取得することで、ある程度コントロールしたいのではないか」と語った。
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更新日時: 2014/02/25 11:26 JST